| ◆4日目:5月2日(日)◆
 
 ●<アントワープへ>
 
 7時起床.
 連日,多く歩いているので(日頃の運動不足を痛感...)かなり疲れが貯まっており,目覚める時間がどんどん遅くなってくる.
 
 昨晩,ホテルに戻ってすぐ眠ってしまったので今日の予定は何も立てていないのである.
 朝食後(料理の内容が同じなので3日目になるとかなり飽きてくる.あと2日間もある...),今日の計画を立てることにした.
 夫は「フランダースの犬」のネロとパトラッシュに会いたいらしいので(番組を見たことがないらしいが),アントワープへ出かける事にする.
 
 ブリュッセル南駅9時7分発のICでアントワープへ向かう.
 今日の電車は空いていた.
 10時前にアントワープ中央駅に到着.
 駅の建物がネオバロック様式でいかにもヨーロッパの駅という感じでとても素晴らしい.
 「鉄道の大聖堂」と賞賛されているそうだ.
 駅近くのインフォーメーションセンターで「ネロとパトラッシュの散歩道」1.25ユーロを購入.
 これは「フランダースの犬」ゆかりの土地を訪ねるという日本人向けのガイドブック.
 ネロとパトラッシュの像があるホーボーケンは行くのをやめて,アントワープの旧市街をフラフラすることにする.
 
 
 ●<ネロとパトラッシュのアントワープ散策>
 
 中央駅からまずはフルン広場へ歩く.
 ここにはルーベンスの像が立ち,その背後には立派なノートルダム大聖堂が見え,写真撮影にもってこいの場所である.
 
 
  
 この角度で多くの観光客が写真を撮っていた.手前がルーベンス像.
 
 この広場の周辺には古いデパートを改装したというヒルトン・アントワープがある.
 とても歴史を感じさせる建物でヒルトンの罠にはまっている私としては一度泊まってみたいものである(笑).
 この広場のベンチに座り,ルーベンスの像を眺めながら,アントワープについてのにわか勉強を始める(何も研究していなかったので..).
 夫は先程購入した「ネロとパトラッシュの散歩道」を読んで感動していた.
 普段ガイドブックも読まない夫が珍しい...
 これに従ってアントワープの散策をすることにした.
 今日も晴れであるものの,風がとても強い.
 おまけに何かの花粉が飛んでいるらしく,私は花粉症が発症してしまったようである(今年は日本でも大丈夫であったのであるが..).
 
 まずは「ネロとパトラッシュの散歩道」に従ってマルクト広場へ.
 広場の中央にはブラボーの噴水がある.
 そして,様々な形のギルドハウスが三角形の広場を美しく取り囲んでおり,一番目を惹くのはとても華やかな市庁舎である.
 この市庁舎というのが「フランダースの犬」の物語では重要な場面で,ここのホールでネロが最後の望みを託した絵画コンクールの発表が行われたそうである.
 結局,入賞したのは裕福な家の息子で,ネロは惜しくも賞にもれてしまったのだ.
 その後,手袋市場,「フランダースの犬」記念碑,ノートルダム寺院(日曜日は13時から中に入る事ができるので,後ほど来る事にする),亜麻布市場,ミルク市場,卵市場,聖ヤコブ教会を経てネロが憧れていたルーベンスの家へ行く.
 さすがにここは人気スポットで多くの人が来ていた.入場料は8.5ユーロ.
 バロック時代の画家ルーベンスが1616年から亡くなるまで暮らしたアトリエ兼住居.
 この邸宅はフランダース様式とイタリアバロック式が見事に調和しているそうである.
 この中にはルーベンスの作品や彼自身が収集した美術品などが飾られており,美術館のようである.
 これでアントワープ旧市街の「フランダースの犬」ゆかりのルートは終了.
 けっこう楽しめた.
 
 
 ●<ビアカフェでのランチ>
 
 かなり歩いてお腹が空いたので,12時15分過ぎにビアカフェ「De Groote Witte Arend」(Reyndersstraat 18)へ.
 元修道院でチャペルが今も残っているらしい.
 マイケル・ジャクソンお勧めのビアカフェである.
 中庭でランチを食べる.
 ちょうどお昼時だったので地元風の客がどんどん来る.
 ビールはアントワープのビール,デ・コーニング(De Koninck)の大きいグラス2.1ユーロを頼む.
 このビールはクラシックなベルギー・エールの代表で香りも良く美味しかった.
 ベルギーはビールのバラエティに富んでいるので,いろいろ飲み比べることができて楽しいが,前の味をすぐに忘れてしまう私はどれが一番美味しいか,と聞かれると答えに困ってしまう(笑).
 料理のメニューはオランダ語なので,全然わからない.
 オランダ語の本を見ながら一生懸命解読する.
 夫はタラのグリルのクリームかけ16.5ユーロ,私はサケのパイ包み焼き15.5ユーロを注文.
 料理が出てくるのに大変時間がかかるが(これはベルギーのほとんどのお店に言えることであるが),盛り付けも美しく,丁寧に作られている.
 旅行中は不足しがちな生野菜も添えられていた.
 ビアカフェなのにけっこう美味しく満足な昼食となった.
 
 
  
 サーモンのパイ包み.見た目にも美しいし,味も良かった.
 
 
 
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