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菓子器の製作記録
   (H20年10月1日〜)

 文化教室の先生が製作した表面が網代編み、裏面が六つ目編みの菓子器を拝見し、挑戦してみたくなりました。さすがにプロ工芸家の手によると、どことは無く品があっていいんですねー。生徒の私が褒めては「君、それは僭越だよー」と叱られそうですが。
 相当細かいですから完成までには時間がかかるでしょう。
 10日程前から取り組みかけましたので順次紹介していきます。
 先生の見本作品です。
 肖像権を侵してはいけませんので写真は小さくしておきました。


 完成しました。どことなく品があるのか無いのか、まあいいでしょう。


10月1日までの作業
 表面が網代編み、裏面が六つ目編みで構成されていますので、まずはこの2枚の平面編みを作ります。隠れた裏側にも六つ目編みが施されているなんてのは、奥ゆかしくていいですね。
 網代は皮竹、幅2_です。器の外形寸法は27、8センチ × 17、8センチですのでヒゴ本数は230本は要る勘定です。
 竹を薄く割って幅きめをし、面を軽く落としてから厚さきめします。こんなに薄くしていいのかなと思うくらいの厚みです。

 六つ目のほうは六角の対角線で1センチの目で編みます。ヒゴは身竹で本数は100本もあれば足ります。

 ヒゴを継ぎ足して編むたびに、常に縦横斜め全方向の編み目が綺麗に直線が出ているか確かめながら、修正しながら編み進みます。結構どころかかなり根気の要る作業です。この編み目が揃いませんと鑑賞に耐えないものになるでしょう。
 縦横の寸法にカットしますが、縁のヒゴに接着剤を着けてバラケない様にします。接着剤部分は縁巻きで隠れます。なおカットする際には目が偶数でも奇数でもいいのですが、先々の作業で縛り目をどう配置するとかを考慮して目数を計算してください。

 型紙を作って四隅のコーナー部分をカットします。コーナーのカーブは半径6センチにしました。
 今日現在までの作業はここまでです。
 この後は、平面編み2枚をササラ竹とヒゴを用いて外枠に固定する作業に進みます。



10月3日 ササラ竹と丸ヒゴつくり

 平面編み2枚と外枠を固定するためのササラ竹と丸ヒゴを作ります。
 ササラ竹は竹を柾割りしたものを何枚か重ねて用いるものです。薄く柾割りしたものを厚さ決めの工具で整えます。17枚で1p程の厚みになりました。
 表面を抑える丸ヒゴは4本、3o角のヒゴを削り出してから面取り道具で丸くします。(ヒゴ作り用の工具もありますが使いづらく、私は丸ヒゴを作るときは面取りでやっています。)


10月9日  底面の仕上げ
 ササラ竹と丸ヒゴが出来ましたので底面を仕上げます。
 まずは外周の縁巻き竹を整えます。幅は6_になりました。コーナーの曲がりは火で(私はガスバーナーを絞って使っていますが、一般的にはロウソクの炎が適当です。)炙って形を整えます。接合部は接着剤で固定します。上面に丸ヒゴ、下面にササラ竹をあてがい皮籐で縛っていきます。曲り部分は手で曲げ癖をつけながら縛ります。籐の幅は1・5ミリとしました。市販の籐そのままでは厚かったり幅があり過ぎたりしますので、やはりちょうどいい厚み、幅に調整します。
 予定の縛り目(この作品は40箇所としました。いくつで縛るかは各人のお好みですが、先々の作業工程をよく考えて、)を一つ飛びに縛って、2周します。
 一目飛びで1周の後、2周目にかかる。  完了、基盤が出来ました。


10月12日 最下段の外枠取付けと上4段外枠の仮縛り
 底面の基盤が出来た後は5段分の外枠作りと縛りをやります。
@ 外枠作りは見本で見るように、上に行くに従ってややすぼめた形にするため(真っ直ぐ立ち上げてもよし広げてもよし、作る人の好みです。)ヒゴの寸法を8_ずつ短くしていきます。底面の形に添って火で炙って丸みを整え、接合部分を接着剤で固定します。

A 最下段は皮籐の「虫縛り」で基盤に取付けます。

B 上部4段は一連の縛りで仕上げていくことになりますが、いっぺんに縛り始めると(プロはそうするのでしょうが、)いびつになってしまったらもう修正が利きません。一手間余分ですが、微調整しながらバランスがよくなるように仮縛りをしました。8箇所。

 この先は本縛りして概ね外観が出来上がり、高台を取付けたら完成となります。本日は教室がある日ですので、一旦ここまでを先生に見ていただきます。


 上部4段の外枠を仮止めしたものです。


10月15日 外枠の仕上げ縛りと高台の取付け
@ 外枠4段の取付けは皮籐で芯巻きしながら順次縛っていきます。縛りを進めるにつれて仮縛り部分を外していきます。最上段は内側にも当て竹をして、芯巻きの芯は竹ヒゴです。
A 外周より一回り小さ目の高台を作り、籐で縛り留めします。
B 最後は底当て竹を差し込んで出来上がりました。



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