トップページへ戻る
    
前頁へ戻る

               籐ヒゴの作成(染め用)

                            (H30・2月)


 竹花籠作りには要所要所の縛りとか、縁枠縛りや縁の飾り縛りなど籐のヒゴが欠かせません。
 私が花籠作りをしかけた15年ほど前には、まだ名古屋にも籐を扱うラタン店があったのですが、今はそれも無く入手するのに苦労しています。まあこの時代インターネットで探せば日本全国どこからでも取寄せることは出来るのですが。
 巾1oとか2oとか、いろいろ商品はありますが、そもそも竹工芸を意識して作られてはいません。そのまま材料にして籐工芸に用いる性格のものでしょうね。
 花籠作りでは染色がつきものですが、染色するためには表皮部分のガラス質? ホーロー質と言うのでしょうか、その部分を剥ぎ取らなければ染色できません。もちろん花籠でも、皮籐そのままを染色せずに使うこともありますが、どちらかと言えば初級の作品の場合が多いと思います。また日用品の青竹で編むザルなども同様です。そのような場合は製品としての1o、1.5oもの(それなりの厚さしかありません)をそのまま使うことが出来ます。

 表皮部分を剥ぐ必要からするとかなり厚みがないと加工できません。そもそも厚みもあって、ということからすれば丸籐(皮つきのもので、丸芯の加工された籐ではありません。)そのものを鉈で割り、ヒゴ作りすれば一番いいのですが、(本モノの手挽き)

 そうは言っても丸籐潰すのもモッタイナイし、(ケチなことを言ってはいけませんが、)そこそこ手軽な方法が、既成商品の幅広の籐、一番広いもので巾6o程(それなりに厚みがあります。)のものですが、これを使ってヒゴ引きすることにします。この寸法からヒゴ2本をとります。

 まずは材料にする6o巾の籐の両端(縁の方は薄っぺら)を梳いて4o巾程にした後、ナイフ(鉈)で2本割りにします。そうそうその前に節部分の段差を木工ヤスリ、紙やすりで平滑に削ってからです。

 次は2本割りしたヒゴの裏側(身側)を一旦梳いて、平板な断面にします。かまぼこ型断面の4oヒゴを2本割りしたものは、当然左右どちらかが厚く、一方は薄くなっています。この後の工程、巾きめするのに都合よくありません。厚みを均等にした後、巾きめで2oにします。(割れ方で2o確保できていない部分もありますが、)私の場合、使用するのは大方の場合幅1oのものですが、巾きめも一度にやろうと思ってはいけません。少しずつです。

 2o巾のヒゴが出来ました。更に幅きめして1.5oにし(1.5oものとして十分使えます。)この段階で今一度裏側を軽く梳いておきます。その後1oに巾きめします。さて、これからが最終工程です。表皮のホーロー質を剥ぎます。一度に剥ごうとすると失敗します。厚さきめカンナで、一度目はホーロー質がカリカリ音を立てて、粉が飛び散るくらいでやります。そのあと我慢しながら薄く薄く剥ぎます。3度目くらいで削り鰹節程の削りかすを剥いで概ね表皮の加工は終了です。この段階で表皮側の面取りをしてから、最後に身側を目的の厚さまで梳いて全て完了です。
 出来上がりました。
 巾1o、厚さ0.5oに仕上がりました。

 ここまでやってストックしておき、使う段でもう一度厚さ決めカンナで好みの厚さにして使用します。



トップページへ戻る

     
前頁へ戻る