由布院・福岡旅行記 2002.10             

準備編

1日目

2日目

3日目


1日目:10月4日(金)◆                                

<福岡へ>

8時前に名古屋空港に到着した.出発まで約1時間ある.
発券カウンターで航空券を購入し,朝ご飯を食べたのにもかかわらず,
お腹が空いたので(やっぱり食欲の秋かな?),レストランで「天むす茶漬け」なるものを食べた.

飛行機は3・3列で搭乗率は7割くらいであった.
JALの機内誌を見ていたら丁度,由布院の特集があった.
「玉の湯」についてもいろいろ書かれており,バー「Nicols Bar」のバーテンダーが作る水割りは,
水と氷とお酒を混ぜただけなのにとてもおいしく感じると書かれていた.ますます楽しみになった.

1時間ちょっとで福岡空港に到着.

 

 

<由布院へ>

福岡空港への到着が予定時刻より遅れたので,慌てて西鉄高速バスの券売所へ向かった.
第一ターミナルと第二ターミナルの間にあり,名前を告げるとすぐに発券してくれた.
9時59分発の予定であったが,バスは10分程遅れて到着した.
トイレ・テレビ付きの豪華なバスで,由布院駅前まで1時間40分の快適な旅となった.
空港から直接由布院に行くのであれば大変便利であると思う.

 

 

<昼食>

由布院駅に到着したのが,13時前.
旅館は13時からチェックインできるのであるが,お腹が空いたので,昼食をとることにする.
実は数軒チェックしているお店があったのだ.
まずは駅から由布見通りを4分ほど歩いたところにある食事処「ねんりん」に立ち寄る.
良い雰囲気だったので,入ることにした.私のお目当ては花かご弁当(1500円).
さすがに観光地ということもあり,一人の客は私だけであった.
花かご弁当と由布院地ビールを注文した.出された花かご弁当は想像以上の大きさで素晴らしかった!
竹籠にバラの花があしらってあり,牛のたたきや天ぷら,お刺身などが彩り良く盛られている.
少しずついろいろなものが味わえて女性向きである.
私の料理を見て,後から来た中年女性2人組も「あれおいしそうねー.」と同じ物を注文していた.
地ビールはバイツェンタイプで爽やかであった.
もっと飲みたかったがさすがにお昼に一人で飲んだくれるのは..と思いやめた.

 

 

<チェックイン>

お店を後にして,宿に向かうことにした.
歩いて行くと湯の坪街道の入り口のお店に人がたくさんいる.
お菓子屋さんの「B-speak」であった.
そういえば,ガイドブックにロールケーキのPロールが超人気で週末はすぐに売りきれるので,
予約が必要と書いてあったのを思い出した.
お店に入るとまだPロールは残っていた.
これは買えるうちに買っておかねば...というミーハー心でプレーンとチョコを
1カット(350円)ずつ購入した.
実はこの1時間後に夫がこのお店を通った時には既に売り切れの看板が出ていたそうだ.

 

このお店を過ぎると由布院らしい雰囲気になってきた
(駅前はいかにも雑然とした感じだったので,到着時には軽いショックを受けていたのだ).
ジャム屋さん,小物屋さんなど心ひかれるお店が続いたが,
荷物が重いし,早くお風呂に入りたいので,とりあえず宿に向かった.

橋を渡ると緑の多い風流な建物が見えてきた.
これが今日宿泊する「由布院 玉の湯」(湯布院町川上2731-1)である.
「玉の湯に行かずして湯布院を語るなかれ」とまで言わしめた宿である.
入口に宿の人が待ち構えており,「ご宿泊の方でしょうか?」と尋ねてきた.
木や野草の生えている小道を通り,小ぢんまりとした受付へ.
ここでは,名前を言うだけで,素敵な中庭が見渡せる談話室へと案内された.
ゆったりとしたソファに座り,お菓子をいただきながら宿帳に記入する.
明日のキャンセル待ちをしていたのであるが,やはりキャンセルは出ていないとのこと.残念.
既に隣にいた人達は両親,娘2人の家族連れで2泊するらしい.
宿の人に夕食は何が良いかと聞かれて娘達が「すっぽんの鍋」と答えると
父親は「みんなで,すっぽんぽん.明日もすっぽんぽん!」と嬉しそうにギャグをとばしていたが,
皆に無視されていた(私は笑いをこらえるのに必死だった)...

 

私は夫が到着してから料理を決定するということで,とりあえずお部屋へと案内してもらった.
私のお部屋「きはだ」は売店やお風呂のすぐ近くで迷子にならずにすみそうであった.
お部屋は和室2部屋にテラスとサンルームが付き,清潔感があり非常に広かった.
さらに部屋風呂がヒノキ風呂で湯があふれ出ている状態なのである.何とリッチ...
またお庭を眺めながらお風呂に入ることができる.
浴衣とタオル類は2組ずつあった.この部屋を見たら,旅の疲れが一気に吹き飛んでしまった!
一番安い部屋なのであるが,私はこれで超満足である.
夫はたぶん2時間くらい後に到着するので,お風呂に入って昼寝をしようと思い,
まずは大浴場に行った.
さすがにこの時間は誰もおらず,貸し切り状態でのんびりとできた.
特に半露天のヒノキ風呂には大満足.

 

部屋に戻ると,夫が早々に到着していて,部屋風呂に入ってまったりしていた.

夕食の予約をしようと思い,フロントに電話する.メインディッシュは豊後牛の炭火焼,
鶏の鍋,すっぽんの鍋から選ぶことができるとのこと.
そして,食事の場所は部屋でもいいし,食事処でも良いらしい.
私は牛で夫は鶏の鍋,そして食事処で18時から食べることにした.
夕食への期待が高まってくる...



