資  料 No.4


守山区小幡翠松園地区上水道設置に関する陳情書

守山区小幡翠松園地区上水道設置に関する陳情書

  昭和三十九年九月八日
請 願 人
住所 名古屋市守山区小幡二七七三の八〇
翠松会会長小幡連区翠松園
町総代西   垣    勇
名古屋市守山区小幡二七七三の一三二
翠松園道路対策組合
理事長佐  伯  将  雄
                





名古屋市長 杉 戸   清殿

 



守山区小幡翠松園地区上水道設置に関する陳情書

一、名古屋市守山区小幡翠松園地区内左記道路並に住宅に上水道を設置していただきたい

      記

 1 守山区大字小幡二七七三及二七五八両番地総面積約十三万坪
 2 右道路面積      一三、四三二坪
 3 右道路総延長     約八、三〇七米
 4 右地区居住者名簿     別紙の通り

    理    由

当翠松園は大正末期朝倉千代吉及谷口藤次郎の両名が共同で当該所有地を巾員四米内至六米の道路(側溝付)を設定区画し翠松園と名打って当時一大高級住宅地として過去四回に分け売出された分譲住宅地域であります
爾来四十年近い才月に百数拾戸の住宅が建設され建築未着手の地主は約六百名もあり将来発展を約束される住宅地域であります
近年急増する(隣地に県立緑ケ丘商業高校、金城大学あり)人口に必要な『水』の問題こそ住民の一大苦悩であり特にこの数年の冬期夏期の異常渇水で各戸の井戸掘費用を集計すると実に四百九拾六万八千円の巨額に達すし住民の生活に重苦を与えつつある時地内に愛知用水が通過し(愛知用水沈砂池設置)たので当時の守山市に水道設置の要望となり昭和三十五年六月待望久しき上水道敷設工事を守山市の都市計画事業として着手し翠松園入口より東北と西北への二方向の道路に水道管をそれぞれ約百五拾米位敷設し消水栓迄設備した処突然黒田市長は名古屋市北区黒川本通一丁目五八朝倉丞作より(該道路を昭和三十五年八月頃大阪の商人より買受所有者となった不動産業者)の工事施行中止要求で工事を中止する事件が起り昭和三十六年(ワ)第五三五号所有権確認等請求事件として上記朝倉丞作原告より地内二ツ池西側住民石黒たま他三九名及中部電力株式会社並日本電信電話公社を被告として名古屋地方裁判所に訴訟を提起し該道路に事実上通行妨害問題を起し一大社会問題となり新聞紙、テレビ、ラジオのニュースとなり全住民と不在地主は直に道路対策組合を結成し政治問題、社会問題、生活基本問題、人権問題となり守山市議会に於ても特別委員会を設置し審議中に名守合併となり合併后即時解決すべき重大問題として議決し名古屋市市議会長と名古屋市長に引継された事は御高豕の通りであります
続いて道路対策組合は昭和三十八年六月二十五日再度名古屋市会議長大西泰助殿に請願書、杉戸市長殿には陳情書を提出しました
訴訟は目下延々四年間も継続中であります
本年の夏の異常渇水の八月下旬頃地内に高層鉄筋ビル等十戸近く新築され、これがビル用冷暖房用に井戸水を高電圧馬力で使用した為め附近の住宅の井戸が渇水果て生存の基本である『水』の重大問題となりこの冬の本格的渇水期を控え全住民協議した結果住民総意にて根本的打開策として上水道を一日も早く敷設され市民生活の安定を市当局に要望する事に満場一致決議されました
前述の原告提訴中の面積は二ツ池西地区六、七七七坪であります(別添図面の通り)被告側である住民全員は永久存続の無償通行地役権を主張し本月七日反訴を提起しました特に本訴訟は原告が宅地建物取引業法上の業者であり大阪市西区土佐堀通り大同ビル四〇八、大繊実業株式会社より該社の抵当物件たる本道路を転売利得の目的の為買受けて本訴に及んだものであります爲に住民百数十世帯数百名の市民の基本的生存権が脅されつつ訴訟終結を長年待っている実状であります
憲法、民法、地方自治法等に明記された所謂公共の福祉を忘却軽視されずましてや一個人の権利の濫用を許さず地方公共団体の基本原則に則り緊急水道敷設下さる様陳情致します
以  上  




会 員 名 簿

翠 松 会  昭和三十九年九月一日現在      
一  組    八名( 氏名 略 )
二  組    八名( 氏名 略 )
三  組   一二名( 氏名 略 )
四  組   一四名( 氏名 略 )
五  組   一一名( 氏名 略 )
六  組    十名( 氏名 略 )
七  組    九名( 氏名 略 )
八  組    九名( 氏名 略 )
九  組    八名( 氏名 略 )
十  組    八名( 氏名 略 )
十一 組    十名( 氏名 略 )
十二 組    四名( 氏名 略 )
順 序 不 同      
 合 計  一一一世帯



註:名守合併とは、愛知県守山市が名古屋市に合併され名古屋市守山区になることを指す


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