「・・・っていう、お話がこの後に続いているんだ。」
類は、『人魚姫』の本を閉じ、亮輝に渡した。
「そっかぁ・・。」
亮輝は、類から本を受け取り、表紙の人魚姫の絵をしみじみと眺めた。
「それじゃ、人魚姫は悲しかったんじゃなくて、幸せだったんだよね?」
「そうだよ。最初、パパが『ママも、人魚姫みたいにカワイソウだった』って言ったけど、
『ママも、人魚姫みたいにシアワセだった』っていうのがホントかもね。」
それを聞いて、亮輝は『にぱっ』と笑った。
「ママは、シアワセなんだっ。良かったー♪」
「あぁ。ただママは、ちょっと幸せになるまで通り道をしただけなんだ。」
「フゥン・・。それじゃ、パパはシアワセ??」
亮輝はイタズラっぽく、類の顔をのぞき込んだ。
「もちろんだよ。でも、パパもシアワセになるまで通り道しちゃったけどね。。」
亮輝は、類の言葉を聞いて、少し照れながら言った。
「あのねっ、ボクもねっ、シアワセだよっ!!」
亮輝の頬は、少し赤く染まっていた。
「だって、パパとママがいつも傍にいてくれるからっ!!」
緊張したのだろうか、亮輝の声は少し裏返り気味だった。
「そっか、そっか。ありがとうな、亮輝。」
類は、亮輝を抱きしめた。
「パパってば〜、苦しいよー。」
「いいの、いいの。」
すると遠くの方から、元気な声が聞こえる。
「類ーーー!!亮輝ーーー!!」
「あっ!!ママの声だ!!」
類は涼気の身体を離した。
「みんな、お昼よーっ!」
その声の主は、つくしだった。
「はぁい!ママ、今パパと行くよ〜〜!!」
亮輝は、つくしに負けないくらい元気な声を出して、類の手を引っ張った。
「ほらっ、パパ、早く行こうよっ!」
「そうだな。」
亮輝は、ウキウキしながらつくしの元へと駆けていった。
類も、亮輝に引っ張られ、一緒に走る。
「ママ!今日のお昼は、なぁに!?」
「亮輝の大好きな、オムライスよっ!」
「わーいっ♪やったー♪」
こんな当たり前の光景を見た類は、微笑んでいた。
「どうしたの類?ニヤニヤしてさぁ?」
つくしが、不思議そうに問いかける。
「いや、なんでもないよ、つくし。」
そして類は、つくしにキスをした。
「愛してるよ。」
「なぁ〜に今さら言ってんのよ?変なの・・。」
つくしも、類にキスをした。
「私もよ。愛してるわ。」
未来への扉は、まだ開き始めたばかり。
未来の道は、きっと永遠に続いてる。
03/5/25
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こんにちは。管理人のまっきぃです。
flower flowerのサイト様で執筆していた作品です。
ちょっと手を加えて、もう一度書き上げてみました。(変わってねぇ!!)
人魚姫・・・好きな童話のひとつです。幸せになって欲しいですね、彼女には。
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