瀬戸市下半田川地区の散策


瀬戸市の図書館で末尾に掲載した資料を見付けたので、この地区を歩いてみたくなった。
下半田川町は、瀬戸市北東端、岐阜県との県境にある。四方を山に囲まれ、蛇ヶ洞川と日向(ひよも)川が合流する東西に細長い山間盆地に、旧道(下街道脇道)に沿って集落が並んでいる。この地区は、地理的な特性のために、都市化の波に影響されることもなく伝統的景観、文化、伝統がよく残されていて、とても興味深かった。

コース:主要地点間の距離のみ掲載
     ◎P 駐車場→1.4km(Cの地点への寄り道なし)→津島神社(Bの地点)
     ◎日向川改修碑(Aの地点)→1.3km(Dの地点経由)→馬頭観音(Eの地点)
     ◎日向川改修碑(Aの地点)→1.1km(Jの地点経由、ただしH〜Iの地点への寄り道
       なし)→馬頭観音(Kの地点)
日付:平成21年8月25日(木)
天候:晴れ
所要時間:2時間30分(休憩時間を除く。)
歩行距離:9.6km(一周)

    コース地図を開く  ここをはじめてクリックするとプラグインのインストール画面が
            (初期値は1/5000)      表示されるので、「はい」をクリックする。不具合が発生した
                                 場合はこちらの「8」参照

                                 なお、念のため他のウィンドウをすべ閉じておくこと。


  (移動軌跡データファイルのみの呼び出し方法および地図の利用上の留意点)
 
1.この上にカーソルを当て、右クリックで「対象をファイルに保存」を選択し、デスクトップに「移動の軌跡
  データ」を保存します。ここでは、そのファイルは開かないでください。

2.国土地理院の電子国土ポータルへジャンプする。
3.国土地理院のプラグインのインストール画面が表示されたら、「はい」を選択する。
4.小さな日本地図が表示されるので、「ファイルを開く」(ボタンは画面右側の作図パネルの下部に隠れている)で、
  先ほどデスクトップに保存したファイルを指定して、それを開くと、地図の上に「移動の軌跡」が合成される。
5.この状態では、まだ地図の縮尺が小さいので、縮尺スケールが600mほどまで拡大して利用します。地図の表示
  窓が小さいので見にくいが、印刷結果はとても鮮明です。不要になったら、デスクトップのファイルは削除してくだ
  さい。
  地図の呼び出し方について、詳しくはこちら

6.留意点
 (1)地図上の赤線はGPSよる移動の軌跡を、手書きで地図に転記したもので、実際の軌跡データとは若干の誤差が
   ある。
 (2)地図上での経緯度線の表示は省略した。
 (3)地図と緯度経度の関連付けをより明確に知るにはカシミール3Dのホームページのフリーソフトを利用されたい。

******************************************************************************

(各地点の説明)

