材料のヒゴつくり

 材料ヒゴつくり、慣れないうちはこれが結構しんどい作業ですが、少しやれるようになると大変楽しい作業になります

世の中何でも手に入る時代ですので、竹ヒゴも探せば売っているのでしょうが、竹割から始めてヒゴを整え、花籠に編み上げて完成。これでもって、自分で籠を作りましたとなります。

 太さ7、8pの丸竹を、ナタやらくもでで四つ割にしたものが下の写真です。この先割り進むについては、割る前に節の内側をナタで落としておくことを億劫がらずにやりましょう。節を越す(割り進む)時に左右の力のバランスが崩れず、均等に割ることができます。

【割り幅のしるし付け】

  目的の幅より余裕をもってデバイダーで罫書き、印をつけます。

  この余裕分も初心の頃は5割増し程度は有ったほうが無難でしょう。但し、後で紹介するように幅決め作業の為には有り過ぎても厄介ですので、慣れるに連れなるべく少なくしていけば効率よくヒゴ作りができることになります。その為には一定の幅で竹が割れることが必然です。慣れてくれば印付けは省くことも出来ます。竹の幅が何センチあるので、何ミリのものをとるには何本に割ればいいか見当をつけて作業しても、大方思ったように出来ます。

   【割る】

  割る本数を2の倍々の数にできれば(慣れない内はして、)等分割りで作業が進められますので、好都合です。ただし、竹材の無駄を極力省くために余裕幅も少なくして、目一杯の本数を採ろうとした場合に、等分割りが出来なくなる事があります。例えば5本とか6本とかの場合です。5本の場合はまず2本分と3本分に割り、3本分を1本と2本分に割る必要があるわけで、その為には「竹割りのページ」でお話したように、等分でなくてもナタにかける力の入れ具合によって、割り幅を保てるようにテクニックをマスターする必要があります。

   【剥ぐ】

  基本は皮側4、身側6の厚みでナタを進めます。これも反発する力の等分割りと言えます。一旦4の厚みのヒゴがとれたら、更に2枚に剥いで薄くします。まだ厚ければ何度でも。

  竹は根元のほうではなく先のほうからナタを入れる事になっていますが、(どうしてか良く知りません。節のところで身の部分が折れたりして、反対から入れなければならない事も場合によってはあります。)剥いでいって節を通り越すとき、どうしても節の下で皮側が薄くなりがちになります。節を越す時に身側をナタで押すというのか、(単純に押すと折れたりします。)皮側のヒゴを引っ張り加減で身側を押す感じでやればうまくいくようです。ただ、このあたりの感覚はかなり数をこなしてからの話でしょう。何本も失敗してください。

   【薄くする】

  上記で出来上がった2枚のヒゴは皮竹と身竹でそれぞれに材料になりますが、そのままではまだ厚いので、「厚さ極め」の道具を使って薄くします。一遍に目的の薄さに仕上げようとすると、削り落とす方の竹屑に負けて、残すべきヒゴまで切れ込んでしまいます。2度、あるいは3度と少しずつ薄くしていきます。身竹のほうは表裏それぞれ削ります。節の部分は通りませんので切り出しナイフで削ります。

  剥ぐところで6:4が基本と言いましたが、少し上達すれば7:3とか8:2でも可能であって、目的の厚みに近く剥げるとしたらその後の厚さ極め作業が楽に、能率よく出来ることになります。

  【幅を決める】

  次は目的の幅に削る作業です。「幅決め」の道具を使いますが、刃幅の調整について、材料竹が目的の幅に近ければ一度で引けますが、かなり余裕があって広い場合、一度に引くと削り屑に負けて切れ込む事があります。この場合はやや広めで削ったあとで、更に目的の幅に削ります。

  この厚さ決め、幅決めの手順は、材料やら目的とするヒゴの形状などにより、また各人の好みによって後先逆にする事もあります。やりやすくて失敗の少ない方をお選びください。

  割る、剥ぐの工程も、かなり細めのヒゴを沢山作るような場合、ある程度の幅まで割ったら、一度剥いでおいて、それから更に細く割って最後にまた剥ぐと言ったような手順もとります。頭を常に柔軟にして、合理的な手順でやればいいでしょう。

 思い出しました、手先を使う竹工芸は脳細胞を活性化して、ボケ防止には最高の遊びらしいです。
 
 最後は面取りをして完了です。


いやー、楽しい作業でしたこれで材料ヒゴが揃いましたので籠が半分出来上がったも同然です。
 
あとは編むだけ・・・


トップページへ戻る


     
前頁へ戻る   竹割りのページへ 工具いろいろのページへ