矢田川を遡って<その2>(瀬戸市)

前回はほとんど平坦な道ばかりだったが、今回は山道が多く歩き応えがあった。難点は雲興寺の手前あたりから東大演習林宿舎までの長い坂道には歩道はなく、車がかなりのスピードで走ることだ。にもかかわらず、この長い坂道は、自転車愛好家にとっては絶好のトレーニングの場所らしく、数多くのバイク野郎を見かけた。
ついでながら、白藤川に沿っても歩いてみた。さらに県道33号の南側の谷川に沿っても行ける所まで登ってみた。
なお、このコース地図は2回に分けて歩いた結果を1つの地図にまとめたものである。
また、赤津インター付近の紫線は別の機会に歩いた移動軌跡を参考までに追加表示したものである。


コース:P 駐車地点→0.6km→弘法堂(①の地点)→0.7km→②の地点→0.4km→③の地点→
     0.9km→④の地点→1.5km→万徳寺(⑤の地点)→1.2km→大目神社(⑥の地点)→
     1.4km→長谷山観音堂(⑦の地点)→2.0km(秋葉三尺坊およびねむの森経由)→雲興
     寺(⑧の地点)→2.0km→小長曽陶窯跡(⑨の地点)→0.4km→東大演習林宿舎(⑩の
     地点)→0.1km→白坂量水堰堤(⑪の地点)→1.5km→分岐点(⑫の地点)→1.0km→
     奥源流?(⑬の地点)→0.4km→牛頭観音(⑭の地点)→2.9km(復路)→⑮の地点→
     0.4km→分岐点(⑯の地点)→0.7km→行き止り地点(⑰の地点)
日付:平成21年2月1日(日)、7日(土)
天候:晴れ
所要時間:4時間50分(休憩時間を除く。紫線は含まない。)
歩行距離:18.1km(紫線は含まない。)

    コース地図を開く  ここをはじめてクリックするとプラグインのインストール画面が
            (初期値は1/10000)      表示されるので、「はい」をクリックする。不具合が発生した
                                 場合はこちらの「8」参照

                                 なお、念のため他のウィンドウをすべ閉じておくこと。


  (移動軌跡データファイルのみの呼び出し方法および地図の利用上の留意点)
 
1.この上にカーソルを当て、右クリックで「対象をファイルに保存」を選択し、デスクトップに「移動の軌跡
  データ」を保存します。ここでは、そのファイルは開かないでください。

2.国土地理院の電子国土ポータルへジャンプする。
3.国土地理院のプラグインのインストール画面が表示されたら、「はい」を選択する。
4.小さな日本地図が表示されるので、「ファイルを開く」(ボタンは画面右側の作図パネルの下部に隠れている)で、
  先ほどデスクトップに保存したファイルを指定して、それを開くと、地図の上に「移動の軌跡」が合成される。
5.この状態では、まだ地図の縮尺が小さいので、縮尺スケールが600mほどまで拡大して利用します。地図の表示
  窓が小さいので見にくいが、印刷結果はとても鮮明です。不要になったら、デスクトップのファイルは削除してくだ
  さい。
  地図の呼び出し方について、詳しくはこちら

6.留意点
 (1)地図上の赤線はGPSよる移動の軌跡を、手書きで地図に転記したもので、実際の軌跡データとは若干の誤差が
   ある。
 (2)地図上での経緯度線の表示は省略した。
 (3)地図と緯度経度の関連付けをより明確に知るにはカシミール3Dのホームページのフリーソフトを利用されたい。

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(各地点の説明)

