飯田街道(中馬街道)<柿野〜陶町>
〜〜土岐市・瑞浪市〜〜

このコースでは旧街道の雰囲気がよく残されており、石仏や道祖神、道標などが多数保存されている。加えて、街道自体も国道363号線に埋もれなかった部分には、焼き物で造った標識や説明板などが地元の人々(鶴里中学の生徒、NPOはつらつファンド、NPO曽木町まちづくり協会、鶴里町老人クラブなど)の手によって設けられており、江戸時代から明治にかけての里人の暮らしを想像しながら楽しい旅ができた。
細野白鳥神社(地図上ではDの地点)の説明板に「細野には八王子と白鳥の二つの集落があり、共に神社名になっている。鶴岡山の山麓に開けた里である。以下省略」とあったので鶴岡山にも登ってみた。その結果はこちら
なお、地図に掲載した移動軌跡は数回に分けて歩いた分をまとめて表示したものである。


コース:駐車地点→0.2km→@の地点(鶴里支所)→0.8km→Aの地点(石仏群)→1.1km→Bの
     地点(中馬街道解説板)→0.8km→Cの地点(石仏群)→2.6km(八王子神社立ち寄り)→
     Dの地点(細野白鳥神社)→1.2km→Eの地点(道祖神)→0.4km→Fの地点(道祖神)→
     0.6km→Gの地点(中馬街道碑)→1.2km→Hの地点(石仏群)→1.1km→Iの地
     点(三角点「曽木」)→2.4km→Jの地点(石仏群)→0.2km→Kの地点(八王子神社)
日付:平成21年11月15日(日)、12月1日(火)ほか
天候:いずれも晴れ
所要時間:片道約3時間15分(休憩を含まない)
歩行距離:片道12.6km


    コース地図を開く  ここをはじめてクリックするとプラグインのインストール画面が
            (初期値は1/8000)      表示されるので、「はい」をクリックする。不具合が発生した
                                 場合はこちらの「8」参照

                                 なお、念のため他のウィンドウをすべ閉じておくこと。


  (移動軌跡データファイルのみの呼び出し方法および地図の利用上の留意点)
 
1.この上にカーソルを当て、右クリックで「対象をファイルに保存」を選択し、デスクトップに「移動の軌跡
  データ」を保存します。ここでは、そのファイルは開かないでください。

2.国土地理院の電子国土ポータルへジャンプする。
3.国土地理院のプラグインのインストール画面が表示されたら、「はい」を選択する。
4.小さな日本地図が表示されるので、「ファイルを開く」(ボタンは画面右側の作図パネルの下部に隠れている)で、
  先ほどデスクトップに保存したファイルを指定して、それを開くと、地図の上に「移動の軌跡」が合成される。
5.この状態では、まだ地図の縮尺が小さいので、縮尺スケールが600mほどまで拡大して利用します。地図の表示
  窓が小さいので見にくいが、印刷結果はとても鮮明です。不要になったら、デスクトップのファイルは削除してくださ
  い。
  地図の呼び出し方について、詳しくはこちら

6.留意点
 (1)地図上の赤線はGPSよる移動の軌跡を、手書きで地図に転記したもので、実際の軌跡データとは若干の誤差が
   ある。
 (2)上記地図の経緯度線は「世界測地系」(GPSではWGS 84)に従い、目安として手書きで表示したものであり、各地
   点の表示は「秒」までに止めた。青線の間隔は10秒(横は約250m、縦は約300m)ごとである。
 (3)高度表示については、約5m〜10mほどの計測誤差がある(ほとんど低めに表示されてい る)。
 (4)地図と緯度経度の関連付けをより明確に知るにはカシミール3Dのホームページのフリーソフトを利用されたい。

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(各地点の説明)

