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まず dim と表記されているもの。
で、どのようにスケールを無視するのかと言うと…

一旦振り返って、基本コードのスケールを見てみましょう。
メジャー は と並び、
マイナー は と並んでいる…

基本コードではこれらのを使いましたが、これらのスケールを無視するので以外は番号を付けないスケールを考えます。
Root なので、これまで消すと訳が解らなくなりますからこれは残します。
メジャー が

マイナー が
以外の番号を外して
このメジャーでもマイナーでもなく、半音を全て考えるスケールを クロマチック・スケール と呼びます。
数えると全部で12個(13個目はと同じ音だから数えない…のです)ありますから「12音階」とも言います。

dim と表記されているものは、この クロマチック上で「等間隔」 に音を積み上げた(重ねた)もののひとつです。
どのように「等間隔」なのかと言うと…
メジャー が
マイナー が
クロマチック が
で、dim                    

そしてこれにもう一つ積み上げても…
メジャー が
マイナー が
クロマチック が
で、dim                  
なぜか聞こえる響きに変化があまりありません。
ですから dim は四つの音が積み上がっている形を考えたほうが、操作し易くなる時があります。
で、さらにもう一つ積み上げようとすると…
メジャー が
マイナー が
クロマチック が
で、dim                
と同じ音なので積み上げる意味がありませんね。

また、聞こえる響きに変化があまりありませんから、積み上げた四つのうち
クロマチック
dim                  
どれか一つを外してもほとんど同じように機能します。
便利なんだかどうか、とにかく不思議なコードではありますが、
基本コードとは明らかに違う特徴的な音の響きを持っていて、このコードも無視する事ができない「困ったちゃん」です。

この dim ではちょっと面白い(というか、興味深い)事があります。
それは Cdim ・ E♭dim ・ G♭dim ・ Adim のそれぞれの構成音を見て下さい。
                      ・・ ・・ ・・
  Cdim ・・ ミ♭ ・・ ソ♭ ・・ (ラ)
  E♭dim ミ♭ ・・ ソ♭ ・・ ・・ (ド)
  G♭dim ソ♭ ・・ ・・ ・・ (ミ♭)
  Adim ・・ ・・ ミ♭ ・・ (ソ♭)
このように、この四つのコードは構成音同じになってしまうと言う事です。 Root が違うだけで…。
と言う事は、構成音だけで考えれば(Root は考えないで下さい)、dim3種類しかないと言う事がわかります。
え、よくわからない? …それはこういう事です。
クロマチック  
dim                  
半音上げると                    
さらに上げて                    
さらに上げると                   これは最初の dim と構成音が同じでしょ、ね

この dim は「ディミニッシュ」と読みます。


もうひとつ基本コードを無視するコードarg と言うのがあります。
これも クロマチック上で「等間隔」に音を積み上げた(重ねた)ものです。
どうなっているかと言うと…
メジャー が
マイナー が
クロマチック が
そして arg                    
こういう「等間隔」で積み上がっています。
さらにもう一つ積み上げようとするとになりますが、これはと同じですから、無し無し…

この arg でも、CargEargG#arg の三つが、Root が違うだけで構成音同じと言う状況になります。
見てみましょう。
                      ・・・ ・・・
  Carg ・・・ ・・・ ソ#
  Earg ・・・ ソ# ・・・
  G#arg ソ# ・・・ ・・・
と言う事は、この arg も構成音だけを考えれば(あくまで Root は考えないんですよ)4種類しかないと言う事がわかりますね。

このコードも特徴的な音の響きを持っていて、やはり無視する事ができない「困ったちゃん」です。
この arg は「オーギュメント」と読みます。


これでよく目にするコードのほとんどが解るはずです…と思います。(自信はありません m(_ _)m が…)

ところで、最近はコードの表記方法が複雑になっているものもあるのですが、それはまた別の機会にということで、
次は何の話をしようかな