前頁へ戻る 第50作 小入れ麻の葉編花籠 H25・ 1月 (H25年1月26日) ( 3月26日更新)
3月23日当日の鑑評 “中の胴を見せたいのか外側なのか、ポイントがぼやけてしまいましたね。”・・・ 仰しゃるとうりです。私も出来上がってから同じことを疑問に思っていました。やはり最初の段階で、最終の姿を描いてから取り掛からなくてはいけないと言うことでした。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ここまでの作業記録 第49作で出来た胴に装飾しました。装飾兼強度を出します。 当初、胴周りの6方向に一本のヒゴを立て、一本当たり3か所の虫篝りとする予定(虫篝りが18か所)でしたが、教室の先生のご意見は、「3か所の縛りではヒゴが浮いとる、5か所は要るだろー、それと両サイドにもう一本ずつあると良くなるんではないかな?」 素直な性格ですので言われたようにやってやることにしました。 5か所×3本…×6方向 = なーんと、90か所の虫篝りになりました。 ヒゴの製作・染色1日、縛り用の籐ヒゴの調整・染色、三日目からひたすら虫篝りをして4、5、6、7日の丸1週間かかって出来上がりました。怒れるのを通り越して呆れてきました。 中心のヒゴは幅3_、両サイドのヒゴは2_です。籐ヒゴを通す穴は、それぞれ1.5_と1_です。 ![]()
2月15日 外胴のヒゴ削り出し
2月27日 外胴取り付け完了
外胴固定ヒゴ取り付け 外胴ヒゴの上下2か所での固定では左右のぐらつきに耐えられません。丸ヒゴで周を固定します。 内側は穴あけで籐で縛り、外側にあてがったものは籐で続き巻きとしました。画像左は上部、右は下部です。 ![]() 3月 5日 底編みと切抜き 底編みももちろん麻の葉編みとしました。強度と“こだわり”で、麻の葉の二枚重ねにします。 内側は胴と同系色で、底側は縁枠の色に合わせて黒としました。編み目をぴったり合わせてから重ね合せ、ウルシを掛けました。 底枠の形(微妙に径の長短があり、真円ではありません。)に切り出した型紙をあてがい切り出しします。画像Aは底側・黒、画像Bは内側・茶色。 ![]() 3月 6日 口縛り 底編みが出来上がったところで口と底の縛りに取り掛かります。やっと最終工程に近づいてきました。 まずは口の縛りから。 画像1は基本の縛り、2は上縁の飾り縛りです。
3月 9日 底縛り 切抜きした底編みと、力竹を嵌め込み底縛りをします。 やはり巻き始めと最終のドッキング部分が何と言っても手間がかかります。“何事もなかったように”始末しなくてはいけません。この点については「第38作」で書きましたように“ゆる褌”で籐芯を回しておいてから、一目ずつ絞め込んでいきます。 下方の滴巻きの竹ヒゴ反発が強く、うまく納まりませんでしたので、巻きを3スパン程やり直しました。やり直しの籐芯が材質的にやや柔らかく(粗悪、)右の画像のようにササクレが残りましたが、完了とします。何事もなかったとはいかず、何かあったのかなと言う感じです。3時間も余分にかかってしまいました。疲れたねー、、 ![]() 籠本体は概ね完了しました。全体の姿は後日掲載。 「落し」のウルシ塗については本体製作に並行して進めていますが、かなりの回数塗り重ねますので日数がかかっています。 3月15日 落し漆塗りの最終工程・全て完了 これまでは塗っては砥ぎ(水ペーパー)塗っては砥ぎを繰り返し、納得できる程度まで凹凸が無くなってきましたので、その後は拭き塗りを数回重ね、最後は研磨剤で磨きをかけました。 ウルシ工芸の人が見たら、何だこれと言われてしまうでしょうが、竹工芸分野ですので許してください。 ![]() 第50作はすべて完了。工芸展出品が3月22日ですので、一週間を残して出来上がりました。昨年の12月から取り組んできましたが、なんとか間に合いました。 籠の全体像と鑑査結果は後日に。 |