前頁へ戻る

     第90作
                    網代編み盛皿

      
第50回東海伝統工芸展 展示会は
              愛知県美術館ギャラりー8階G室 4月23日〜4月29日
              岐阜高島屋10階催事場      5月16日〜5月20日  是非ご覧ください。

                                 H31・3月
 ムラに染めたヒゴを網代に編んで、薄暗い竹林の落ち葉が積み重なった地面をイメージして盛皿を作ります。

 天然もの煤竹は各所に縛りの跡が色違いで現れていますが、染めで人工的に模様を着けようと思います。


    こんなイメージの皿

 

  材料竹の染め
 材料竹をヒゴにする前に(ヒゴを束ねては上手く染まらないでしょうね、)適当に、好きなように布なり紐なりで縛って染めます。網代に編んだ時、どの様な模様になるのか出たとこ勝負です。予定では、ちらちらと竹の落ち葉が積み重なっているような柄が出ればいいですがね。

 今回は竹の表皮は剥いでありません(いわゆる磨きはやっていない。)
 最初は左のものを薄黒く染めました。染め残った部分は竹色のまま染まっていないので、当然二度染めになります。
 二度目は赤茶で染めて右のものになりました。


  ヒゴ取り 巾3.5o厚さ0.2
 3.5oでヒゴ取りをし、面取りをしますが、面取りしたら勿論白く筋が浮かびますので、暗い色で軽く3度目の染めをしたらヒゴ作り完了です。
  網代編み
 平面編みの横幅を41p程にしたいので、縦ヒゴは120本程です。
 
十字開きの網代編みでいきます。
 横ヒゴを順次編み込んでいき、どうやら柄が見えてきました。
    


 網代の平面編みは3日程で完了しました。意外と主役があっさりできましたね。
 裏打ちは六つ目編みとしますが、斜め横並びのヒゴ間隔を9oとしました。ヒゴ幅は1.2oややしっかり目です。
 こちらは裏のくせして6日程かかってしまいました。いちいち編み込まなくてはいけないですから、時間がかかります。


  縁仕上げ

 縁枠は幅1.6pの竹板にしました。
 網代編みの色調よりやや赤みを増して、(染めた結果がそうなった訳ですが、)同様にムラを出しました。
 当初、縁枠をいつもの手で丸籐の半割と決めて寸法の材料まで作ったのですが、どうも芸がなく、思い切って竹縁に変更しました。平面の網代皿とマッチングしたように思います。
 仕上げはいつものパターンで、下縛りをした後、飾り縛りは蛇腹編みです。
 画像はほぼ巻き終わったところで、最終工程の始点終点のドッキングです。
 蛇腹巻きの最後の仕舞い、ドッキングは
こちら。


  高台つくり、取付け

 竹厚板で切り組み部材を作って、接着剤で構成、4本の足が水平面でガタつかない様、重しを載せて接着、要所に竹釘。
 皿底への取付けは、六つ目の編み目に10か所で籐縛りしました。完了です。
 完成画像は3月下旬に掲載します。


 公募展、
第50回東海伝統工芸展に出品し入選できました。
 編み上がりの様子は出たとこ勝負でしたが、概ね想定の模様が出たと思っています。イメージとしては竹林の薄暗い、落ち葉が重なった地面にちらちら陽の光が届いているような…と言ったところです。
 今回も比較的評価は良かったようですが、あと一歩“賞”には届きませんでした。
                画像3月18日掲載
   



 
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・