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(H23年9月14日)
 皮剥きの製作


 
花籠つくりでは多くの場合、ヒゴは表皮を剥いだものを使います。染色しやすくしたり、またそのままでも年数の経過とともに飴色で艶のある作品に変貌します。
 今まではヒゴの状態にしたものを鉈で一本一本剥いでいましたが、多くの材料ヒゴを作ろうとなると、やはり丸竹の状態で剥いだ方が効率が上がります。



 実は教室でいつものように鉈でヒゴの表皮を剥いでいたのですが、大先生に見つかり、「丸竹で剥いてちょー、、」と言われてしまいました。(以前から言われていたのですが、)
 プロは沢山の作品を手早く作らなくてはいけませんので当然のことなのですが、2、3か月かけて一つ籠を作るくらいのアマチュアの趣味なら、必要ないとも思います。
 後日先生が実物を持ってきて使い方を見せてもらいました。
 丸竹にあてがい前後に動かして削りますが、さすがに効率よく作業ができます。節の部分も難なく越せます。実際に使わせてもらい、削り具合の感覚とか刃先の角度など勉強しました。
 「道具は一生もん、一つ買ったってチョー、、」と、言われるのですがアホな性分で、またまた自作したくなりました。
 インターネットで探すと手ごろな値段で出ていますので、買ったほうが早いんですけどねー。
   
 材料はヤスリです。長さ30センチ、厚みは7ミリです。道具箱で錆びて転がっていたものです。このくらいの大きさのヤスリは結構値段も高いので、あくまで廃物利用が前提です。
 サンダーで目を落とし、刃先になるあたりを平滑な面にします。大変固い材質ですので手間がかかりますが、出来上がれば強靭な刃物に変身です。焼き戻してから作業すると少しは楽かと思います。(最後に焼き入れをすべきですが。)
 グラインダーで写真のように削りました。より白く光っている部分が最初に削った角度(下図青線)ですが、刃先が鋭角になりすぎて竹に食い込むような削り方になるので、更に鈍角(赤線)に削りなおしました。
       
     
     裏側
 特に刃先部分のあたりはヤスリの目をきっちり落として平滑にしないと使い物になりません。
 サンダーやらグラインダーやらの作業がかなり大変です。
 グラインダーはカバーを外して作業しました。(砥石の円周に沿って根気よく削ります。)
    刃先の角度
 60度くらいかやや未満か、その位です。
 グラインダーで荒削りして概ね完成ですが、最後に砥石で仕上げます。
 背側(裏)は平面で砥げますが、表側は砥石を手に持ち、角で(少々角がとれた丸みのある角で、)カーブに沿って斜めに“上手に砥ぎます”。

     握り部分を装丁し、出来上がりました。
 丸竹に沿って前後させますが、前に押す時に大方削り(私の場合はです。押すほうが力を乗せやすいので、刃のつけ方もそのようなつもりにしました。)引くときはソフトに、削りムラを無くすような感じでやれば良いでしょう。

 節部分も調子よく削れ、具合良くできました。



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