小樽・余市旅行記2006.9


準備編&1日目2日目3日目4日目&マイレージ


◆2日目:9月9日(土)◆

<久しぶりの朝食&チェックアウト>

 8時に起きて,「
テラスブラッセリー」で朝食を食べる.
海の見えるロケーションの朝食は相変わらず気持ちが良いのであるが,微妙にコストダウンが感じられた.
一番目立ったのはコーヒーがセルフサービスになったのと,フルーツの種類が減ったことである.
まあ,これだけの食事が無料というのはありがたい事であるが...
 余市に行くので,10時過ぎに
チェックアウト
大変短い滞在であった.
荷物の一部は預かってもらう事ができた.


<余市へ&久しぶりのうに丼>

 1泊分の少量の荷物を持ち,小樽築港11時発の電車に乗り,小樽駅に到着.
4番ホームの11時21分発の倶知安行きの電車に乗るが,車両が1両なので,
通勤電車並みの混雑であった.
11時48分
余市駅に到着.
ここまでの乗車券は440円.

 集合時間まで2時間余りあるが,早く到着したのは,久しぶりに
海鮮工房「かきざき」(余市郡余市町黒川町7-25)で昼食を食べるためであったのだ.
前回は気合を入れて開店早々(10時過ぎ)に行ったので,ほとんど並ぶ事はなかったが,今回は丁度お昼時だったので,
大行列であった.
やはり人気のお店のようである.
二人共,うに丼(白カップ)1,810円を注文.
赤は既に売り切れていた.
しばらくして,番号を呼ばれて
待望のうに丼がやって来た.
味噌汁,漬物付きである.
白であるが,こちらも想像以上に濃厚でとても美味しかった.
カロリーは高そうだが,これから肉体労働をするので,今回に限っては気にすることはない(笑).
食後,階段を下りたら,何と1階まで順番待ちの行列ができていた!
やはりこのお店はできるだけ早めに訪れるのが良さそうである.

  
  
豪快なうに丼.これを食べると北海道に来たという実感が沸く.

 集合時間まで時間があったので,道の駅の「スペースアップルよいち」やニッカウヰスキー工場の中をフラフラする.
スペースアップルの宇宙グッズはいろいろと心惹かれるものがあった.


<待望の「マイウイスキーづくり」>

 13時30分ごろ,
ニッカウヰスキー北海道工場正門で「マイウイスキーづくり」の受付をする.
ロッカールームに案内され,緑色のつなぎの作業服に着替え,ヘルメットを受け取る.
こういう格好になると,気が引き締まると同時にこれからの作業がますます楽しみになった.

 14時から
講義の開始.
受講生は全員で22名.
男性がほとんどで様々な年齢層であった.
この講義でウイスキーがどのように製造されるかを簡単に学ぶ.
製造工程はもちろんの事,熟成に用いる樽の材質などの話も聞く事ができて,興味深いものがあった.
樽の材質も国によって違うようで,寿命は30〜50年と長いものらしい.
途中で活性化して再利用するそうである.
また,素人の私はようやく麦芽にする意味を初めて知ることができた(アミラーゼが生成するらしい).

 さて,いよいよ待望の実習である.
もちろん.ウイスキーの製造工程を2日間で全て行う事はできないので,大まかな作業を少しだけ経験させてもらうというものである.
ニッカのウイスキーが大好きな私達にとって,憧れの工場で「ものづくり」に触れる事ができるという事は大変,貴重な経験になりそうだ.


<乾燥・粉砕工程>

 最初に「
第一乾燥棟」のキルン塔へ.
ここでピートを燃やす(本来はこの作業は他で行うらしい).
ピートを燃やした煙で麦芽を乾燥させるのである.
1階で黒いピートのかけらを投入して,長靴に履き替えて急な階段を登り,2階へ上がる.
私達は調子に乗って
ピートを投入しすぎたので,ものすごい煙になっており,自分も燻製になってしまう程である(笑).
2階の床には一面に原料の麦芽が敷き詰められており,視界がほとんど無い猛烈な煙の中,とんぼを使って麦芽をならす作業を行う.

 次に「
粉砕棟」へ移動し,粉砕機を見学.
粗粉砕とさらに細かく粉砕する2段階の連続式になっていた.
この操作により,麦芽の中身がより細かく粉砕されるそうで,1つの発酵タンク(40kL)に仕込むには粉砕に3時間程かかるとのこと.


