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         第33作    輪口の口仕舞い    H22・ 7月改


 高さ26p、横幅17pです。
 編み方は特別なものではありません。輪口底の四つ目編みで、今までもいくつか作ってきたようなものですが、口仕舞いを初めて立ちヒゴだけで始末したものです。
 もっと早い時期に修得しておくべきはずのものですが、ついつい後回しになっていました。

 輪口編みの口仕舞いと言うのでしょうか、縁竹とか縛りの籐ヒゴを使わずに、立ちヒゴを組み合わせて完成とするものです。

 意識して高さを押さえ、あたかも饅頭のような形にしました。口の仕上げとマッチして柔らかくてやさしい感じに仕上がりました。

 
 口の仕上げを修得してとりあえず試作品が完成しましたので、気合を入れて2作目の取り組みを順次記録します。

 5月13日   ヒゴつくりと染色
 1号品と同様、ヒゴ本数は96本、巾1o、厚みは0.3oです。
 48本の輪口編みで二枚重ね。中央一節で80cm程でいいでしょう。
 材料作りでは130本位の本数のつもりで竹割をしました。とにかく節裏の削り(切り出しナイフ)とか、厚さ極めや巾極めの段階で不良品が多く出ます。

 2号品はヒゴの段階で染色しました。染色については籠が出来上がってから丸ごと染めることも出来ますが、密な編み方でない、本作の様な透かし編みでは編み目が微妙に動くので、どうしても重なった部分で染まりの薄いところが目に付きよくありません。
 1号品は染めずに竹色のままとします。

 5月16日   輪口編み二組と網代の底板
 輪口編みを二組作ります。
 ヒゴは2本組みで一目掬いの4本押さえです。写真は8本目を挿入したところ。
 1作目は5本押さえでやり始めたのですが、輪口の径がやや小さくなりましたので4本に組替えました。この感じで径は7pになります。
 輪口編みでは写真の様に、上に上に押さえて並べるやり方と、下に下に差し込んでいくやり方がありますが、各人の好みでやり易い方でやればいいでしょう。編み目は逆になります。
 24回並べて一組(ヒゴ48本)出来上がりです。これを二組作って合体させます。
 左・二組をとりあえず重ねて目を揃えときました。

 右、2枚の間に挟む平板を網代編みで作ります。
 寸法を採って丸く切り抜きますので、バラケないように円周に沿ったあたりで、微量の接着剤を用いました。絶対に外に垂れ出さないように注意して。

 5月30日 までの製作記録

 ★ 輪口2枚を合体


 2枚の輪口は網代の平板を挟んで上下の目をぴったり合わせたところから、上面を右(左)回転させて半目ずらします。
 その後、下になった
赤丸のヒゴを緑丸部分に引っ張り上げる。

 全周やって一枚の輪口になりました。
 ヒゴ二本揃えたまま二目編み進み、3目あたりでヒゴ一本編みにする。(何目で一本編みにしなければ・・・と言うものでもありません。)

 その程度編み進んだところで、底の高台を取り付けます。籠が出来上がった最後でもいいですが、今のうちの方が手の自由が利くことと、底の編み目が固定されその後の作業が楽になります。

 ★ 高台の取り付け
      
 今回は箍編みで高台を作りました。作るべき輪の5回り分の長いヒゴが必要です。途中で継いでも構いません。
  高台の箍編みの手順は、こちら

 箍目が二枚重なる部分6箇所を籐で縛って取り付けます。
 高台を取り付けた後、ヒゴ一本の二目飛びで5回程(程です。)、編んだところで胴回りの縁を編み込みます。編みこんだ後、もう一本外縁をあてがって籐で縛ります。胴の形造り兼装飾です。

 そのあとは、ひたすら二目飛びで気の済むまで編みましょう。この籠の場合は7回編み進めました。


 いよいよ口に向かって窄める手順になります。
 ここで一回3目飛びで編み、次はヒゴを2本纏めて3目(ヒゴ6本分)飛ぶといいでしょう。

 写真は
間違って6目(ヒゴ12本分)飛んでしまいました。アルコールの成せる業です・・・あくる日正気になって気が付きました。だからダメと言うわけではありませんが。
 1作目とはやや首のしまりが異なりました。
 ★ 口仕舞いの工程です。
@ 右に伸びる手前のヒゴを8目(ヒゴ16本)飛びで一周します。
A 左に伸びる内側のヒゴを表側に引っ張り出し、8目飛ばした位置で籠の内側に差し込む。
B @で編みこんで外側に出ているヒゴを、籠本体が編み上がってきた最後の編み目の位置で内側に差し込む。 C 内側に差し込まれたヒゴを切り揃えて本体は完成です。
【Aの工程とBの工程は後先逆の方が良かったでしょうか? 1号品はBをやってからAをやった気がします。】
 6月 3日 手を取り付けて完成

 全体に薄くウルシを掛け仕上げました。高さ30p 横20pです。
 2箇所に穴を開け、籐で縛りました。


 内側から見たところ。



 
6月26日、更にデコレーションしました。

 先般、教室の先生の作品展が松坂屋でありましたが、悪い癖で真似したくなるような作品がありました。今回の籠ももう一手間かけて値を吊り上げようと言う魂胆です。

 口の中にもう一つ竹の輪をあてがい、籐で飾り巻きしました。胴の縁巻き縛りも上下二重にしました。

 初期の設計目的とはやや違う結果になりましたが、仕上げ方の色々な勉強のつもりでやってみました。

 手も取り付け換えをしました。ここまできたら、やはり染色したくなりました。
 ・・・後日、