    
  離れの部屋は清潔でゆったりと過ごすことができる.ヒノキの部屋風呂は常にお湯が溢れている状態でリッチな気分(右).

<散策>

明日のJRの切符を買いがてら由布院の街を散策することにした.
行きに人がたくさんいたパン屋さんが売り切れで閉店していた.
ここのパンも購入しておくべきだったかな??

玉の湯から由布院駅までは徒歩約15分である.
駅で明日の15時49分発の博多行きの「ゆふいんの森4号」を予約した.
この電車もリゾート特急として有名らしい.
しかし,私達の乗るゆふいんの森は古いタイプで車内設備はそれほど良くないらしい.

その後,湯の坪街道のお店をいろいろと散策し,宿に戻る.
お風呂が気に入ったので,また入ることにする.
今度は私が部屋風呂,夫が大浴場である.夫は部屋風呂の方がゆったりできると言っていた.
本当は湯上りにPロールを食べようと思ったが,夕食が期待できそうなので,
明日の朝食後に食べることにした.

 

 

<玉の湯の夕食>

いよいよ待ちに待った夕食.
私は日々の生活でも夕食が一番楽しみな時間なので,余計にワクワクしてしまう
(こんな風だから太る一方なんだろうなー).
案内してもらったところは掘りごたつのある広い和室.
廊下を挟んだところには椅子式の個室もあるようだ.

 

テーブルには夕食のメニューが書かれた素敵な紙が置かれていた.
達筆なので,よくわからないのであるが,メニューは以下の通り.

季節の小鉢2品,旬の珍味等の盛り合わせ,田舎風煮物,川魚のお刺身,
土瓶蒸し(松茸も入っていた),メインディッシュ,お好みで鮎の塩焼き,生ハムといちじく,
揚げ豆腐,手打ちソバ,ご飯,香物,自家製デザートとなっている.

これを見ただけでもすごい量であるが,1品ずつの量もものすごく多い.
よく食べたものである.
どれも手をかけた料理で,大変おいしく,日本酒(720mlの冷酒を注文)にピッタリであった.
メインの前に「もしよければ,鮎の塩焼きと生ハムをお出しいたしますが,
いかがいたしましょうか?」と聞かれ,かなりお腹も一杯であったが,
ここのお料理はどれも美味しかったのでお願いしてしまった.
実は夫は鮎は苦手なのであるが,ここの鮎は大変美味しいといって平らげてしまった.
そして,メイン.私が豊後牛の炭火焼で夫が鶏の鍋であったのだが,
「せっかくなのでお二人でご一緒にお召し上がられたら..」ということで,
分厚い牛ヒレ肉を2枚も出してもらった(サーロインも選択することができる).
申し訳ないことにサラダも2名分いただけた.
高級旅館はそういうところが太っ腹なのであろう...
お肉は炭火で焼きながら食べ,柔らかくて美味しかった.また,焼き野菜も美味しかった.

 

次は鶏の鍋.こんなに食べられるか心配であったが,あっさりしていて別腹(!?)であった.
鶏肉に歯ごたえがあり,美味しかった.
また,野菜にクレソンが入っており,これと出し汁の相性がバッチリであった.
こちらは水もきれいなので,野生のクレソンが多いらしい.

もうこれ以上食べられないわ...と思ったときに
更に「もしよろしければ,ご飯,手打ちソバ,揚げ豆腐がございますが...」と言われた.
私はもうさすがにダメ..と思ったが,夫は手打ちソバと揚げ豆腐を頼んだ.
いつもは,私より少食なのに,今日はものすごくよく食べる.ソバは絶品であった.
久しくこんなにおいしいソバは食べたことがないくらいだ.

最後にデザート.自家製プリンが付き,それ以外にかぼすのシャーベット,
あんみつなど好きなだけチョイスすることができるのである.本当に夢のような世界である!
おまけに希望すれば,お夜食としておにぎりもお部屋に届けてくれるのだ.
まさしく玉の湯万歳!という感じである.
もう少し若くって食欲旺盛の頃に来ていたらなーと思ってしまう.
結局,こんなにたくさんの食事だったので,3時間以上もかかってしまったのだ...
最後に,朝食のメニュー表に希望のものを記入した.いくつでもO.K.みたいである.
卵料理の種類も豊富で悩んでしまう...
朝食は7時から11時の間に食べることができるそうだ.
私は洋食,夫は和食にした.朝も楽しみだ!

 

 

<バー>

満足な夕食の後は,さてお待ちかねのバータイム.
この宿にある「Nicols Bar」に行った.
大変おしゃれな雰囲気で,浴衣で入るのが申し訳ない感じだ.
私達が入った時は誰も客がおらず,その後,どんどんお客が増えて大盛況であった.
カウンターに座り,私はカクテルを注文し,夫は最近シングルモルトに凝っているので,
バーテンダーの岩本さんにいろいろと聞いて,お勧めのお酒をストレートで飲んでいた.
岩本さんはいろいろ雑誌に載ったりして有名な人なのであるが,気取ったところは全然なく,
私の超初心者的なお酒に関する質問についても親切に答えてくれた.
夫は先日,インターネットで余市のシングルカスクを購入したのであるが,
ロックで飲むと白濁するという話をしたら,お酒にシュウ酸が含まれていて,
カルシウムと結合することにより,白く濁るということを教えてくれた.

カクテルはマルガリータを頼んだのであるが,とても優しい味だった.
次にウィスキーの水割りを頼んだ.
私は詳しくないので,お任せしたのであったが,これも香ばしく優しい味で美味しくいただけた.

とても楽しい時間を過ごすことができた.

 

部屋に戻るとお夜食が準備されていた.
夫はおにぎりを食べながらテレビを見ていたが,私は心地よい疲労感ですぐに眠ってしまった.