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(H19年3月28日)
 工具の製作


 
厚さ決め工具の製作を依頼され新しく作ることになりました。
 製作工程など記録しましたので自作する場合の参考になればと思います。

  厚さ決めと幅決めの両方を一つの台に取り付けることにします。道具としては単品の方が使いやすいのですが、携帯する事も考慮した結果です。


【調達材料】

@ある程度の厚みと重みがある台木  A厚さ決めの刃  B金定規  Cコの字金具  D堅木材(桜とか樫など) あとは木ネジ数本と接着剤。必要な工具は電動ドリルとグラインダー、ジスクサンダーなどです。・・・

Aの刃は竹割りナタを利用しました。柄の部分はジスクサンダーで切り落とします。(グラインダーで気長に削っても良いと思います。むしろその方が安全かも、、ジスクサンダーの扱いは慎重に。)
 切り刻んでしまうのは何かもったいないような気がしますが、それ以上に値打ちのある道具ができます。

Bの金定規は鉄製のものではなくて、ステンレス製のものです。刃先の部分の下敷き(磨耗防止)と幅決めの刃として利用します。かなり硬い材質ですので工作には手を焼きます。別途良質の素材が手に入る場合は勿論OKですが、素人がホームセンターで簡単に手にはいるものですので便利です。グラインダーで刃をつけて使用しますが、以外と刃こぼれせず、また錆びないところが気に入っています。


【製作工程】

 ナタを所定の長さにカットします。
 次に、台木の幅にカットする金定規にコの字金具が打ち込めるよう穴を開けます。硬いのでドリルの刃がなかなか貫通しません。刃がぼろぼろになりますので、代わりにグラインダーで赤線部分を削り落としてもいいでしょう。所定の幅にカットするのはこの後です。長い部材のままの方が作業性がよく、安全です。


台木に幅、厚み分のミゾを彫り、エボキシ樹脂系接着剤で埋め込みます。
 
穴あけの径は金具の足径と同程度かやや細め。もともとボルト締めする金具ですのでネジが切ってあり、木部との接着も良好です。但し、このままでは打ち込みづらいので、足の四方のネジ山をグラインダーで少々削り落としておきます。後はネジ部と穴の木部に接着剤をよく馴染ませておいて打ち込みます。打ち込みすぎると難儀な事になりますので、充て木をして一定以上打ち込めないよう工夫をします。


刃を支える枕木と、固定させるためのクサビを堅木で作りますが、これだけは縦、横、何センチという訳にはいかず、実際に刃物をあてがいながら丁度いい具合に削り出すしかありません。
 刃先の角度は使用する刃が片刃か両刃か、また厚みの違いなどにより微妙に違ってきますので、使ってみて枕木部分を調整するとか刃先の研ぎを調整したりして、一番いいところを見つけるしかありません。
  因みに今回製作したものは、両刃で、写真の角度になっています。


次は幅決めですが、台木の反対側に取り付けました。
 堅木を図のようにカットします。この部分は目の細かい胴付き鋸で正確にやります。刃をセットした時、上部がやや開くように斜めにカットします。


 台木への取り付けはゴム系接着剤で仮止め(位置、溝の間隔等正確に、)した後、木ネジで固定します。ヒゴが通る部分に磨耗防止の真鍮板を接着剤で貼付けたら、これで完成です。




     具合良くできましたですか? それなら結構!

                 続編 H24年 
工具製作その2 掲載


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