| ◆2日目(その2)◆
 
 ●<ローテンブルク散策>
 
 町が城壁でグルリととり囲まれたローテンブルクは,「中世の宝石箱」と呼ばれロマンチック街道の中で最も人気が高いとの事である.
 バスは城壁の外に停まり,私達は歩いて北側の城壁から町に入った.
 10分程で街の中心であるマルクト広場(けっこうこういう名前の広場は多いようだ)に到着.
 ローテンブルクの観光スポットやお店は18時頃までに終了してしまうところが多いということで,30分程度のガイドさんの案内による観光は希望者のみということになった.
 私達は2泊するので観光ツアーに参加.
 マルクト広場からブルク公園へ行ってちょっと遠回りをして戻ってくるというものであったが,公園から城壁の外側のタウバー渓谷の眺めは美しかった.
 明日はあの辺りをのんびりとお散歩しようという話になった.
 
 17時頃にアイゼンフート前にバスが到着し,ここで荷物を受け取り,このバスツアーは終了である.
 荷物の心配をしないでここまで来る事ができたのは大変便利であった.
 
 
 ●<ホテルチェックイン>
 
 私達の宿泊するホテルはJALバスの発着ホテルの「アイゼンフート」である.
 このホテルは15〜16世紀に貴族が住んでいた館を改造したそうで,日本の皇族や世界のVIPが利用しているとの事.
 部屋の造りはまちまちで内装も異なるそうである.
 どんな部屋に当たるか楽しみである.
 
 そのまま荷物を持ってフロントに行きチェックイン.
 狭いロビーは昔のヨーロッパのお屋敷風な感じ.
 既に部屋も決まっているようで,名前を言うとすぐにルームキーを出してくれた.
 金属製の巨大なずっしりと重い鍵である.
 朝食は1階のレストランで7時から10時30分までで,私達の部屋は道路を挟んだ向かい側とのこと.
 道路を渡って向かい側の建物へ行く.
 石畳なのでスーツケースが引きずりにくい.
 別館(勝手に私が名付けてしまったが)の入口は寂れた古い内装になっており,ちょっと怖い「中世の雰囲気」.
 最近,アメリカ系のホテルに宿泊していた私達は不慣れな雰囲気に戸惑ってしまう.
 今にも停止しそうなエレベーターに乗って2階の部屋に行くと私達の部屋のドアの手前の横には古そうな巨大な木製のベッドが置いてある.
 これはエキストラベッド用に利用するのであろうか.
 鍵を開けようとしたら,何とごっつい金属製のノブになっている.
 よく古い門とかにありそうな形式である.
 恐る恐る部屋を覗いて2人はしばし,無言になってしまった(笑).
 ロマンチックな中世の雰囲気のお部屋かと思いきや,ちょっと私達のイメージとは異なっていたのだ.
 夫が「この部屋って『貴族の部屋』というより『召使部屋』って感じだよね.やたら広いから逆に怖くて眠れないかもー」と言うが,確かにその通りである.
 
 お部屋は木調でまとめられており,ベッドは天井付きである.
 天井付きのベッドに寝るのは初めての事である!
 ただ,この家具がとても古いもので(良く言えば「歴史を感じる」だろう)色は褪せていて,所々に虫食いの跡がある.
 間にエキストラベッドが入るようにしてあるのか,2つのベッドの間隔はとても広く,何と1.3mほども離れている.
 ベッドの1つはとても高さがあるので,寝ている間に下に落ちたら大変な事になりそうだ.
 またこのベッドは微妙に長さが短いので(幅はとても広い),夫だと足がつかえるようである.
 しかし,どう贔屓目に見ても「お姫様ベッド」ではなさそうである.
 また壁には昔に利用していたような燭台もある.
 バス,トイレ,洗面台も大変広いがこちらは普通のホテルの部屋のような内装であった.
 
 
  宿泊した部屋.こうやって写真に撮るとけっこういい感じであるが,最初はちょっと怖かった(笑).
 
 窓からはちょうど本館側が良く見渡せ,通りの様子が良く分かって楽しい.
 
 丁度,ホテルの前に大型バスが停まって,欧米系の大人数のツアーと思われる客が降りてきた.
 しばらくしたら彼らのほとんどは私達の宿泊している建物の方へ向かって来た.
 どうやらこちらの建物は団体旅行客に多く利用されているかもしれない.
 私達の予約は旅行会社経由だったのでこちらになったのだろう.
 
 
 ●<フランケンワインを楽しむ>
 
 今日は朝も昼もとても少なく,お酒も飲んでいないので,美味しそうなワインが飲めるお店に行く事にした.
 ローテンブルクのレストランの多くはホテルとの兼業という形を採っているようで,小さい町ではあるが町自体が観光地なので食べる所はたくさんあるようだ.
 私達は18時頃に町で美しいスポットの一つと言われる「プレーンライン」(残念ながらこの周辺は工事をしていたのでガイドブックのような景色には出合えなかった)近くの「グロッケ(Glocke)」(Am Ponlein 1)へ行ってみる.
 ドイツ語辞典を片手に店の入口のメニューを一生懸命解読する.
 良く分からないがいろいろと美味しそうなものが食べられそうなので,中に入る.
 時間が早い事もあり,客は誰もいなかった.
 店に入る時に「今日は20時までだが良いか」と英語で聞かれた.
 
 メニューはドイツ語のみであったが(日本語メニューがあるという話を聞いた事があるが,無さそうだった),店員は英語が話せるのでフランケンワインを選んでもらう.
 1998年のBacchus Kabinett trockenというもので12.8ユーロ.
 このお値段なのにフルーティな辛口で大変美味しく,いくらでも飲めてしまいそうである.
 またワインクーラーがボックステイル型用でお洒落であった(滞在中,ずっと心惹かれていたが日本であまり利用できそうにないので,購入はやめた).
 料理は夫がホワイトアスパラと焼きソーセージ(付け合せにジャガイモ)18.1ユーロ,私がニシンに細かく切ったリンゴとオニオンを添えたもの(付け合せにジャガイモ)を注文.
 とても美味しかったが(今回の旅行の中でも印象に残る食事に挙げられる),上品で量は少なかった.
 
 
  夫の頼んだ料理.ソーセージが自家製で大変美味しかったそうだ.
 
 夫はワインが美味しいので,グラスワインを追加するが,出されたワインは何と250ml入りである!
 日本のレストランのグラスワインの量に比べると断然多くて嬉しくなる.
 これで2.7ユーロなのであるから,ボトルワインよりもグラスワインを飲んだ方がお値打ちなようである.
 「こんな安くて美味しいワインが飲めるなんてドイツに来た甲斐があったねー」と良い気分になって20時前に部屋に戻る.
 まだ明るいが,睡魔に襲われたので部屋が怖い雰囲気であった事もすっかり忘れてすぐに寝る.
 
 
 ★本日の歩数:18,614歩
 
 
 
 |