   P 駐車地点【北緯35度16分13秒 東経137度13分05秒】。柿野白鳥神社前の空地。この広
     い土地の所有者は不明だが、中馬街道のコース地図には市場跡と記載されていた。これ
     を文字通り解釈すべきなのか、単なる字名だろうか。
   @鶴里支所【北緯35度16分18秒 東経137度13分07秒】。ここに役場が建設されたのは大正
     3年、その後現在の庁舎に建て替えられたのが昭和60年である。
     敷地の片隅には、下に掲げた中馬馬子唄の一部とその裏面に柿野宿由来を刻んだ碑が
     建っている。
           *** 馬子唄 ***
      一、馬子は二十六 男のさかり 根羽や平谷の 若衆だよ
      二、のぼりゃ大馬戸 下れば坂瀬 中の明智で 一休みよ
      三、吉良見 吹越猿爪越えて 谷の鶯 笹渡りよ
      四、恵那が曇れば 柿野は晴れる 曽木のあたりは薄霞よ
      五、美濃の大馬戸 尾張の坂瀬 碓氷峠がなけなよい
      六、新居松原 品野の縄手 坂瀬の大坂なけなよい
      七、小幡過ぎれば 大曽根近い うれしかろぞえ茶屋娘
   A石仏群【北緯35度16分35秒 東経137度13分25秒】。10体前後の石仏が集められている。
     また、濃南中学校名による中馬街道のコース地図が立っている。
   B中馬街道解説板【北緯35度16分28秒 東経137度14分00秒】。金蔵ヶ峰の津島神社を通
     過してまもなく濃南グランド入口の表示がある。そこに中馬街道についての解説板がある。
   C石仏群【北緯35度16分43秒 東経137度14分16秒】。濃南中学の北東に馬頭観音、延命地
     蔵、水神などの石仏が並んでいる。
   D細野白鳥神社【北緯35度17分17秒 東経137度14分43秒】。この神社は武人である日本武
     尊が祀られている。社伝によると1366年に勧請されたもの。
     この神社を中心に、曽木町大草から濃南中学校の区間は比較的よく旧街道の姿を留めて
     いる。
     神社の前には自然石を利用した二十二夜碑と、役行者がお祀りしてある。
   E道祖神【北緯35度17分42秒 東経137度15分08秒 標高292m】。大きな道祖神がりっぱな
     屋敷横に立っている。向い側には常夜灯がある。川のほとりに石垣を積み、その上に建っ
     ており、なかなか風格のある常夜灯である。
   F道祖神【北緯35度17分38秒 東経137度15分11秒】。さらに大きな道祖神が363号線沿に
     もある。明治25年に大草・中洞組合(馬車組合?)によって建てられたもの。
   G中馬街道碑【北緯35度17分43秒 東経137度15分27秒】。道路より一段高いところに曽木
     町郷土芸能打囃子の解説碑(平成11年設置)とともに、真新しい街道碑が建っている。
         さらに400mほど東へ歩き、モミジで有名な曽木公園の中を通り抜ける。既に紅葉というよ
     り褐色になり始めていた。
     旧道を挟んで公園の向側の奥まったところに大きな五輪塔があり、悲しい「君が塔伝説」
     残っている。
   H石仏群【北緯35度17分57秒 東経137度16分01秒】。ここには双体道祖神と地蔵菩薩立像
     が祀られている。土岐市教育委員会が設置した説明板によると、
     「道祖神は村の境や峠、辻などに祀られ、村内に疫病悪鬼が入らぬよう村境を守る神とし
     て、江戸時代に急増した民間信仰です。形態は様々で、自然石に「道祖神」の文字を刻む
     ものや、単身の神像・男女の双体神像を刻むものがあり、塞の神・道陸神(どうろくしん)と
     も呼ばれています。
     双体道祖神は関東甲信地方に多く分布し、東濃地方では、この他に恵那市飯地町・笠置
     町、加茂郡白川町に各一基ずつ現存しています。そしてこの住久保の道祖神は、日本にお
     ける双体道祖神の西限を示す貴重なものです。横にある地蔵は菩薩立像は室町期の作
     で、この地方では稀なものです。」
     これらの石仏は、既にかなり溶けてしまっているので、せめて堂宇くらいは造って風化を防
     ぎ、貴重な文化遺産を後世に引き継いでほしいものだ。
   I三角点「曽木」【北緯35度18分14秒 東経137度16分18秒  標高521.7m】。地図を見ていた
     ら、何とかたどり着けそうな三角点を発見したので、立ち寄ってみることにした。
     売地看板までは車道があったが、その地点から右方向には草で覆われた下りの道があっ
     た。それを進み峠で左へ向きを変えると、広場で行き止まりだったが、薮の中を強引に西
     へ進み頂上らしい平らな場所で三等三角点の標石を見付けた。登山の記念プレートが1枚
     木にくくりつけてあった。もちろん周囲は樹木で覆われて、展望を望むことはできない。帰り
     は、踏み跡らしい部分を辿ってまっすぐ南下し、売地看板に出た。
   J石仏群【北緯35度18分25秒 東経137度17分26秒】。363号線より一段低い旧道の傍らに
         石幢と子供の戒名を刻んだ石仏などが数体並んでいる。
   K八王子神社【北緯35度18分22秒 東経137度17分31秒】。神社の隣には世界一の美濃焼
     の狛犬が一対鎮座している。平成元年に「ふるさと創生1億円資金」を主な財源として制作
     された。高さは約3.3mあり、大きな専用窯でこの場所で焼き上げたものである。
     狛犬の後側には、同じように焼き物の茶壺があり、「豊穣の壷」と命名されている。高さは
     5.4m、直径が4mで平成10年の制作である。
     また、神社境内の社殿右側に「うさぎ岩登山口」の標識があったので登ってみた。
   

  【参考資料:ちまき亭さんのサイト「名古屋近郊の旧街道のルート」、「鶴里町誌第3巻通史編
          上・下・添付地図」(鶴里町誌編纂委員会】

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