<糖化・発酵工程>

 粉砕機のある隣の部屋に
糖化槽があった.
麦汁をしぼり取った直後で,その様子を見る事ができた.

 その後,「
発酵棟」に移動.
多くの立派なタンクが並んでいた.
1つのタンクの容量は40kLで麦汁を27kL入れるとの事.
発酵は自然対流を利用しており,発酵開始24時間,48時間,72時間後のタンクのジャケットをそれぞれ触らせてもらうことができた.
やはり,24時間後に比べて,発酵が進行している48, 72時間後は温かい.
発酵開始72時間後の発酵液をタンクから抜き取り,飲ませてもらった.
甘さと酸っぱさがあり複雑な味である.
その後,原料の麦汁も飲む.
こちらはかなり甘く,かなりの糖分を感じる.
次にタンクの上部に上がり,発酵の様子を目視で観察する.
発酵開始48時間以降はかなり二酸化炭素が発生しているようである.
二酸化炭素の臭いを直接かいだら,鼻にツーンときた.

  
  
とても立派な発酵タンクが並んでいた.右手の階段でタンク上部に上がった.


<蒸留工程・糖化槽の掃除>

 
蒸留棟に移動する.
この余市工場は伝統的な直火焚き蒸留でアルコールを取り出すそうだ.
スコップで石炭を入れる作業を少しだけ行った.
実際は温度管理などとても高度な技術が必要とのこと.

 最後に先ほどの糖化槽の温度が下がったので,長靴で中に入り,
絞りかすをかき出す掃除を行った.
数人しか入る事ができないので,順番に行う.

 以上で本日分の作業は終了.
充実した内容であったが,ウイスキーの製造工程は多岐にわたり,多くの技術者によって成り立っている事を再認識した.


<ホテルへ移動>

 専用バスに乗り,16時40分頃,宿泊先である「
ホテルサンアート」(余市郡余市町大川町6丁目35番地)へ移動.
工場からは近い距離にある.
一度,チェックインをして,約1時間の自由時間.
いわゆる普通のビジネスホテルである.
汗をかいたので,お風呂に入る.
ドライヤーは貸し出し.

 17時50分集合で,バスに乗り,再び工場内の夕食会場である「
ニッカ会館」へ.


<感動の夕食会>

 18時から
夕食会開始.
講師はもちろんの事,工場長も参加.
食事は魚介類中心で,お刺身やカニやチャンチャン焼きなど,北海道を感じる料理でどれも豪華で美味しかった.
特に大きなすり鉢にいくらがたっぷり盛られているのは驚いた.
嬉しくなって,ご飯にたっぷり載せていただいた(笑).

 そして,特筆すべきはお酒.
お酒はもちろんニッカ製で,白ワイン,竹鶴12年の他,特別にシングルカスクの20年を1本飲む事ができた.
もちろん,ウイスキーは
ストレートで提供され,竹鶴は飲み放題状態である.
竹鶴は初めて飲んだが,とても飲みやすくどんどん飲めるので危険である(笑).

 途中で自己紹介が始まる.
道内はもちろんのこと,各地から参加しており,お酒との関わりの話やイベント参加の目的や経緯などを興味深く聞くことができた.
リピーターも何人かいた.
ニッカウイスキーが大好きな人達とお酒の話をしながら,飲食することができ,とても楽しい夕食会であった.
食後は工場内の「
旧竹鶴邸」で一般の人が入る事ができないという部屋を見せてもらうことができた.
竹鶴さんはやはり酒豪のようで,毎晩かなりの量のウイスキーを飲んでいたようである.
夜の工場内をほろ酔い気分で歩くのは気持ちが良く,移動の間,いろいろな方とお酒の話をすることができた.
大変お酒について造詣の深い方ばかりで,私は大変未熟者であることを再認識する.
これまで「余市」に関して疑問があり,明確な答えは分からなかったのであるが,ここに来てすっかり解決した(笑).

 21時頃,正門で解散.
ホテルへは各自,徒歩で帰ることになる.
その後,10人程で近くのスナックに行き,竹鶴12年を2本飲み,カラオケで盛り上がる.
初対面でもお酒という共通の趣味があるので,初めてという気もせず,とても楽しい夜となった.

 23時頃,ホテルに戻り,睡眠.

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