| ◆4日目:6月6日(火)◆
 
 ●<当てが外れたオルセー美術館>
 
 今日は終日,パリ市内観光の日.
 目的は第一が行ってみたかったビストロでのランチ,第二がオルセー美術館でゴッホの絵を見るという事である.
 これらが達成できれば大満足である.
 
 6時に起き,シャワーを浴び,7時過ぎに朝食.
 料理の内容は全く変わりなし.
 ホテルを8時40分に出発し,シャンゼリゼ通り経由で景色を眺めつつ,歩いてオルセー美術館まで向かう.
 さすがに平日の朝のシャンゼリゼ通りは人も少ないので,気持ち良く散歩ができる.
 これくらいの人だと嬉しいのであるが...
 
 ひらすら歩く事,1時間,ようやくオルセー美術館に到着.
 思ったよりも遠かった.
 今回,ホテル(ヒルトン・アルク・ドゥ・トリオンフ・パリ)の位置が観光スポットから離れているので徒歩での観光はかなり疲れる.
 オルセー美術館の前には既に行列ができていた.
 どうやら9時30分からの開館なのであるが,「今日は10時から開館です」というような案内の紙が入口に貼ってあった.
 既に入場券やパスを持っている人の列は別にある(美術館奥).
 こちらは人が大変少なかった.
 
 そして10時になった時に「本日の朝は休館です.開館はいつになるかわかりません.」というようなアナウンスが流れる.
 これを聞いてあちこちからため息が漏れていた.
 今日は火曜日でルーヴルが休みなので,この美術館を狙っていた人も多いのだろう.
 係員が行列を整理し始めたので,てっきり10時からオープンすると思っていただけに,この突然の休館は驚いた.
 ぽっかり午前中の予定が開いてしまったので,急遽,どこに行こうかと相談する.
 ギャラリー・ラファイエットのグルメ館には一度行ってみたかったので,歩いてそこに行こうという事になった.
 途中,オランジュリー美術館に行ってみるが,こちらも火曜日休館.
 おまけに普通の日も12時30分からオープンである.
 
 さらに歩いてマドレーヌ広場(Pl.De La Madeeine)周辺のエディアール(Hediard),フォッション(Fauchon)などの高級食材店を見る.
 前回のパリ旅行では連日のようにこれらのお店に行って,たくさんのジャム,紅茶,ドレッシングなどを購入してしまった(日本に持って帰るのが大変だった).
 しかし,結局,全部食べなかったものもあり,お金の無駄遣いをしてしまったので,今回は見るだけである.
 それにしてもお惣菜が大変美味しそうで心惹かれた.
 盛り付けも大変美しいのだ.
 お値段も相当であるが...
 
 そして,「ギャラリー・ラファイエット(Galeries Lafayette)」(40, Bd. Haussmann, 9e)の食品館のラファイエット・グルメに向かう.
 ここで高級お惣菜を購入して,お部屋で夕食!というのを一度やってみたかったのだ.
 パリで最後の夜である今晩はここで購入しようかといろいろとチェックする.
 しかし,さすがに歩き疲れてラファイエット・グルメ内にある「Malongo cafe」でコーヒー休憩.
 カウンター席のみであるが,けっこう席数はあった.
 客層は地元のお買い物に来たマダムがほとんどのようだ.
 コーヒーは変り種もいろいろあるようで,私はグラスに入った温かいカフェラテ風の飲み物を頼んだ.
 
 
 ●<人気のビストロでのランチ>
 
 メトロでSevres Babylone駅へ行き,ビストロ「レピ・デュパン(L'Epi Dupin)」(11, rue Dupin 6e)へ行く.
 今旅行で唯一予約をしたお店である(笑).
 「星付きは絶対にイヤ.気軽に入れるお店がいいー.」と言う夫に「ここはお手軽なビストロで,コストパフォーマンスも高いようだから」と説得してようやく了解を取ったのだ.
 事前の調査でネットや雑誌には「予約の取れない超人気ビストロ」などと絶賛されていたので,大変心惹かれていたお店の一つである.
 
 12時15分頃に行くが,店内はそれほど広くなく,テーブルの間隔も狭く,お気軽に食事が楽しめる雰囲気である.
 私達が来た時はお客さんが少なかったが,どんどん予約と思われるお客さんが来て,満席になっていた.
 客層はスーツ姿のビジネスマン,お洒落なマダムのグループの他,日本人もいた.
 アラカルト料理もあるが,ランチコース32ユーロを注文.
 プリフィックスになっているので,前菜,メイン,デザートを選ぶ事が出来る.
 メニューはフランス語なので,一生懸命解読しなければーと思っていたら,日本語を勉強中のギャルソンがやってきて,全部,日本語でメニューを説明してくれたので,大変助かった.
 ただ,お料理の種類が多いので,どれにしようか悩んでしまう(笑).
 前菜は夫がうさぎの料理(Nems de Lapin),私がエスカルゴの料理(Pastilla Escargo),メインは夫がカモの照り焼き(Filet
      Canette),私がブーダンノワールと白身魚とほうれん草(Dorade et Boudin),デザートは夫がフロマージュタルト,私がフォンダンショコラを選択した.
 せっかくフランスに来たのだから,普段食べられない食材を..ということで注文してみた.
 飲み物は最初にグラスシャンパン10.5ユーロ,次にアルザスの赤ボトルワイン25ユーロ(今回の旅行のワインはほとんどがアルザス産である<笑>)とエビアン1リットル4.6ユーロ.
 
 お酒を飲んでのんびりしていると前菜の登場.
 最初からメインでは...と思う程のけっこうな量であった.
 夫の注文したウサギは初めて食べたのであるが(私も一口もらった),けっこうクセがあるものの,ワインと合って,食べ慣れると病み付きになりそうな味である.
 私の注文したエスカルゴは円錐形の春巻き状に入っていたが,味にコクがあり,美味しかった.
 私はエスカルゴの方が好きだったが,夫はウサギの料理の方が気に入ったらしい.
 次にメインが運ばれてきた.夫のカモの照り焼きは皮がパリっとして中がジューシーで素晴らしかった.
 はちみつソースとの相性も良かった(料理は一番これが美味しかったと思う).
 一方,私の方はほうれん草と白身魚の間にブーダンノワールが挟まっており,最初に一度食べてみたかったビストロの定番と言われるブーダンノワールを食べてみる.
 しかし,予想以上に血の味が濃厚でちょっと私は苦手であった.
 昔,ドイツで食べた血入りソーセージの何倍もクセがあった.
 申し訳ないが,ブーダンノワールを食べるのはそこそこにして,白身魚とほうれん草を美味しくいただいた.
 デザートの前にチーズ(黒板にはTONNE CRAYEUSE DE LA MAISON GUATREHOMEEと書かれていた)を追加注文する.
 一人5ユーロ.
 生野菜と一緒に出されたチーズはまたまた大きかったが,爽やかな旨みが口の中で広がり,大変美味しい.
 お腹が一杯のはずであったが,これは別腹であった(笑).
 そしてデザート.
 私のフォンダンショコラは申し分が無い美味しさであった.
 夫のタルトも美味しかったらしい.
 最後にコーヒー 2.6ユーロを追加.
 合計約130ユーロ.
 お気軽な雰囲気で代表的なフランスのビストロ料理を楽しむことが出来て,良かったが,やはりお値段はそれなりに高い.
 しかし,パリの物価を考えるとリーズナブルなお値段なのだろう.
 本当にパリはお金がかかる街であるー.
 
 
 |