1) 窯詰め
1;窯内部を点検しゴミ、作品の欠片などがバーナー口、煙道の引き穴をふさいでい
ないことを確認する。バーナー口にゴミが落ちている場合は、掃除機で吸い出し
てください。
2;最下段の棚板を置きます。さいころ、または2p程度のツクを、使用する、棚板の
ふち3点にあたるようにおきます その時、基礎の真ん中下部には、煙道が通って
いますので、それを避け、端はしに重量がかかるように設置してください
3;棚板ががたつくときは、より土で調整してください
4;作品、製品を棚板に置いていきます。流れやすい釉薬の場合はより土でトチまた
はトチ板を作り棚板から品物を浮かせると、焼成により釉薬が溶け落ち、柵板の
損傷することが防げます。
5;一段積み終わりましたら、品物の高さに合うツクを選び下に置いたツクと同じ場
所に3箇所置き、柵板を載せます
6;同様に積み上げて窯全体に作品が詰まったら、温度計、必要に応じて色見等を
入れ扉を閉めて、窯詰は修了です。
2) 点火
1;各バーナーのコックが閉まっていることを確認してください。 <重要
2;窯後部煙突の下部にある平らな耐火煉瓦(ダンパー)を引き抜きます。これに
より、煙道が全開となります。
3;ガスボンベ置き場のボンベのバルブ、コック、メインコック、ブタンガスの場合ペ
ーパーライザーの安全弁を開ける、この後、窯後部にあるメインコックを開けま
す。
4;ガス圧力調整器を時計方向にねじ込みますと、調整器の針が振れます。
5;メーターで0.1kg/cm程度まで調整器で合わせます。
6;点火棒のコックを開け点火棒に点火します。最初空気が配管内に溜まっている
ので、着きにくい時があります。着くと圧力が下がるので0.1kg/cmに調整しな
おす。
7;最初、バーナーは対角線で2本を目安に点火します。バーナーの上にある「色見
穴」の栓をとり、点火していることを確認する。 <重要
8;大きい作品を焼成するとき、あるいは素焼きで生乾きのものを焼くときは、ガス
圧を0.05kg/cm程度に落としゆっくり昇温するようにすると、焼成によるキ
レが少なくなる。但し、失火するほどガス圧を落としてはいけない
9;1時間100度程度の温度上昇が妥当な範囲です。それ以上の急激な温度上昇は
、品物の爆発、キレを誘発するので控える。
3) 昇温
1;左右で4本のバーナーを着火していき、ガス圧を0.1kg/cmぐらいに上げますと
おおよそ炉内温度が300℃ぐらいまで上昇するようになります。
2;この時点で、窯後部の煙突下部にあるレンガで密閉された穴(エヤーダンパー
かドラフトと呼びます)のレンガを一部(全面積の10%位)を取り除きます。
空気が入り、煙突の引きがわずか抑えられることにより、炉内の温度上昇が
よくなります。
3;その後は1〜2時間おきにバーナーを点火していき、ガス圧を調整していきな
がら800℃程度まで昇温します。ガス圧は0.2kg/cm位まで上がっています。
素焼きの場合は750℃前後で完了です。
素焼きの場合;ガス圧を落とし、各メインコックを閉じ、その後各バーナーの
コックも閉じておきます。エアーダンパー、バンパー共ふさぎ急に冷却しない
ようにします。
4;「本焼き」は、まだ昇温しなければなりません。
「還元焼成」と「酸化焼成」で操作が少し異なります。
「還元焼成」:還元炎にする温度は経験で決めていくものですが、おおよ900℃
位になったら、エアーダンパーのレンガを全部取り除き全開にしてから調整して
いきます同時にガス圧を0.25〜0.3kg/cm位に上げます。その時窯後部煙
突の両側にある「色見穴」の栓を取りますと青白い炎が、5〜8センチ噴出しま
す。 これが目安で炉内が還元状態になっています。
5;「還元焼成」:昇温はこの状態を保ちながらガス圧とエアーダンパーに置く調整
用のレンガにより還元炎の状態を維持するように調整します
ガス圧を上げれば還元状態が強くなり温度上昇はゆっくりとなります、
エアーダンパーに置くレンガを増やせば、還元状態が弱くなり温度上昇は比較
的早くなります。
6;「酸化焼成」:ガス圧を徐々に上げながら昇温していきます。
窯後部煙突の両側の「色見穴」の栓を取ると、空気が炉内に吸い込まれている
状態で「酸化」になっています 「酸化焼成」の調整はエアーダンパーのレンガ
をさらに取り除き煙突の引きを悪くします。この操作により
炉内の熱の滞留がよくなり温度上昇がよくなります。しかし、「色見穴」からは
空気が吸い込まれる状態でなければなりません
7;希望の焼成温度近くまで上がったら、「色見」あるいは「ぜーゲル錘」などで
釉薬の溶け具合を確かめてねらしの内容を判断します
W) 消火
1;「色見」あるいは「ぜーゲル錘」などで釉薬の融け具合を確かめてねらしが終っ
たら、ガス圧を0.05kg/cm程度まで下げ各メインコックを閉じます。
2;各バーナーが消火したらバーナーのコックをすべて閉じます
3;ダンパーを押し込み煙突を閉じます
4;エアーダンパーもレンガで密閉します
X) 窯だし
1;消火後1〜2日で自然に冷却し、100℃以下になったら戸を少し開けて、品物が
割れたりはしなくなります
品物を窯から出し、柵板、ツクなどは次回のために整理しておきましょう
Y) 掃除
1;窯内部に品物の欠片、特にバーナー口周りに落ちていないように掃除します
2;柵板等に釉薬などがついた場合はハンマー、サンダーなどで取りますが割れ
やすいので注意する。
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以上 大和工業ペットキルン取扱説明書を参考にしました。