第22話
2003年8月 アユ釣りは水遊びなんだ
(H21・7・18 記)
梅雨明け間近です。ギンギラ照りつける太陽にアユ釣りはよく似合います。
6年前、九頭竜川でのアユ釣りの話です。
福井県九頭竜川はアユで有名な河川です。なんと言っても福井は“お袋さん”の古里ですから、想いも一入です。
アユに狂ったYさんに誘われやってきました。この川には4、5回釣行しています。
我々サラリーマン釣師では渓流にしろアユにしろ、抜群のコンディションに恵まれて・・・なんてのはそう多くはありません。休暇が自由に取れれば話は別ですが。この日も恵まれなかった一日でした。
今回も前日からの雨模様で、渓流なら喜ぶところですがアユとしてはあまり歓迎できません。昨夜現地着で車で一晩過ごし、それなりにアルコールを嗜んで楽しみました。
「Yョーさん、水が高いなー、濁りもあるしヨー。」
朝一番から3時間ほど頑張ったでしょうか、ボツボツ小休止してYョーさんと情報交換する時間です。何とか「メザシ」みたいなのを2匹釣ってはいました。
川岸の土手に腰をおろして、「ナ―さん、今日は水が高いもんで岸寄りの浅い所で釣れるは、」と、Yさんが仰います。「あ、そーなのかー」と、私もその時は納得しました。小振りでも4、5匹釣っていましたので、一応言うことは聞かなくてはいけません。
地元の釣師と思(オボ)しき御仁がアユボートを引っさげてやってきました。「なんだ、この辺りでやるつもりかな?」「Yョーさん、場所荒らされてまうナァー、、」 件(クダン)の御仁、アユボートからタモにアユをぶちまけています。「おいおい、えー型のアユばっかりだなー、」 そんなの見せ付けられては文句を言う勇気も出ません。腕っ節強そーだし。
手早くオトリを付けて岸のあたりから竿を出しました。「あーあ、場所荒らされちゃった、」と、思っていたらズンズン深みの方に出て行きます。危ないナー、深っかいところに入って。 あれー、1匹掛けましたがね。 仲々やるもんだ、と感心している間にもドンドン川の中央に向かっていきます。私らに言わせたら激流の中へです。

「わわー、首まで浸かって竿出しとる、おーまた掛けたー、エー型だがや。」「Yョ―さん、泳ぎながら竿出しとるんと違うか?」 パワーが我々とは別次元のようです。
【写真ではまだ腰の辺りですが、この後、瀬肩に沿ってドンドン川の中央に進んでいきました。この時本当に肩まで水に浸かりながら、流れに任せて泳いでいるように思えました。川中央が馬の背になっているあたりまで辿りつき、写真左方に見えている釣り人と言葉を交わしていましたので、お二人とも地元の顔見知りと思われます。中央の馬の背は平水時には石が出ているところでしょう。川を熟知していなければ出来ることではありません。】
アユ釣りは水遊びであることを知らしめられました。“パンツが濡れると気持ち悪りーな、深みに入るとチョッキが濡れるのでやだな、”ナンテ言っていてはアユ釣りは出来ないということでした。もちろん体力も伴ってです。
それにしてもYョーさんの、「今日のポイントは岸寄りだわ、」は、何だったのでしょうねェ。
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