       P 駐車地点【北緯35度17分22秒 東経137度06分59秒】。この集落の共同墓地だろうか。墓
     参者用の駐車場を利用させてもらった。
   @報国尽忠碑【北緯35度17分20秒 東経137度06分58秒】。日露戦争で戦死(病死)した陸軍
     輜重輸卒(しちょうゆそつ)水野音五郎氏の墓で、明治39年に建てられもの。
   A日向川改修碑【北緯35度17分25秒 東経137度07分18秒】。天神橋北詰に昭和60年の河
     川改修完成の記念碑がある。
   B津島神社【北緯35度17分47秒 東経137度07分28秒】。わずかばかりの樹木に囲まれた森
     に小さな祠が祀られている。村境に災疫を防ぐオテンノサン(津島神社)を祭る例は多いが
     ここもその一例か。
     また、100mほど南の県境には青竹を立てて注連縄(しめなわ)が張られていた。これは
     下半田地区に残された村を「災疫から守る風習」だそうだ。
     また、参考資料によると、丁度この位置に馬頭観音があるはずだが見当たらなかった。
   CJフォンアンテナ【北緯35度17分39秒 東経137度07分30秒】。遠くからも目立っていたので
     登ってみたが、周囲の展望もなく休憩する場所もない。
   D妻神社(さいのかみしゃ)【北緯35度17分21秒 東経137度07分31秒】。兄妹婚の悲恋の伝
     承があり、縁結びや安産の御利益があるとして知られている。境内の隅には、愛嬌たっぷ
     りの男性のシンボルが鎮座している(平成13年寄進)。
   E馬頭観音【北緯35度17分21秒 東経137度07分59秒】。小次郎池畔に慶応2年12月11日
     と刻まれた馬頭観音が祀られている。露月水光信女とあるので墓だろうか。
   F富士宮神社【北緯35度17分18秒 東経137度07分25秒】。登り口には鳥居すらなく、極めて
     わかりにくい。参道を登り詰めると、社殿のほかに霊神碑、御嶽山三社大権現などが祀ら
     れている。
     参考資料によると、神社登り口を左に見て、さらに南西へ進むと蔭昌寺(いしょうじ)跡があ
     るはず・・・と草むらをかき分けて進んだが、マムシでも居そうな雰囲気だったので引き返し
     発見できなかった。多分、もう少し先だったのだろう。
   G下半田川町民会館【北緯35度17分17秒 東経137度07分11秒】。門を入るとすぐ左側に「曙
     光礼賛」碑がある。碑文の内容はこちら
     また、碑の前には、旧国道248号線の拡幅工事のため移設された道標がある。そこには、
     参考資料によると、「右 かさ原道 左 一のくら道」(文久二壬戌<1862>八月吉辰)とある
     ようだが、ほとんど読めない。
     もうひとつ、明治43年に建てられた道標も保存されている。
     会館のすぐ西側には、文化9年(明治5年奉再建)の「秋葉山」常夜灯がある。
   H観音堂【北緯35度17分18秒 東経137度07分15秒】。八剱社の隣にあり、愛知県指定有形
     文化財「藤原前期の木造十一面観音菩薩立像、藤原後期の木造阿弥陀如来立像」が収
     蔵されている。
   I八剱社【北緯35度17分16秒 東経137度07分16秒】。下半田川の氏神で、寛政4年(1792)
     の村絵図には氏神とある。
     境内には元禄16年の三界万霊地蔵、文化4年の墓塔、天保11年の薬師如来?、戦捷紀
     念碑などが建っている。
     また、神社鳥居横には遊具が設置されており小公園になっていたが、利用度は低そうだ。
   J馬頭観音【北緯35度17分14秒 東経137度07分07秒】。花川橋の西詰めに小さい石仏がこ
     ともなげに置いてあるので、よほど注意しないと見落としてしまう。「村中安全、文久2年8
     月18日、午持中」と刻銘あり。
     この橋の東側に高札という地名が残っていることを考えると、この付近に「高札場」があっ
     たのかもしれない。
   K馬頭観音【北緯35度16分58秒 東経137度07分20秒】。一の瀬橋を渡った左側の草むらに
     あるが、草の背が高い時はすっかり隠れてしまいそうだ。文政8年(1825)と刻銘がある。
     資料には橋の手前にも1体あると表示されていたが発見できず。
   L庚申堂【北緯35度17分12秒 東経137度07分01秒】。道路南側の小高い場所にあるので
     注意していないと見落としてしまう。明治36年頃コレラ、はしかの大流行を見て、お堂を造
     り村中安全を祈願した。今は、つる草に覆われ、まったく手入れされておらず、荒れるにま
     かせてある。
     敷地内には廻国供養碑、念仏女人講中、南無阿弥陀仏碑などがある。

   【参考資料:「瀬戸市史民俗調査報告書 水野・掛川地区」(瀬戸市史編纂委員会 編集)、「平
           成10年度掛川公民館生涯学習講座『「掛川の石造物』下半田川町編(瀬戸市
           掛川公民館発行)】

トップへもどる