工具のいろいろ

今どきの小学校ではナイフなんて持たせてないのでしょうね。我らがご幼年の頃、昭和30年代ですが、鉛筆は当然、ナイフで削っていました。上手に綺麗に鉛筆が削れる子供は学校の成績も優秀でした。ひょっとして私のこと?  当時、町内ではシンドウと呼ばれていました。バイブレーターのことではありませんので念のため。今ではタダの人を通り越してオマケみたいなものですが。

日曜大工、釣魚の調理、何をするにも刃物が要ります。竹細工もいろいろな刃物を使いますので、文化センターの教室に通うときなど、お巡りさんに見つかったら“凶器準備罪”で逮捕されそうです。

竹細工に必要な工具と言えば当然「竹割りナタ」ですね。極端な話、このナタ一本あれば大方用をなすのではないでしょうか。丸竹を半割りにして四つ割りにして八つ割りにして、さらに割り進めてから目的の厚みに剥いで材料ヒゴが出来上がります。

ヒゴの裏側をナタですけばササクレもある程度はおさわりますし、厚みも調整する事が可能です。この程度の材料でちょっとした籠くらいなら十分出来ます。

 あれば便利な道具と言えば「くもで」?とか言う、丸竹をいっぺんに4本とか6本とかに割る道具です。他には切り出しナイフハサミ目打ち、竹割りの幅に印を付けるためのデバイダーなど、これらはいずれも日曜大工センターで揃うものばかりです。


そして、更に高度で細密な材料を作って花籠など、工芸品を目指す人に必要なものに、ヒゴの厚みをきめる道具と、幅をきめる道具があります。ありますと言っても、そこいらで簡単に売られてはいません。いろいろ探せば手に入るのでしょうが、何しろ需要と供給の世界、売れ筋とは対極のものだけに高いでしょうねえきっと。

私も教室に通いだしてから、花籠つくりでこれほどまでにヒゴを薄くするものなのかと感心しましたが、何とこれが籠に編まれるとちゃんとした強度が出るから不思議です。竹の繊維の強さを改めて知りました。
 厚みにして0、5ミリとか0、4ミリ、ものによってはもっと薄く仕上げます。教室でこの道具を使ううち、家で内職しようとするとどうしても手許に必要となり、結局自作する事にしました。幅きめの道具も同様です。お陰で快調にヒゴが削れています。刃先の角度などは実際に竹を削ってみて、砥石で調整したりして丁度いいところを見つけるしかないでしょう。


厚さ決めの刃物は手許にレジャー用のナタ(安モン)が転がっていましたので、柄の部分をグラインダーで切り落として利用しました。台木に刃先が当る部分は金定規を貼り付けてあります。

幅決めは堅木の台があれば直接ミゾを切って刃物を固定したいところですが、ミゾ切りの工作機械なんて持っていませんので、桜材の角棒を三角に刻んで接着剤とボルトで固定しました。刃はU字型のカンナの刃を半分に切って利用しました。廃物で十分対応できます。面取りは鉄ノコの刃を削りました。道具もいろいろ考えながら自分で作るとなると、これがまた楽しい遊びになりますね



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