   P 駐車地点【北緯35度11分43秒 東経137度06分21秒】。海上の森の駐車場でもよかったの
     だが、手近な愛知環状鉄道の鉄橋下(橋脚横)の路肩に止めた。
   ①弘法堂【北緯35度11分56秒 東経137度06分28秒】。山田作助氏の寄付により弘法堂と集
     会所が完成した旨の、平成3年と記した碑があった。
   ②の地点【北緯35度12分01秒 東経137度06分40秒】。あえて山道を歩いてみた。このポイン
     トには「塚原1号古墳」の標識が転がっていたが、詳細は不明。
   ③の地点【北緯35度12分14秒 東経137度06分37秒】。ここで舗装道路へ合流する。右下を
     見るとトンネルのような巨大な構築物が見える。どうやら新しい道路ができるらしい。かつ
     てはここから海上の森の「篠田池」へ通じていたようだ。
   ④の地点【北緯35度12分31秒 東経137度06分48秒】。ここから工事中のため、800mほど
     車両通行止めになっている。
   ⑤万徳寺【北緯35度12分52秒 東経137度07分19秒】。1290年頃に建てられたと伝えられ、
     阿弥陀如来を本尊としている。
     室町時代、今村城主であった松原広長は、聖徳太子を敬い、太子堂を建立した伝えられて
     いる。現在の太子堂は昭和10年に改築されたもの。
     広長は、文明14年(1482)の大山・安土坂の戦いで敗れ討ち死にした。その首は万徳寺
     に松原塚として手厚く葬られた。
     この寺には、瀬戸市指定による有形文化財「聖徳太子絵伝」、「聖徳太子伝」、「松原広長
     寄進状」の3点が所蔵されている。
   ⑥大目(おおま)神社【北緯35度13分11秒 東経137度07分53秒】。説明板によると、「創建は
     明らかでないが、奈良期に遡り古くは八王子社と呼ばれていたといわれ、由緒ある式内社
     である。また、その鎮座地が古く『大目様』とも『御守様』とも呼ばれていたことから神社の
     名称が大目神社となったと想われる。」
     神社の鳥居は宝暦5年(1755)に建立され、瀬戸市内では山口地区の八幡社(前回ウォ
     ーキングの⑦の地点)につぐ古いものである。
   ⑦長谷山観音堂【北緯35度13分35秒 東経137度08分11秒】。本尊は十一面観世音菩薩で、
     尾張城東西国三十三観音霊場の30番札所。天保10年(1839)に再建された現本堂の
     屋根は腐って一部垂れ下がっており、保護のため屋根全体がトタンで覆われている。住職
     の話では修理の話はあるが檀家がないこともあり、なかなか進まないとのこと。
     山門にはユーモラスな朱塗りの仁王様が立っている。また、高速道路の東側の山の上に
     は秋葉三尺坊と金比羅大権現がお祀りしてある。
     ここから、「ねむの森」に立ち寄り東海自然歩道を歩いて雲興寺へ向かった。
   ⑧雲興寺【北緯35度13分19秒 東経137度08分42秒】。1384年に開山の曹洞宗の古刹で、
     織田信秀(信長の父)の保護を受けたこともある。現在は、盗難厄除けのご利益があること
     で知られている。
   ⑨小長曽(こながそ)陶窯跡【北緯35度13分04秒 東経137度09分46秒】。「古瀬戸」と呼ばれ
     る施釉陶器を生産した14世紀末から15世紀初頭の室町時代の窯跡で、国指定史跡であ
     る。窯跡全体が、建物で保護された状態で保存されている
   ⑩東大愛知演習林宿舎入口【北緯35度13分04秒 東経137度09分53秒】。愛知演習林は大
     正11年(1922)に、山に緑を回復する研究と開発のために荒廃地であった瀬戸市と犬山
     市に設置された。ここの面積は1300ヘクタールである。
     そういえば、江戸時代以降、焼き物の燃料にするため大量の材木が無秩序に伐採された
     という話を聞いたことがある。
     なお、演習林中には許可なく立ち入ることはできませんので、ご注意ください。
   ⑪白坂量水堰堤【北緯35度13分06秒 東経137度09分52秒】。量水堰堤は渓流の流量を測る
     ための施設で、きれいな水が蓄えられた溜池になっている。矢田川の源流と位置づけるに
     は最適な場所である。
   ⑫分岐点【北緯35度13分34秒 東経137度10分27秒】。この地点には、右へ進む道は扉が設
     置されており通行止めになっている。
     ⑪の地点から⑭の地点までは、白藤川に沿った簡易舗装道路であるが、現在は、この道
     へは車両の乗り入れは禁止されている。両地点間の標高差は約240m。
   ⑬奥源流?【北緯35度13分52秒 東経137度10分46秒】。身近に、白藤川の流れに接するこ
     とができる最終の地点。
   ⑭牛頭(ごず)観音【北緯35度14分00秒 東経137度10分48秒】。堂宇はなく、野仏としてぽつ
     んと路傍に立っている。ここから北進し、坂道を右へ下ると「めぐみの森」へ、左へ進むと
     「岩屋堂」へ至る。
     旧藤岡村が設置した説明板によると、「昔農山村では馬の飼育が盛んで、その霊を弔うた
     め、馬頭観音が数多く、建立されたが、『天明8戌申、稔為牛馬安全、十一月吉日、施主市
     野々村中』と刻まれたこの絵像碑は、馬頭でなく牛頭をいただいている。・・・以下省略」。
   ⑮の地点【北緯35度13分01秒 東経137度10分00秒】。猿投山の中腹から流れ出す谷川に沿
     って切り開かれている山道を登ってみた。これぞ赤津川の源流か。
   ⑯分岐点【北緯35度12分51秒 東経137度10分03秒】。地図ではこの地点に分かれ道がある
     ように描かれているが、確認できなかった。
   ⑰行き止り地点【北緯35度12分31秒 東経137度10分10秒】。砂防堰の先へ進めるかどうか
     確認する時間の余裕はなかったが、急な山肌が立ちはだかっているのでこれ以上は無理
     のようだ。
     なお、この付近では、GPSの受信状態が悪く地図上に表示したコースには誤差があるかも
     しれないのでご了承ください。

   【参考】・・・紫線の説明
    大目神社から雲興寺前の東海自然歩道との合流点までの3.5kmを、谷川に沿って湿地
    に足を取られないように、頼りはGPSばかりでなく、いのししの足跡までも目印にしながら
    50分かかって歩いた。
    森の中の分岐点付近ではオフロードバイクの轍があった。ということは、分岐点を右へ進む
    こともできそうだが、ここは地図に従って谷川に沿って進むことにした。
    2本の丸太を束ねた橋を渡ると、次第に道がはっきりしてきて竹薮の中で、大きく左へ回っ
    て少し下ると雲興寺の前へ出た。ただし、決してお薦めできるコースではない。
                                              
   【参考資料:愛知の歴史散歩(愛知県高等学校郷土史研究会)、歩こまァー瀬戸(瀬戸文化財
          保存会)】
                                               (2009.5.30一部修正)

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