資  料 No.13


昭和59年6月18日附『中日新聞』

       3度目の強制執行
        守山の『翠松園』地区の私道問題
        住民、駐車場を埋め戻す

 名古屋市守山区小幡北山の通称「翠松園」地区内で住民の通行権が裁判で認められている私道上に、同市内の不動産業者が家屋の建設工事を始めたため、十七日午後、原状復旧を命ずる名地裁の仮処分決定に基づいて住民による土地埋め戻しの強制執行が行われた。
 問題の土地は同所北山二七七三ノ一九三の約四百平方メートルで、昨年七月同市東区の不動産業者が入手、最近工事を始めたが、うち約六十六平方メートルは昔からの道路敷。ところが翠松園地内の私道道路敷はさる四十年のいわゆる道路裁判で住民固有の道路使用権を確認する判決が出ており、同園道路対策組合(冨永義彦理事長)はただちに原状復旧の仮処分を名地裁に申請、認められた。
 十七日は、同理事長、井上丈太郎町内会長ら住民数十人が雨中をスコップなどを手にして集まり、業者のブルドーザーと一緒になって道路敷にかかる駐車場(幅四メートル、深さ約三メートル)の埋め戻し作業を行った。
 施行主側の静観で三時間余で終わったが、住民らは「こんな事態がひん発しないよう行政側は一日も早く私道を『公共用道路』に認定してほしい」と口々に訴えていた。事実上の生活道路である私道上に建物やいやがらせのバリケードが作られ、同園の住民が実力で撤去した事件は五十六年以来、これで三度目。



註:中日新聞社、転載許諾済


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