まず dim と表記されているもの。
で、どのようにスケールを無視するのかと言うと…
一旦振り返って、基本コードのスケールを見てみましょう。
メジャー は |
1 |
・ |
2 |
・ |
3 |
4 |
・ |
5 |
・ |
6 |
・ |
7 |
8 |
と並び、 |
マイナー は |
1 |
・ |
2 |
3 |
・ |
4 |
・ |
5 |
6 |
・ |
7 |
・ |
8 |
と並んでいる… |
基本コードではこれらの1、3、5を使いましたが、これらのスケールを無視するので1以外は番号を付けないスケールを考えます。
1は Root なので、これまで消すと訳が解らなくなりますからこれは残します。
メジャー が
|
1 |
・ |
2 |
・ |
3 |
4 |
・ |
5 |
・ |
6 |
・ |
7 |
8
|
マイナー が |
1 |
・ |
2 |
3 |
・ |
4 |
・ |
5 |
6 |
・ |
7 |
・ |
8 |
1以外の番号を外して |
1 |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
このメジャーでもマイナーでもなく、半音を全て考えるスケールを クロマチック・スケール と呼びます。
数えると全部で12個(13個目は1と同じ音だから数えない…のです)ありますから「12音階」とも言います。
dim と表記されているものは、この クロマチック上で「等間隔」 に音を積み上げた(重ねた)もののひとつです。
どのように「等間隔」なのかと言うと…
メジャー が |
1 |
・ |
2 |
・ |
3 |
4 |
・ |
5 |
・ |
6 |
・ |
7 |
8 |
マイナー が |
1 |
・ |
2 |
3 |
・ |
4 |
・ |
5 |
6 |
・ |
7 |
・ |
8 |
クロマチック が |
1 |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
で、dim は |
● |
|
|
● |
|
|
● |
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|
|
|
|
|
そしてこれにもう一つ積み上げても…
メジャー が |
1 |
・ |
2 |
・ |
3 |
4 |
・ |
5 |
・ |
6 |
・ |
7 |
8 |
マイナー が |
1 |
・ |
2 |
3 |
・ |
4 |
・ |
5 |
6 |
・ |
7 |
・ |
8 |
クロマチック が |
1 |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
で、dim は |
● |
|
|
● |
|
|
● |
|
|
● |
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|
なぜか聞こえる響きに変化があまりありません。
ですから dim は四つの音が積み上がっている形を考えたほうが、操作し易くなる時があります。
で、さらにもう一つ積み上げようとすると…
メジャー が |
1 |
・ |
2 |
・ |
3 |
4 |
・ |
5 |
・ |
6 |
・ |
7 |
8 |
マイナー が |
1 |
・ |
2 |
3 |
・ |
4 |
・ |
5 |
6 |
・ |
7 |
・ |
8 |
クロマチック が |
1 |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
で、dim は |
● |
|
|
● |
|
|
● |
|
|
● |
|
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○ |
8は1と同じ音なので積み上げる意味がありませんね。
また、聞こえる響きに変化があまりありませんから、積み上げた四つのうち
クロマチック |
1 |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
dim |
● |
|
|
● |
|
|
● |
|
|
● |
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どれか一つを外してもほとんど同じように機能します。
便利なんだかどうか、とにかく不思議なコードではありますが、
基本コードとは明らかに違う特徴的な音の響きを持っていて、このコードも無視する事ができない「困ったちゃん」です。
この dim ではちょっと面白い(というか、興味深い)事があります。
それは Cdim ・ E♭dim ・ G♭dim ・ Adim のそれぞれの構成音を見て下さい。
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1 |
・・ |
● |
・・ |
● |
・・ |
(●) |
|
Cdim |
→ |
ド |
・・ |
ミ♭ |
・・ |
ソ♭ |
・・ |
(ラ) |
|
E♭dim |
→ |
ミ♭ |
・・ |
ソ♭ |
・・ |
ラ |
・・ |
(ド) |
|
G♭dim |
→ |
ソ♭ |
・・ |
ラ |
・・ |
ド |
・・ |
(ミ♭) |
|
Adim |
→ |
ラ |
・・ |
ド |
・・ |
ミ♭ |
・・ |
(ソ♭) |
このように、この四つのコードは構成音が同じになってしまうと言う事です。 Root が違うだけで…。
と言う事は、構成音だけで考えれば(Root は考えないで下さい)、dim は3種類しかないと言う事がわかります。
え、よくわからない? …それはこういう事です。
クロマチック |
1 |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
|
dim |
● |
|
|
● |
|
|
● |
|
|
● |
|
|
○ |
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半音上げると |
|
● |
|
|
● |
|
|
● |
|
|
● |
|
|
|
さらに上げて |
|
|
● |
|
|
● |
|
|
● |
|
|
● |
|
|
さらに上げると |
|
|
|
● |
|
|
● |
|
|
● |
|
|
● |
これは最初の dim と構成音が同じでしょ、ね |
この dim は「ディミニッシュ」と読みます。
もうひとつ基本コードを無視するコードに arg と言うのがあります。
これも クロマチック上で「等間隔」に音を積み上げた(重ねた)ものです。
どうなっているかと言うと…
メジャー が |
1 |
・ |
2 |
・ |
3 |
4 |
・ |
5 |
・ |
6 |
・ |
7 |
8 |
マイナー が |
1 |
・ |
2 |
3 |
・ |
4 |
・ |
5 |
6 |
・ |
7 |
・ |
8 |
クロマチック が |
1 |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
・ |
そして arg は |
● |
|
|
|
● |
|
|
|
● |
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こういう「等間隔」で積み上がっています。
さらにもう一つ積み上げようとすると8になりますが、これは1と同じですから、無し無し…。
この arg でも、Carg ・ Earg ・ G#arg の三つが、Root が違うだけで構成音は同じと言う状況になります。
見てみましょう。
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1 |
・・・ |
● |
・・・ |
● |
|
Carg |
→ |
ド |
・・・ |
ミ |
・・・ |
ソ# |
|
Earg |
→ |
ミ |
・・・ |
ソ# |
・・・ |
ド |
|
G#arg |
→ |
ソ# |
・・・ |
ド |
・・・ |
ミ |
と言う事は、この arg も構成音だけを考えれば(あくまで Root は考えないんですよ)4種類しかないと言う事がわかりますね。
このコードも特徴的な音の響きを持っていて、やはり無視する事ができない「困ったちゃん」です。
この arg は「オーギュメント」と読みます。
これでよく目にするコードのほとんどが解るはずです…と思います。(自信はありません m(_ _)m が…)
ところで、最近はコードの表記方法が複雑になっているものもあるのですが、それはまた別の機会にということで、
次は何の話をしようかな… |