平成4年ワ第2936号(原告 第六準備書面)


第 六 準 備 書 面

平成四年(ワ)第二九三六号

          第 六 準 備 書 面

原  告翠松園道路対策組合
被  告株式会社さ い と う
 外七名

 右当事者間の道路整備工事同意請求事件につき、原告は左記のとおり弁論を準備する。

    平成六年六月六日
右原告訴訟代理人
弁護士   高   津   建   蔵

名 古 屋 地 方 裁 判 所
    民 事 第 六 部 御 中 


一、 本件(三)土地(被告株式会社一商所有、二七七三番一九三の内、合筆前の旧同番一九六-別紙図面3の赤斜線部分-以下単に、旧一九六という)道路敷地の通行形態について
 (一)  株式会社一商による通行妨害発生以前
  甲第三号証(昭和三九年(ワ)第二三九一号通行権確認等反訴請求事件判決)の明示するとおり、守山区大字小幡字北山二七七三番地内の道路敷地は、翠松園土地分譲開始以来、同番四二の一筆であったが、昭和四〇年頃訴外朝倉丞作により十余筆に分筆された結果、本件(一)土地(被告株式会社さいとう所有、同番四二)、本件(三)土地(被告株式会社一商所有、旧一九六)、本件(四)土地(被告小川智慧子所有、同番二一七)、本件(五)土地(被告丹羽誠所有、同番二一九)、訴外人所有の同番一九五、同番二一八等の分割された道路敷地が生ずるに至った。
 しかして本件(三)土地は、翠松園土地分譲開始以来、株式会社一商による通行妨害発生に至るまで、上記道路敷地の一部として、二七七三番二一七、同番旧一九六、同番一九五を経て、市道翠松園線へ段差なく接続し、翠松園居住者及び近隣居住者のための公衆用道路として利用されてきた。(別添図面3参照)
 (二)  株式会社一商による通行妨害発生より現在に至るまで
  株式会社一商による二七七三番旧一九六道路敷地への花木の植栽による通行妨害と、あわせて添付図面1及び添付図面2に示す名古屋環状2号線(東名阪自動車道及び一般国道三〇二号)建設のため日本道路公団が二七七三番一九五及び同番二一八を買収し、平成三年四月より建設省中部地方建設局愛知国道工事事務所による名古屋環状2号線建設が開始され、別添図面3に示すDFを結ぶ線に沿って工事用フェンスが設置されたため、現在は通行が不可能となっている。
  (三)  名古屋環状2号線完成後
  本件(三)土地付近の完成予想図は別添図面2、また平面図は別添図面4のとおりである。すなわち、同図面に示すとおり、本件 (三)土地及びこれに隣接する本件(四)土地は、一般国道三〇二号歩道及び幅員四メートルのサービス道路に接続し、跨道橋を介して市道翠松園線に接続する設計となっており、跨道橋は平成六年八月、歩道及びサービス道路は、平成六年度末までに完成の予定である。
 また、被告は、本件(三)土地の現況について、約九〇センチメートルの高低差がある旨主張するが、これは道路をスロープまたは階段として利用することが可能であるから、該土地を道路として認定ないし利用するにつき何らの支障はない。
 なお、本件(三)土地の一部、すなわち別添図面3及び図面4中の*印部分(〇・一七平方メートル)は、一般国道三〇二号の歩道となる計画であり、平成四年二月、訴外建設省中部地方建設局愛知国道工事事務所より原告側に対し、当該土地につき用地買収に関する打診がなされたが、本件により係争中である事情を勘案し、用地買収に関する交渉は現在中断されている。
二、 下水道及び都市ガス供給設備等の敷設について
 旧一九六(本件(三)土地)を含む二七七三番一九三の土地西側に隣接する道路は、大蔵省所有の自衛隊宿舎内道路であって、名古屋市の認定道路ではない。そのため、現在、下水道及び都市ガス供給設備等は敷設されていない。従って、仮に被告が主張するように、現在は「同土地に居住する生活者が、近代都市としての住宅土地を望んでいない」としても、将来において、同土地居住者が、これら諸設備の利用を希望した場合には、これを本件(三)土地の道路敷地へ敷設することが不可欠となる。
 さらにまた、本件(三)土地の道路敷地への下水道及び都市ガス供給設備等の敷設が、仮に不可能となった場合、原告は現在直ちに直接的な不利益を被るわけではないとしても、将来、同土地周辺を含め、翠松園全域に下水道が完備されたのに拘わらず、同土地のみ下水道が不備である場合には、汚水及び生活排水の側溝への放流にともなう臭気等、非衛生的な環境を強要され、間接的な不利益を被るものである。

     添 付 図 面

図面1  「環状二号線、山の手通線計画位置図」
     名古屋市作成「都市計画基本図」の一部(写)

図面2  「小幡付近完成予想図」
     建設省中部地方建設局愛知国道工事事務所作成「環状2号線改良工事説明会資料」の一部(写)

図面3  「用地確定図」
     一般国道302号守山地区用地調査(その1)受託関谷測量設計株式会社作成「用地確定図」の
     一部(写)
     図面3中AないしFの各点は、図面4中AないしFの各点に対応

図面4  「平面図」
     名古屋環状2号線小幡北改良その1工事受託清水・奥村特定建設工事共同企業体作成「平面図」
     の一部(写)
     図面4中AないしFの各点は、図面3中AないしFの各点に対応

 註:なお、上記各図面中、文字・記号等の一部は、原告側で記入



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