| ◆1日目(その2)◆
 
 ●<大混雑のシャンゼリゼ通りをふらふら>
 
 荷物を片付けて,17時頃にホテルを出発.
 ちょうどホテルロビー入口にカラフルなトーナメント表があることに気が付く.
 「何かテニスの大会をやっているみたいだよー」と大会名を見てみるが,ローラン・ギャロス(Roland Garros)としか書かれていない.
 夫が「これって会場の名前だよねー」と言って大会名は謎であった.
 メンバーを見ると日本の杉山愛選手やシャラポア選手,ヒンギス選手などそうそうたる名前が書かれていた.
 実はその晩,テレビを見てようやく全仏オープンだということを認識した.
 ホテルのロビーにもIDカードをぶらさげた記者らしき人達がたくさんいた.
 
 さて,まずは歩いてこのあたりの地理を把握することにする.
 ヨーロッパの夏は日が長いので,この時間(17時頃)であると太陽はまだかなり高く,日本でいうと夏の14時くらいの位置であろうか.
 約8年前にパリに訪れた時はホテルがヴァンドーム広場付近だったので,この辺りは全く知らない.
 ホテルを出て,凱旋門の方に向かってオッシュ大通り(AV. HOCHE)を歩いていくと,左手に日本大使館があり,さらに歩いていくと凱旋門(Arc de Triomphe)に着く.
 正確な時間はわからないが歩いて15分くらいはかかったと思う.
 それまではほとんど人がおらず閑静な街を通ってきたのであるが,シャンゼリゼ通り(Avenue des Champs-elysees)に来た途端に多くの人で溢れかえっていて,別世界のようであった.
 以前,来た時はこんなに混雑していた記憶はなかったのであるが,土曜日の夕方ということもあるのだろうか.
 
 
  大変久しぶりの凱旋門であるが,周囲にはとてもたくさんの人がいた.
 
 とにかく人にぶつからないように注意深くシャンゼリゼ通りの南側を歩く.
 いろいろなレストランやカフェ,ブティックが並んでいるのであるが,どのお店も賑わっていた.
 世界最大というルイ・ヴィトンの本店があったので,ちらっとのぞいてみたら,ここも大混雑でお店の中に入っても進めない.
 入口から数メートル入ったところですぐに退散.
 トヨタのショールームもあり,入口には愛知万博で活躍したi-unitが展示されていた.
 遠く離れた異国の地で思いがけず出合え,ちょっと嬉しくなって写真を撮ってしまった(笑).
 次に一度食べてみたかったラデュレ(Laduree)に入ってみるが,ティールームはもちろんのこと,テイクアウトコーナーも長蛇の列!
 やはりパリは大都会である.
 
 
 ●<憧れのビストロでディナー>
 
 「どこも人だらけで疲れるよねー.やっぱり,パリって人が多いねー」ということで,田舎者の私達は耐えられずに,人の多すぎるシャンゼリゼ大通りから離脱.
 さらに南の方を歩く.
 ここになると人通りは少なくなり,ほっと一息.
 この辺りでいくつか心惹かれるレストランがあったので,チェックする.
 その中で最も行ってみたかったビストロ「シェ・アンドレ(Chez Andre)」(12, Rue Marbeuf 75008)の前を通る.
 このお店は70年間続いているようで,キム・ベイシンガーなど有名女優も来店するらしい.
 この時,18時前であったが,お客さんは外に一人いるだけであった.
 店員に「今から食事をすることはできるか」と聞いてみると,大丈夫とのことなので,早めの夕食をとることにする.
 店内はレトロだがお洒落で,席の間隔も非常に狭く,私の漠然と想像していた素敵なビストロという雰囲気だった.
 私達以外,誰もいなかったので,角の比較的広い席に座ることができた.
 
