ギター教室で生徒さんが 実はよくわかっていない事 に 和音(コード) の話があります。 突っ込んだ専門的な部分はその分野のエキスパートにお願いするとして ここでは基本的なことをお話ししようと思います。 ポピュラー系の方は不思議に思うかもしれませんが、 クラシック系の方の中には 和音には名前が付いている と申し上げると、 『(・o・)え?…』 という顔をなさる方がいらっしゃいます。 そして【ドミソ】も【ミドソ】も【ソドミ】も、 いや【ドとミとソで構成される和音は全て同じ名前】と言うと、もひとつ『(・o・)え??…』。 だって【ドミソ】と【ミドソ】は違うじゃん! …確かに順番が違うと音の響きも違いますが、ここで言う 和音に付いている名前 は、 構成音を あるルールに沿って 並べ替えた結果 なんですよ。 実は、小学校の高学年、又は中学校の音楽の時間に教わっている事なのですけどね…。 ほとんどの方がその時間は 音楽 ではなく 音学 になっていて 退屈なその時のことは覚えていない、らしいです。 (まぁ、わからん事もないですけど…) ところで、この ドレミファソラシド はイタリア語…と言うのはご存じですか? じゃぁ日本語では? …そう ハニホヘトイロハ です。 では英語だと? …………… CDEFGABC あれ? 和音に付いている名前も ABC で表記されているけど… (−"−)ウ〜ん、これではごちゃ混ぜになって解りにくいですね。 そこで、とりあえず和音名を表記するときには ABC… を使い、 単音を指す時に ドレミ… を使う事にします。 ハニホ… は別なところで活躍していただくので、ここではお休み。 次に 音階 という厄介なものを引っ張り出します。 これはその曲で使われている音を 低いものから順番に並べていったもの です。 そうすると単音名(ドレミ…)が一定の繰り返しで現れますから、 その繰り返しの始めから終わりまでを一サイクル分だけ抜き出します。 これが 音階 です。 いくつかの種類の 音階 がありますが、 和音の名前 に必要なのは2種類なので、それをここに引っ張り出しましょう。 まず一つ目。それは、 ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド へーんだ、なにも特殊な事はないじゃん!! もう一つは、 ラ シ ド レ ミ ファ ソ ラ あ、ちょっと寂しい感じに聞こえる並びね。 この二つがなにか…? じつはこの二つが大変に重要です。 一つ目の ドレミファソラシド は二つ目と比べると明るい感じに聞こえる 長音階 と言われる並びです。 英語で メジャースケール (で、あってると思うけど…)とか、単に メジャー(major) とか言われています。 二つ目の ラシドレミファソラ はどちらかというと暗い感じに聞こえる 短音階 と言われる並びです。 こちらは マイナースケール とか、単に マイナー(minor) と言われます。 この二つはどこが違うのでしょう? ピアノの鍵盤に置き換えてみます。(鍵盤の苦手な人、重要なところだからすっ飛ばさないで下さい!!) ドレミファソラシド は ![]() ラシドレミファソラ は ![]() この二つを見比べてみると、…黒鍵の場所が微妙に違いますね。 ドレミファソラシド は「ド・レ・ミファ・ソ・ラ・シド」 ラシドレミファソラ は「ラ・シド・レ・ミファ・ソ・ラ」 となっています。 でも、まだこれでは解りにくいので音名(ドレミ…)を番号(123…)に変えてみましょう。 どちらも とにかく 低い方から順番に 12345678 に変えると ![]() ![]() で、 ドレミファソラシド は「1・2・34・5・6・78」 ラシドレミファソラ は「1・23・4・56・7・8」 になります。 …と、言う事で メジャー(メジャースケール) は「1・2・34・5・6・78」と並び マイナー(マイナースケール) は「1・23・4・56・7・8」と並んでいる… と覚えてしまって下さい!!(かなり強引ですが大切な事なので…) この番号は固定ではなく、どの音でもそれを最初の [1] として 番号を順番に割り振る事ができます。 例えば ラ から メジャー[1・2・34・5・6・78] を割り振ると ![]() と、こんな具合です。 また ド から マイナー[1・23・4・56・7・8] を割り振ると ![]() こういう事になります。 さて、本題の 和音の名前 はこの 音階(スケール) が解れば後はそんなに難しくありません。 基本的には 12345678 と並んでいる中から 奇数番目を低い方から三つ 重ねたものです。 12345678 の1、3、5の三つです。 これは メジャー でも マイナー でも 同じルール です。 そして、和音の名前は ● どの音が [1] なのか ● どちらの [スケール] で並べた時の [1、3、5] なのか で決まります。 ド から メジャー で並べたときの1、3、5なら ド = C なので「Cメジャー」と呼び ド から マイナー で並べたときの1、3、5なら 「Cマイナー」と呼びます。 [1] の音名 の英語表記 + スケール名、と言うわけです。 音名を大文字で、スケール名を小文字で表記すると Cメジャー は「Cmajor」、Cマイナー は「Cminor」と書くことになるのですが これでは長くて不便なので、後のスケール名 をイニシャルだけにすると簡単 (^-^)v!ィェィ …なのですが、ここで問題発生!! それは「major」も「minor」もイニシャルは「m」!! あれあれ… これでは区別がつきません。 と言う事で、もっと簡単にする手立てとして… 比較的多く使われる メジャー(時と場合によっては違う事もありますが…)は イニシャル無し で マイナー の方だけ後に「m」を付ける …ことにすると Cメジャー」は「C」 Cマイナー」は「Cm」 となって、見慣れた格好になりました…ネっ!! これが 和音の名前 で コード とか コードネーム と呼ばれるものです。 ところで、後に数字の付いたコードをときどき見かけます。 いろいろあるのですが、とりあえず「7」が付いているコードを説明しますね。 基本的には 奇数番目を低い方から三つ 重ねたものでしたが 三つ でなく 四つ目 も重ねたらどうなるでしょう? 12345678の1、3、5、7の四つなのですが 基本の1、3、5に7(番目) を加えたので、後に「7」の文字を付け足して表記します。 C に重ねたら「C7」 Cm に重ねたら「Cm7」… ちょっと待って下さい!! 先程の メジャー と マイナー のスケールを見比べて下さい。 メジャー は [1・2・34・5・6・78] と並び マイナー は [1・23・4・56・7・8] と並んでいる… メジャー と マイナー では7の位置が違いますね。 つまり メジャー上の7番目はマイナー上の7番目より半音高い音 で、実はこの二つは 違う音 なのです。 でも どちらも「7番目」…。 メジャー上の「7番目」は major の7番 なので「major7」と呼ばれます。 一方 マイナー上の「7番目」は minor の7番 で「minor7」としたいのですがこれらも 簡略化 されています。 よく使われるのは minor の7番 の方なので(そう覚えてください!!)、ただ単に7と表記し あまり使われない major の7番 は少しだけ省略して maj7 と表記します。 (これでも長いと思った人達はもっと簡単に M7 とか △7 と表記するようです…) さてここで問題。 C を [1] とする基本コードに「7番目」を重ねた(加えた) コードは、どれだけある? 答は 次のページ で… |