杣路峠(長野県下伊那郡根羽村 838m)


現在の国道153号線(飯田街道)は、明治26年8月に着工し、同27年6月に竣工した。それまでは野入から大野瀬へ通じる道はなく、杣路峠越えの道が信州の根羽村へ出る唯一の生活道路であった。
また、戦国時代には兵馬の道として多くの部将や大軍が往来し、江戸時代には中馬街道として人馬の通行で賑わった。
今回は、以前矢作川に沿って歩いた時にみつけた道標(Gの地点)を目指して、野入から逆コースで杣路峠を越えて歩いてみた。
駐車地点から尹良(ゆきよし)神社までは、下草に覆われた山道で踏み跡は薄く心許ないが、神社から国道153号上のGの地点までは車の通行可能な道だ。この区間では、路傍の石仏がかつての街道を偲ばせてくれる。

コース:P 駐車場→2分→登山口(@の地点)→15分→馬の水飲み場(Aの地点)→12分→
     県境(Bの地点)→9分→尹良神社(Cの地点)→7分→杣路峠(Dの地点)→53分→
     Eの地点→15分→月瀬の大杉(Fの地点)→12分→Eの地点→8分→道標(Gの地
     点 ゴール)
       ※帰路は同じコースを引き返したので省略。なお、帰路の所要時間は2時間10分
日付:平成21年8月16日(日)
天候:晴れ
所要時間:2時間13分(帰路および休憩時間を除く。)
歩行距離:7.1km(片道)

    コース地図を開く  ここをはじめてクリックするとプラグインのインストール画面が
            (初期値は1/10000)      表示されるので、「はい」をクリックする。不具合が発生した
                                 場合はこちらの「8」参照

                                 なお、念のため他のウィンドウをすべ閉じておくこと。


  (移動軌跡データファイルのみの呼び出し方法および地図の利用上の留意点)
 
1.この上にカーソルを当て、右クリックで「対象をファイルに保存」を選択し、デスクトップに「移動の軌跡
  データ」を保存します。ここでは、そのファイルは開かないでください。

2.国土地理院の電子国土ポータルへジャンプする。
3.国土地理院のプラグインのインストール画面が表示されたら、「はい」を選択する。
4.小さな日本地図が表示されるので、「ファイルを開く」(ボタンは画面右側の作図パネルの下部に隠れている)で、
  先ほどデスクトップに保存したファイルを指定して、それを開くと、地図の上に「移動の軌跡」が合成される。
5.この状態では、まだ地図の縮尺が小さいので、縮尺スケールが600mほどまで拡大して利用します。地図の表示
  窓が小さいので見にくいが、印刷結果はとても鮮明です。不要になったら、デスクトップのファイルは削除してくだ
  さい。
  地図の呼び出し方について、詳しくはこちら

6.留意点
 (1)地図上の赤線はGPSよる移動の軌跡を、手書きで地図に転記したもので、実際の軌跡データとは若干の誤差が
   ある。
 (2)地図上での経緯度線の表示は省略した。
 (3)地図と緯度経度の関連付けをより明確に知るにはカシミール3Dのホームページのフリーソフトを利用されたい。

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(各地点の説明)

       P 駐車場【北緯35度14分17秒 東経137度32分50秒 標高617m】。国道153号の駐車帯に、
     中馬街道(塩の道)と大きな看板が立っているので見落とすことはない。そこには杣路峠
     の由来についての解説板横に登り口の案内がある。
   @登山口【北緯35度14分18秒 東経137度32分53秒 標高631m】。駐車地点から車の通行可
     能な道をわずかばかり登ると、右側に登山口案内板が立っている。道があるだろうかと不
     安に思いながら草をかき分け進むと、つづら折れの道がかろうじて続いている。
   A馬の水飲み場【北緯35度14分21秒 東経137度33分04秒 標高706m】。谷からわずかの水
     が落ちている場所に説明板がある。
     なお、この付近はGPSの電波受信状況が悪く、コース表示および座標の表示に誤差があ
     るかもしれないのでご了承ください。
   B県境標識【北緯35度14分25秒 東経137度33分10秒 標高766m】。「これより信濃路長野
     県根羽村」および「尹良神社・杣路峠」と比較的新しい案内標識が立っている。
   C尹良(ゆきよし)神社【北緯35度14分26秒 東経137度33分16秒 標高811m】。イノシシがほ
     じくり返した山道から抜けると、社殿の前に出る。かなり新しいものだ。その右側には、しめ
     縄を巻いた大ブナの木がある。
   D杣路峠【北緯35度14分30秒 東経137度33分22秒 標高838m】。尹良神社から坂道を登る
     と、左側に北西方向に開けた場所がある。峠まで登ってしまうと、展望がなくしかも何の標
     識もないので、ここで峠の気分を味わうとよい。
   Eの地点【北緯35度15分17秒 東経137度34分18秒 標高581m】。ここで左折して大曽礼橋
     を渡り、月瀬の大杉へ向かう。月瀬の大杉の近くで、はるか右手の山の上にパラセールを
     発見。平谷村の長者峰から飛び立ったのだろうか。
   F月瀬の大杉【北緯35度15分27秒 東経137度34分01秒 標高560m】。月瀬神社の境内に
     は樹齢千八百年の大杉があり、昭和19年に国の天然記念物に指定された。
     弘化元年(1844)の江戸城本丸焼失後の復興用材として、また明治41年(1908)村内
     神社統合の後、大杉売却の決議がなされたが、月瀬全住民の団結の力によって、保存さ
     れ現在に至っている。
   G道標【北緯35度15分14秒 東経137度34分31秒 標高575m】。「右いわむら あけちなごや
     道 左みかわ あすけ おかざき なごや道」とあり、設置は明和8年(1771)と刻まれてい
     る。

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