 最初に飲み物を聞かれ,二人共,グラスシャンパンを注文.Pommeryのシャンパンで12ユーロ.
 やはりシャンパンはヨーロッパでもそれなりに高かった...
 メニューはフランス語だったので,どんな食材か認識するのに大変だった(笑).
 往路の機内で覚えた単語を一生懸命思い出す.
 結局,前菜は二人共,飲みたかった魚のスープ 11.6ユーロ,夫が日替わりスペシャル(土曜日は子牛の料理)17.8ユーロ,私が帆立貝のグリル25.5ユーロ.
 飲み物はロワールの赤ワイン31ユーロと炭酸水1/2ボトル.
 魚のスープは地元のお気に入りのレストランで知り,いつか本場で飲んでみたいと思っていたのだ.
 チーズとフランスパンとガーリック入りマヨネーズが添えられているので,これらをスープに入れて好みの味を楽しむ事ができるのである.
 最初はスープ単独で飲んでみて,その後はいろいろなトッピングを入れたりと一皿でいくつもの味が楽しめる事ができる.
 私はチーズを沢山入れるのが大好きである.
 スープは見た目には褐色のドロドロとしたものであったが,味は意外にあっさりしており,たくさん飲める味である.
 「やっぱり,お魚のスープは素晴らしいねー」とワインを飲みながら,先程の人込みの事はすっかり忘れてのんびりと食事を楽しんでいた.
 この時,相変わらず,客は私達だけであったが,予約の電話は頻繁に鳴っており,ディナー時間帯は予約がないと厳しいような様子であった.
 
 次にメインの登場.
 予想以上の量だったので,驚いてしまった.
 味は評判通り,美味しいのであるが,特に私の帆立貝は大きく,質も良く,大変旨みがあった.
 ただ,一皿の量が多かったので,真ん中のご飯が全部食べられなかった.
 私達がメインを食べている頃,奥では店員さん達のお食事タイムだったようだ.
 普段,私達はレストランでの夕食時は写真を撮らない事にしているが,人がいなかったので,撮影してしまった(..ということで珍しく食事の写真がある).
 食事が終わると,お仕事開始という感じで,各テーブルに「予約」のプレートを置いていった(この日はけっこうのテーブルが予約済みであった).
 
 
    美味しかった魚のスープ(左)と帆立貝のグリル(右).
 
 19時を過ぎるとお客さんがたくさんやってきた.
 予約して来店しているようで,年齢はちょっと高めでお洒落な格好をしている人が多かった.
 最後に私達は食後のエスプレッソ2.85ユーロを注文.
 本当はチーズプレートを注文したかったのであるが,お腹が一杯だったので断念.
 合計約130ユーロ.
 税金とサービス料が19.6%も含まれるようである.
 クレジットカードで支払いをしたのであるが,端末を持ってきて,私達の目の前で操作をしていた.
 この後,フランスのレストランは全て同じでシステムであったが,スキミングの心配がないので,安心である.
 美味しいお料理とお酒で初日から満足であったのであるが,値段がちょっと高すぎるように思う.
 やはり都会のパリでは仕方が無いのであろうか.
 憧れのお店で食事ができたので,明日からはもう少し安めのお店で食事をしようという話になった.
 
 
 ●<大混雑のシャンゼリゼ通りへ再び>
 
 このレストランの向かいに食材店があり,お客さんがけっこう出入りしていたので,食後はこの食材店「Vignon」に行ってみる.
 ワインやチーズ,ハムなどが売っており,ワインは5ユーロからあった.
 部屋で飲むための赤ワイン10ユーロとスライスしたミモレット5ユーロを購入.
 
 その後,ジョルジュサンク通り経由で再びシャンゼリゼ通りへ.
 この頃,19時30分くらいであったが,当然まだお昼のような明るさで,人がさらに増えていた.
 部屋で飲むミネラルウォーターを購入しようと,便利なスーパー(パリにはなかなかスーパーがない)「モノプリ(Monoprix)」(52, av. Des Champs-Elysees 8e)へ行く.
 しかし,地下の食料品売り場のレジには尋常ではない,ものすごい列ができている!
 これではミネラルウォーターも買えない.
 「やっぱり,パリは人が多いのねー」と水は諦めて,ホテルに戻る.
 本当はワインを飲むつもりであったが,あまりの人の多さに疲れて(やっぱり田舎者なので慣れていないのである),睡眠.
 20時過ぎているが当然外はまだ明るい.
 
 
 
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