前頁へ戻る 第95作 ふる里籠 その2 R2年7月 第5作で紹介した「ふる里籠」を15年ぶりに作ることになりました。知人が茶道教室に通い人間性を高めているとのこと、いいですねどんどん高めましょう。そんなご縁で今回。 前作は平成17年2月頃の製作で、竹工芸教室に通いだしてまだ2年目でしたが、作った数は10個を下りません。当時は無理やりあちらこちらに配って、いーだろいーだろ、、なんて気をよくしていましたが、今回作るとなって15年分の修行の成果が出るものになるのか楽しみです。
材料作り 材料ヒゴは2個分です。立ちヒゴは縦11本横9本×2組、更に幅5㎜から1.5㎜迄の横回しヒゴ相当数、尻梁(底補強)竹4本×2、口巻き2組、その他籐ヒゴ適宜といったところ。今回立ちヒゴをテーパーに削るについては第5作で行った補助具は用いずオーソドックスに切出しナイフを使ってその後4枚に剥ぎ、表竹1枚身竹2枚を材料にします。 染め 初期の頃は白竹で籠が編み上がった後に籠を丸ごと染色していましたが、どうしてもヒゴの微小なズレで染まっていない部分がチラチラ現れ良くありませんでした。最近の籠作りでは全てヒゴの段階で染めを施しています。 今回2作作りますが、全く同じものでも芸がありませんので、色調を変えてみました。左が赤っぽいやつ、中がやや黒ずんだ竹色基調です。乾いたのち更に濃い黒で短時間染め(コーティング程度)て研ぎだしたときの効果を狙います。 ![]()
水研ぎして下の色をほんのり浮かび上がらせてから漆を施します。ファンデーションですか。生乾きのうちに「錆び粉」(白粉オシロイではなくて、お黒いです。)を振りかけ、さも使い込んで埃やら垢が積もったように“きたなく”します。気取った言い方をすれば、時代を付与するなんて言ったりもしますが、やりすぎも良くないようです。 最後はしっとり感を出すためにロウを掛けて完了(下図左、ロウを擦りつけ、右、バーナーで炙って擦りこみます。本来イボタロウを使いたいところですが、使いやすい洋ロウソクにします。)。ロウ掛けは好みもありますが。 ![]() 後は落しの製作、丸竹をカットして表皮剥ぎ、漆を3~4回塗って完成です。 |