「おい‥この大将って‥」
「長男長女の心理ですね。ま、エドワード君の場合、母子家庭に近い環境でかつ、思春期・反抗期前に母親を無くし、その面影は綺麗なまま・愛しいまま思い出の中で美化され続ける。一方、父親は母の死に繋がる忌むべき、しかし母から父を払拭できなかった羨望の記憶となる。彼は究極のマザコンでありファザコンであるわけです。」
「言われてみれば確かに愛のマザコン、憎のファザコンになる要素たっぷりだったと思うが、実際は‥」
「そう。実際に彼は両親に関して極まってません。どちらかというとノーマルです。それと言うのもこの究極のマザコン・ファザコンに到る前にブラコンが大きく立ちはだかっていたからです。」
「アルフォンス。」
ハボック・ブレダが口をそろえるのに、ファルマンは大きく頷いた。
「しかしあれはブラコンって言うより、ヤバイ方向へ行っちゃってるんじゃないのか?」
「そこですよ。」
ファルマンの声が大きくなり、ハボック達は思わず身を引いた。
「普通長男長女は、下が生まれる事によって母親の愛情を奪われると感じるから、嫉妬します。しかし彼の場合はアルフォンス君の回りに嫉妬している。どうしてそうなったのか。」
ファルマンは腕を組んで大きく頷いた。
「生い立ちの逆を書いてみる事で、彼の真実を探ってみるのです。」
「何の為にですか?」
フュリーの疑問をハボックとブレダが塞ぐ。
「面白そうだな。」
「弱みが握れるかもしれんしな。」
ふっふっふっふっと笑い声が木霊する室内で、フュリーはひとりごちた。
「でも、違い過ぎるから、意味無いんじゃないのかなぁ。」

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中川○はエルリック家か?
についての考察

7月竜

純粋にエドアルを読みたい方はファルマンの書いた奇数頁(内容文色赤表記)のみお読み下さい。なお、ぶっらくぶらっく仕立てとなっております。お気をつけて。

消せない科
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