飯田街道(中馬街道)<陶町〜明智町>
〜〜瑞浪市・恵那市〜〜

中馬街道のこの区間においては、旧街道を偲ばせるような石仏や史跡は少なかった。加えて、明智に近づくにつれて交通量が多く、歩道のない国道は歩きづらかった。それでも、雪が降る前にこのシリーズの終点「明智」に到着できてほっとした。
明智は、かつては東西南北から街道が集まる交通の要衝であったが、現在では新しい交通網から置き去りにされ、都市化の波に乗りそこねた町と言えよう。しかし、そのお陰で歴史的な町並みを初めとして、先人からの多数の貴重な遺産が残されおり、これらは重要な観光資源となっている。集客の目玉はいくつもあるので、行政や地域住民などの努力次第では大いに発展する可能性を秘めた地域である。東海自然歩道を歩いた時も里山の静けさやのどかさを堪能させてくれた町でもある。

コース:駐車場→0.1km→@の地点(こま犬)→0.2km→Aの地点(茶壺)→0.3km→Bの地点(巡
     拝供養塔)→0.3km→Cの地点(治良翁之碑)→0.4km→Dの地点(田ノ尻の道祖神)→
     0.2km→Eの地点(石仏)→0.7km→Fの地点(水上神社)→3.7km→Gの地点(巡礼供養
     塔)→1.5km→Hの地点(五輪塔)→3.2km(二箇所の神社に立ち寄り)→Iの地点(イボ
     岩)の対岸→0.7km→Jの地点(馬頭観音)→0.8km→Kの地点(石仏群)→0.5km→Lの
     地点(南北街道との分岐点)
日付:平成21年12月6日(日)、12月13日(日)
天候:いずれも晴れ
所要時間:片道約3時間10分(休憩を含まない)
歩行距離:片道12.6km

    コース地図を開く  ここをはじめてクリックするとプラグインのインストール画面が
            (初期値は1/8000)       表示されるので、「はい」をクリックする。不具合が発生した
                                 場合はこちらの「8」参照

                                 なお、念のため他のウィンドウをすべ閉じておくこと。


  (移動軌跡データファイルのみの呼び出し方法および地図の利用上の留意点)
 
1.この上にカーソルを当て、右クリックで「対象をファイルに保存」を選択し、デスクトップに「移動の軌跡
  データ」を保存します。ここでは、そのファイルは開かないでください。

2.国土地理院の電子国土ポータルへジャンプする。
3.国土地理院のプラグインのインストール画面が表示されたら、「はい」を選択する。
4.小さな日本地図が表示されるので、「ファイルを開く」(ボタンは画面右側の作図パネルの下部に隠れている)で、
  先ほどデスクトップに保存したファイルを指定して、それを開くと、地図の上に「移動の軌跡」が合成される。
5.この状態では、まだ地図の縮尺が小さいので、縮尺スケールが600mほどまで拡大して利用します。地図の表示
  窓が小さいので見にくいが、印刷結果はとても鮮明です。不要になったら、デスクトップのファイルは削除してくださ
  い。
  地図の呼び出し方について、詳しくはこちら

6.留意点
 (1)地図上の赤線はGPSよる移動の軌跡を、手書きで地図に転記したもので、実際の軌跡データとは若干の誤差が
   ある。
 (2)上記地図の経緯度線は「世界測地系」(GPSではWGS 84)に従い、目安として手書きで表示したものであり、各地
   点の表示は「秒」までに止めた。青線の間隔は10秒(横は約250m、縦は約300m)ごとである。
 (3)高度表示については、約5m〜10mほどの計測誤差がある(ほとんど低めに表示されてい る)。
 (4)地図と緯度経度の関連付けをより明確に知るにはカシミール3Dのホームページのフリーソフトを利用されたい。

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(各地点の説明)

