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     第92作    煮魚用 鍋内敷き  R2年3月


 久しぶりに青物細工で遊びます。
 煮魚用の竹敷きです。大ぶりの魚を姿煮するときとか、小魚を甘露煮に仕上げる時に大変重宝します。

 焦げ付かないように煮汁を煮詰め、ザルごと取り出せば形を崩さずに仕上がります。何年も前に泥縄で編んだ四ツ目のいい加減なやつを、それでも物の役には立っていたので永らく使ってきましたが、六つ目編みで作り直します。

 青物細工は肩も凝らず楽しいですね。
 秋のハゼ釣りが待ち遠しいです。

  
六つ目編み

 画像のもので径20㎝弱です。ヒゴは幅2㎜、厚さ0.3㎜です。
 この所は大物の花籠で、六つ目の平面編みばかりしていたせいか、中心の6角一目から編み進むことは永らくやっていませんでしたので、改めて「竹細工と竹工芸ー実技編六つ目編み」に載せた私自身の解説を読み返したのですが、何かスッキリしませんので、今回修正版と言うことで今はこうしてます、という手順を記します。
 一周6本のヒゴで中心の6角を作ります。
 左手で斜めに①置いて、右手②を置きます。③を2本に絡むように差し込みます。
 右回りに⓸⑤と同様に続けて⑥を差した状態青〇2か所を返して(ヒゴ上下を組み替える。)1周目が完了です。
 
  2周目 斜め右上を向くヒゴ2本のうち内側の1本を①ヒゴで掬う。   右上を向く3本のうち内側2本を②ヒゴで掬う。黄〇部分1か所返す。③④⑤ヒゴは同様の手順。
   ⑥本目は3本を掬うが、黄〇部分が邪魔してるので、予め返しておいてから⑥ヒゴで掬う。

   3本掬ったのち橙楕円2か所返した状態。

 3周目に入る前に邪魔する
赤〇5か所を返しておく。

 
  3周目 ①ヒゴは2本掬い1か所返し、  ②③⓸⑤は3本掬い2か所返し。


   最後⑥本目は青〇部分が邪魔しているのでまず返しておいて、4本掬いの3か所返しで、次の画像の状態になる。

 
青〇の邪魔している1本は前記の2周目⑥本目と同様ですが、4周、5周と編み進んでも、⑥本目ヒゴ挿入時はいつも1本邪魔します。(その周の①のヒゴ)
 

   2周目⑥本目の後と同様の要領で、赤楕円5か所の各2か所と黄〇1か所を返す。

 これで3周目が完了します。ここ迄くると何となく規則性が出てきたことが分かります。
 1周進むごとに、ヒゴ挿入のために引き上げる本数、返す箇所、⑥本目の後の最後の返しの始末が一つずつ増えていきます。
 大方4周目が終わった段階ではこの画像の
赤楕円黄〇が5か所3返し、1か所2返しになると予想されます。4周5周とこの手順と規則性で編み進むことができるでしょう。

 六つ目編みの手順はこれまでです。
   

 
 内敷き作りに戻ります。
 6周編んで手頃な大きさになりました。

 この後は六つ目籠の立ち上げと同様、縁回しヒゴを1段だけ入れて、お皿状に形作っていきます。

 
 縁回しが一通り済んだら(画像は皿の裏から見ています。)表側にもう一本回しヒゴをあてがいながら、斜め右に向くヒゴを折り返して縁止めをします。

 青〇のコーナーの目は六角ではなく、五角形になります。
 

 
 縁枠を籐ヒゴでぐるぐる巻きし、コーナー近くの要所要所で縛りながら全周して完了です。

 最後に左向き斜めヒゴをカットして、手を2か所取り付けたら全て完了です。

 こんな調子で、大中小3枚作ってしまいました。

  


  7月27日 
小鮎の甘露煮

 やっと鍋敷きを使う機会ができました。
 本当のところ小鮎釣りに出かけて、自分で釣った獲物で調理したいところですが、なかなか実現できません。
 時期も時期、ちょうどスーパーで小鮎が売られていると聞き、早速手に入れました。

 3パック購入し50匹ほど、結構大ぶりです。11㎝~7㎝といったところ。

 砂を噛んでいると台無しですので、尻穴からナイフの先を入れ、6、7㎜切れ込みを入れ腹ワタを絞り出しました。
 鍋敷きに小鮎を並べてから、煮立った調味液に浸けます。

 調味液は酒、醤油、砂糖、水(適宜)味醂、仕上げのあたりで水飴適量。
 落し蓋をして弱火で4、50分、一度冷まして味を染み込ませます。ここまでは昨日の作業。

 再度火にかけ、山椒の粒を10粒程度投入、この辺りは好みですが、山椒味がしているのかな?しないのかな、程度が良いようです。アユの旨味を殺してはいけません。

 煮汁が少なくなってきた辺りで水飴を添加、色つやと煮汁が魚にからみます。
 煮汁がある程度残った状態でザルごと取り出し冷まします。温かいうちは触らないように。型崩れします。

 残った煮汁をとろみがつく程度まで煮詰めます。
 しっかり冷めてから保存容器に並べ、とろみの付いた煮汁を掛けまわして完了です。
 ネットで色々レシピが出ていて、何グラムの素材に砂糖どれだけ、醤油何㎖とかありますが、味は各人の好みがあります。特に醤油は入れすぎないように。煮汁の味加減を見ながら最後に調整した方が良いでしょう。
 先だって生協で仕入れた小鮎の甘露煮を食べていたところです。濃い味ではなくて、じっとりアユの旨味がありました。まだ舌が覚えています。今日出来上がったものですが、味は本業さんに劣りません。ただ、噛み応えという点で売り物のようにカッチリといった感じが出ず、柔らかいです。このあたり研究の余地があります。煮る前に干すのか風乾させるのか?