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     第
5

   19832  山里のやさしいおばさん

  この日は、Mさんと二人で岐阜県吉田川支谷の奥長尾までやって参りました。

山に降る雪はすごいもんですねー。現地に着いた午後11時頃にはチラホラと雪が舞っていましたが、その程度は特別気にもかけませんでした。愛車はスバルの軽ワンボックス・スバルサンバー4WD、小さな車ですがシートを倒してクッションを敷き詰めると、三人が足を伸ばして寝ることが出来るスグレモノです。今晩は二人で快適に宿泊できそうだ。

暗い中、駐車場所を探して回るうち川側に手ごろなスペースを見つけました。道路を挟んで民家も見えますが、ここに決めちゃいましょう。

目覚ましで朝起きました。もうそろそろ明るくなるはずが何やら薄暗いではないですか。それもそのはず、雪が車をすっぽりと覆っています。一晩で30cmほども積もりました。

  窓ガラスの内側もしっかりと凍りつき、おまけに外側には雪がかかっています。まあそんな状況でも、クッションの上で寝袋に入り、更に毛布を掛けて寝ていますので結構暖かく眠っています。少しだけドア-を開け、何とか窓の雪を払って外をうかがうと、民家のおばさんがスコップを持って出てきて玄関前の雪掻きをしています。こんなに早い時間にもう働いています。えらいなー・・と感心しつつ周りをよくよく見ると、なんと愛車が止まっている場所はどう見てもこの家の駐車場のようである。これはおばさんに叱られるかなと思いつつ、会釈しました。そうしたらおばさんが、「コンニチワー、 えらく降りましたねー !!  一晩車で寝たんかねー、寒かったでしょうにー」と言葉をかけてくれましたので、やれやれ叱られずに済んだかとホットしました。

釣友のMさんは早々と支度して出て行きました。残った私は、冷え込んでいるこの時期そんなに慌てることは無いと車の中で一服していましたら、先ほどのおばさんがまた出てきて、「これでも飲んで暖まりなさい。」と、インスタントコーヒーとカップ、やかんに沸かした湯を差し入れしてくれたのです。

  叱られるどころか、嬉しかったですねー、涙が出てきました。 先刻ガスコンロやら紅茶も持ってきているのすが、やさしい気持ちが嬉しかったです。

  2月の雪の中、アマゴは釣れませんでしたが、心に大きなお土産を頂きました。