   P 駐車場【北緯35度18分22秒 東経137度17分31秒】。こま犬見学用の駐車場を利用。神
     社横にトイレあり。
   @こま犬【北緯35度18分24秒 東経137度17分29秒】。八王子神社の隣に世界一の美濃焼
     の狛犬が一対鎮座している。平成元年に「ふるさと創生1億円資金」を主な財源として制作
     された。高さは約3.3mあり、大きな専用窯でこの場所で焼き上げたものである。
     また、八王子神社境内の社殿右側に「うさぎ岩登山口」の標識があったので登ってみた。
   A茶壺【北緯35度18分25秒 東経137度17分32秒】。こま犬の東側に、焼き物の大きな茶壺
     があり、「豊穣の壷」と命名されている。高さは5.4m、直径が4mで平成10年の制作で
     ある。
   B巡拝供養塔【北緯35度18分31秒 東経137度17分37秒】。「弘法大師巡拝供養塔 大正4
     年」と刻まれている。道標も兼ねており、「右 明智岩村道 左 小里瑞浪道」とある。
   C治良翁之碑【北緯35度18分38秒 東経137度17分43秒】。十三塚開拓祖治良翁之碑(昭
     和31年)と刻まれている。
   D田ノ尻の道祖神【北緯35度18分44秒 東経137度17分53秒】。大正3年の設置で、「左 三
     河瀬戸道 右 瑞浪小里道」と読み取ることができる。
   E石仏【北緯35度18分45秒 東経137度18分00秒】。「石仏群前」との表示板が立っており、
     薮をかき分けて少し登ると馬頭観音、役行者などが無造作に並べられている。
   F水上神社【北緯35度18分49秒 東経137度18分25秒】。鳥居の横には道祖神、二十二夜
     碑、その他の石仏が並んでいる。
     すぐ側の壁には地元の人の作品だろうか歌を焼き込んだ陶板が並んでいた(狂俳の壁)。
     これより1kmほど北東に進み、左折(北上)すると小里川ダムがある。
   G巡礼供養塔【北緯35度19分03秒 東経137度20分30秒】。西国巡礼供養(東濃猿爪村 天
     明元年)とある。さらに、「右 あけちしなの 左 いわむら△△」との案内が刻まれている。
   H五輪塔【北緯35度18分43秒 東経137度21分19秒】。交差点角に古そうな五輪塔と大きな
     自然石に文字(南無阿弥陀仏?)が刻まれていたがはっきり読めない。
   Iイボ石【北緯35度17分57秒 東経137度22分25秒】。吉田川を挟んで対岸に5〜6個の岩
     があり、その横に「上田のイボ岩」と書かれた説明板が立っている。
     曰く、「前略・・・手足にできたイボからこの石へ箸の橋を渡して『イボイボ渡れこの橋渡れ』
     と呪文を唱えれば、いつのまにかイボが取れてしまうというイボ取りの石神である。」
     この先のふれあい広場に架かっている橋を渡れば向こう岸へ行くことができるが、今回は
     対岸から見るだけに留めた。
     ところで、ふれあい広場の橋のたもとに「猿投神社」と標識があったが「イボ岩」の南あたり
     に神社があるのだろうか。
     これより400mほど北西にある八幡神社はかなり高い位置にあるので国道から6〜7分か
     かる。小さくて素朴な神社で、右側の岩山には南宮神社が合祀されている。
   J馬頭観音【北緯35度18分00秒 東経137度22分47秒】。吉田川を渡ったところに三面六臂
     の馬頭観音(享保3年)がある。台座には「右ハころもみち 左ハあすけみち」とある。
   K石仏群【北緯35度18分12秒 東経137度23分10秒】。ここには安政の年号を記した道祖神
     馬頭観音観音、南無妙法蓮華経碑などが集められている。また天満宮の小祠も祀られて
     いる。
   L南北街道との分岐点【北緯35度18分05秒 東経137度23分24秒】。この辻を北へ大井街道
     をたどれば中山道の大井宿へ、東へ中馬街道を進めば漆原横道平谷〜飯田へと続
     く。また、南へ下れば奥三河から岡崎へ通じている。
     このように、この辻は主要街道の交差点、馬子の歌声や伊勢参りの人たちで賑わった明智
     宿の中心である。

  【参考資料:「鶴里町誌第3巻通史編上・下・添付地図」(鶴里町誌編纂委員会】

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