今度は和音の組合わせについてお話しましょう。 と言っても基本的な事なのですが…。 和音の名前のところで出てきた 「どの音でもそれを最初の [1] として番号を…」 を、もう一度考えて下さい。 ド を 1 とする 1、3、5 は「C」か「Cm」 レ を 1 とする 1、3、5 は「D」か「Dm」 ミ を 1 とする 1、3、5 は「E」か「Em」 ファ を 1 とする 1、3、5 は「F」か「Fm」 ソ を 1 とする 1、3、5 は「G」か「Gm」 ラ を 1 とする 1、3、5 は「A」か「Am」 シ を 1 とする 1、3、5 は「B」か「Bm」 でしたね。 ところでこの ドレミファソラシド は一回りだけでなく、その前後にも同じように存在します。 たとえば五つの奇数番目を考える時には後に付け足して 「ドレミファソラシドレミファソラシド」としました。 同じように前にも付け足して 「ドレミファソラシドレミファソラシドレミファソラシド」 当然、さらにその前後にもあります。 これを一直線に並べようとするととんでもない事になります。 それはスケールには 始めも終わりも無い からなのです。 「人間が聞こえる限界音」とか「楽器(という道具)が出せる限界音」は確かにありますが 思考の上では無限に続いてしまいます。 ちょっと意地悪な質問をしますよ。 「ド」と「ソ」はどちらが高い音? 「ドレミファソラシ」の中で考えれば答は「ソ」なのですが 「ドレミファソラシド」の中で考えると… へへへ、もうおわかりですね。 「ソ」より低い「ド」も、高い「ド」もありますからこの質問の形では答が出ません。 このように無限に続く状態を表記するには1次元の直線上では無理です。 では、どうすると良いでしょう? こうしましょう。
そして、それぞれを1とする1、3、5のコードに置き換えてみると
この形を覚えておいて下さい。 ※ ワープロ入力の際「♭」は全角しかありませんが、半角のアルファベットと組み合わせる時は面倒です。 そんな時はよく似ている Bの小文字「b」(半角)を使ってみましょう。 歌詞カードなどを作るときには重宝しますよ ところで、今までの 音楽(音学だったかもしれませんが)の授業で「主要三和音」というのを聞いた事はありませんか? これは「ほとんどのメロディーは伴奏を三つの主な和音でまかなえる」というちょっと強引なルールです。 音楽そのものが複雑になってきている昨今では無理がありますが、基本の部分なのでお付き合い下さい。 曲が ド を1とする メジャースケール で構成されている時 おそらくその曲はCのコードを軸にして展開されています。 Cひとつで伴奏が成立するかもしれません。 もしくはCとあと何かひとつ。 あるいはCとあとふたつ。 または… このCを軸にして伴奏が展開されている時に、その曲のキーを「C」と呼びます。 その曲はCのコードをメインで使っているんだな…と思ってください。 このコードは名前を考える時に使った音階 12345678 の1、3、5を使っています。 ですからメロディーが「ド」か「ミ」か「ソ」だったらCを伴奏に使えます。 ところが1、3、5ではない レ、ファ、ラ、シ のどれかだと伴奏にはCが使えません。 どうしましょうねぇ…。 …って、Cではないコードを当てはめれば良い事なので考えてみましょう。 まず
「12345678」 いくつかのプランがありますが、ここでは4から始まる1、3、5のコードを考えます。
「12345678」 次に5から始まる1、3、5のコードを考えます。
ならば、後ろに付け足してみましょう。 8と、付け足す1は重ねてください。
このように、この三種類のコードのどれかを使えば伴奏が成立するので、この三つのコードを「主要三和音」と言います。 そして、1から始まる1、3、5のコードを 1度のコード(トニック とも呼ばれます) 5から新しく始まる1、3、5のコードを 5度のコード(ドミナント とも呼ばれます) 4から新しく始まる1、3、5のコードを 4度のコード(サブドミナント とも呼ばれます) と呼びます。 実際のコードに置き換えてみますね。 1度のコード が「C」の時(曲のキーが「C」の時) 5度のコード は「G」(「ソ」から始まる1、3、5だから「G」) 4度のコード は「F」(「ファ」から始まる1、3、5だから「F」) ということで、この三つがセットで「主要三和音」になります。 この「主要三和音」は「スリーコード」とも呼ばれます。 「C のスリーコードは C、F、G」なんて言葉、聞いた事ありませんか? では、「G」のスリーコードは? …「G、C、D」 「D」のスリーコードは? …「D、G、A」 「A」のスリーコードは? …「A、D、E」… ここで、先程覚えておいてくださいと言った円形の図を見てください。 一部分ですが、それぞれのコードはお互いにスリーコードの要素になっているのが解ると思います。
離れていると見にくいのでスリーコードがお互いに隣同士になるように並べ替えてみましょう。
この図が「Circle of Fifth」と呼ばれるものです。 不思議な事にいろいろなコードを鳴らしていると、矢印の向きにコードが 進みたがり ます。 (聞いていると「安定」していくように聞こえる…と言う方が良いかな?) 少なくとも、曲の 最後の二つ のコードが矢印のように進行すると「終わる」感じになります。 意外にこの順番でコードが並ぶ事が多いので、覚えておくと便利ですよ。 (もちろん絶対的なものではありません。わざと逆行する曲もありますからねー) 次に続く… |