話し言葉は口語である。文字を使って表現する際、漢字とローマ字の記述法が使われる。台湾では多くの人が台湾字とローマ字による記述法を通用する。台湾字は漢字であるが、古代漢字を使ったり、普通話の簡体字ではなく繁体字を使う。日本語のように漢字を音読したり、訓読したりもする。台湾字の発音は中国字と類似しているが、読み方で異なる意味を表すことがある。
台湾語カナの記述法もあるが、ここでは我流のカナ使いをする。
足好(tsiok-hó)•真好(tsin-hó)
台湾人は真好も、足好も使う。私の若い頃は、足好が多用され、現在は、真好も使われるようになった。台湾語より、中国語の達者な人が増えたからにほかならない。
真と足は同義ではない。岩波国語辞典によると、真はうそ・偽りでないこと、足は十分であるという。台湾語も両者には微妙な違いがあるが、人によって話す語感が異なることになる。昔の人間は足るを知る人が多い。だからではないが、足の好きな人が多いようである。
tsiok-hó(足好)のほかにも、tsiok(足)+形容詞または名詞の台湾語が多く存在する。
足貴(kuì),足賢(gâu),足戇(gōng),足慢(bān),足擽(ngiau),足腥臊(tshenn-tshau),足愛睏(ài-khùn).........
しかし、名詞の内容には要注意だ。例えば親戚や友人の前に足を付けてはいけない。足gâu(賢)tsò--lâng(做人)とは言っても、足朋友(pîng-iú)とは言わない、足親者(tshin-tsiá)または足親戚(tshin-tshik)とも言わない。この場合、十分という説明は無用である。足少朋友(tsiok-tsió pîng-iú)や足親親情(tsiok-tshin tshin-tsiânn)なら立派な台湾語だ。
認真(jīn-tsin)・頂真(tíng-tsin)
ジンチンとは本気、真剣の意味であるが、テェンチンとは慎重、几帳面、丁寧を意味する。
真偽のチンを認めるということはまともな賞賛対象や行為に適用する言葉である。
一方、真実の窮みを意味するテェンチンは慎重な性格や真摯な態度の表現に適用する言葉である。
この2語はとくに人間の性格や行動の評価に使用される。
次の比較表でこの二つの言葉の語感を確認して見るとよい。
真剣な性格 |
senn-keh jīn-tsin(センケェ・ジンチン) |
慎重な性格 |
senn-keh tíng-tsin(センケェ・テェンチン) |
真剣な態度 |
jīn-tsin--ê thāi-tōo(ジンチン・エ・タイトォ) |
真摯な態度 |
tíng-tsin--ê thāi-tōo(テェンチン・エ・タイトォ) |
まじめに書く |
jīn-tsin siá(ジンチン・シャー) |
丁寧に書く |
tíng-tsin siá(テェンチン・シャー) |
まじめに書く |
siá-jī jīn-tsin(シャージー・ジンチン){ |
丁寧に書く |
siá-jī tíng-tsin(シャージー・テェンチン) |