資  料 No.18


意 見 書

平成4年(ケ)第421号
意 見 書

 上記競売請求事件再現況調査にあたり、下記の通り、意見を述べる。

平成9年10月18日 

翠松園会副会長
(翠松園道路等整備事業専任)
横 田 英 一


1 本件土地発生の経緯ならびに性格
 (1) 本件土地(守山区大字小幡字北山2773番193の内合筆前の旧2773番196(登記簿上の面積66平米、実測面積約89平米))は、朝倉千代吉、谷口藤次郎両名が元守山町大字小幡字北山2758番及び同所2773番の土地を、「翠松園」と称する郊外住宅地として分譲するため開設した道路の一部である。
 (2) 守山区大字小幡字北山2773番地内の道路敷地は、昭和元年の翠松園土地分譲開始以来同番42の一筆であり、他の分譲土地とは明確に区別され、翠松園土地分譲者である朝倉千代吉(朝倉の家督相続人である朝倉銚太郎を含む)と谷口藤次郎による共有におかれ、その所有権を分譲地土地購入者に留保してきた。
 しかし登記簿上の地目が山林であったことから投機の対象とされ、昭和40年頃、下記「通行権確認等反訴請求事件」被告朝倉丞作により十余筆に分筆され、本件土地を含む分割された道路敷地が発生した。
 (添付『2773番42分筆表』及び『2773番42対比図』参照)
 (3) 本件土地は、翠松園土地分譲時より道路敷地として予定され、完全な道路の形態に整備され、かつ翠松園の住民の利用に供されてきた。
 上記の事実は、次に示す二事件の認容する通りである。
1) 昭和39年(ワ)第2391号「通行権確認等反訴請求事件」判決
2) 昭和59年(ヨ)第930号「不動産仮処分申請事件」仮処分決定書
  (添付『甲第16号証』参照)
 (4) また本件土地が、(株)一商による通行妨害発生まで、翠松園住民及び近隣居住者のための公衆用道路として利用されてきた事実は、地方税法の規定により公衆用道路として固定資産税・都市計画税が非課税となっていることからも明白である。
  (添付『土地課税台帳等登載事項証明書』参照)
 (5) 添付の『翠松園道路問題の経緯概要』に示す通り、翠松園内道路敷地の大半の公道化実現により、平成元年から名古屋市等による翠松園道路等整備事業が開始され、本件土地についても同上整備を施行する上で土地所有者の承諾を必要としたため、平成4年(ワ)第2936号「公共下水道設備工事同意等請求事件」を提訴した。同事件は、平成8年9月13日第8回口頭弁論期日に於て、被告破産会社(株)一商破産管財人が「原告請求の趣旨を認諾」し、終結した。
 (6) したがって本件土地は、上記事件原告住民の通行地役権が認められた土地であるため、通行の妨害となる建築物あるいは工作物の築造ができないことはもとより、用途を道路としての利用に限定された土地である。

2 本件土地の利用形態について
 (1) (株)一商による通行妨害発生以前
  本件土地は、(株)一商による通行妨害発生に至るまで、翠松園内道路敷地の一部として、2773番217、同番196、同番195を経て市道翠松園線へ段差なく接続し、公衆用道路として利用されてきた。(添付図面3参照)
 (2) (株)一商による通行妨害発生より今日に至るまで
  (株)一商による旧2773番196道路敷地への花木の植栽による通行妨害とあわせ、添付図面1及び2に示す名古屋環状2号線(東名阪自動車道及び一般国道302号)建設のため日本道路公団が2773番195及び同番218を買収し、平成3年4月より建設省中部地方建設局愛知国道工事事務所による名古屋環状2号線の建設が開始され現在に至り、通行が不可能となっている。
 (3) 今後の整備予定
  現在翠松園内に於て施行中の翠松園道路等整備事業の進捗にあわせ、本件土地も上記事件『認諾調書』に基づき、名古屋市等による道路等整備が実施される予定である。その際、本件土地と一般国道302号歩道部との高低差は、階段またはスロープの設置により解消される。
 なお、添付図面3及び4に示す一般国道302号歩道部の内*部(0.26平米)は日本道路公団による用地買収予定地であるが、翠松園住民側の事情を勘案し、現在用地買収交渉が中断されている。





添 付 資 料

(略)



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