ファルマン
描いてた理想が崩れても 弱さも傷もさらけ出して
ここにある全てに嘘をつかれたとしても 強さと覚悟つなぎ止めて
信じ続けるだけが答えじゃない
たった一歩でもそこから進め 突き破った扉の向こうに また新たな道がある
純粋にロイアルを読みたい方はファルマンの書いた奇数ページ(内容文色緑表記)のみお読み下さい
<3>
「どうかしたのかね?アルフォンス君。」
声がその意味を成したのは、聞いてから優に20分は経ってからだった。
「大‥佐?」
夢現なボクの反応にも、辛抱強く大佐は待っていてくれた。
やっと答えたボクにゆっくり大佐の腕が伸び、ボクに触れると静かにボクを連れて歩き出す。
やがて。辿り着いた執務室の奥、簡易なバーが備えてあるレストルームにボクを招き入れた。
「ようこそ、私の部屋へ。アルフォンス君。」
明るい口調でボクを座らせた大佐は、向かい側の椅子で上着を脱いでゆったりと肘掛に寄りかかった。そのまま左手で頬杖をつきながらボクを見つめる。
「‥あの…、御仕事はいいんですか?」
ボクを見つめたまま仕事を始めようとしない大佐に、僕は恐る恐る尋ねた。
「君がどうしたのか。何が君を哀しくさせているのか。教えてくれたら仕事に戻ろう。」
「大佐……」
ん?というように小首を傾げて見せる大佐から、さり気ない思い遣りが溢れている。
「……、ボク‥、いえ…」
「無理しなくて良いさ。話したくなってからでね。時間なんてものは、作り出せばいいのだから。君の為なら幾らでも作り出すさ。」
優しい声に導かれ、ボクは大佐の顔を見た。
「ね。」