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中川○はエルリック家か?
についての考察
7月竜
純粋にエドアルを読みたい方はファルマンの書いた奇数頁(内容文色赤表記)のみお読み下さい。なお、ぶっらくぶらっく仕立てとなっております。お気をつけて。
「呼んだか?」
「ぎゃあ〜〜〜、やっぱり出た〜〜〜」
「貴様等上司をお化けかなんかのように‥、それは何だ?」
ロイは原稿を手に取ると、徐に読み始めた。
「鋼の‥天誅をくれてやる!」
プルプルと手を震わせるロイを慌ててブレダが宥める。
「た・大佐、これはあくまでフィクションですから。」
「その前に大佐、目が潤んでますよ」
頬を引きつらせハボックが進言するに、ファルマンがロイの手を取った。
「そこまで感動してもらえるとは!ありがとうございます、大佐。」
「うむ。ファルマン、なかなか感動的な話だぞ。だが私が登場しないのは何故かね?この先勿論良き保護者として登場するのだろうね。」
「ええ、家を出た後アルフォンスは国家錬金術師になり‥」
「わたしと結婚するのよね。」
ウィンリィの言葉に、ロイが眉を寄せる。
「なに?国家錬金術師になり私の庇護を受けうのではないのかね?」
ウィンリィとロイの間に火花が散る。
「わ〜〜、発火するから止めて下さい〜〜」
「水分なら充分ありますよ、ここに」
怯えるフュリーの肩を叩いたのは、鎧姿のアルフォンスで、彼が指さす隣りにはエドがいつの間に取ったのか、原稿を掴んで滝のような涙を流していた。
「もう、終わりだ」
「短い人生だった」
ウィンリィ・ロイ・エドの三竦み状態を予想し、ブレダとハボックは十字を切る。
しかし
「アル、俺はこんな事ただの1度も思ったりした事無いぞ!本当だ、信じてくれ!兄ちゃんはいつだってお前が1番大事なんだ!」
「お母さんよりも、ですか?」
エドの力説に答えたのはアルでは無く。興味津々のファルマンが細い目を見開きエドに詰め寄った。
「ファルマン准尉っ、どうしてあんたはこう、ありもしない話しを」
「答えて下さい、エドワード君。どうなんです!?」
ファルマンの後には、やはり興味津々で残りのメンバーが息を潜めている。
しかし、エドは臆する事無く全員を見据えて、断言した。
「もし、母さんを錬成するのにアルを犠牲にしなければならないなら、俺は迷わず母さんを錬成し、アルとともに逝く!」
スカーン
エドの頭にアルのチョップが炸裂する。
「なにふざけた事言ってるんだよ。兄さんまで死んだら、母さん困るだろ!?後片付けとか」
「後片付け、ですか‥」
エドの告白は、やはりアルには届かないようだった。しごく当たり前の返事が返ってきて、エドは膝を抱えて座りこんだ。
「では、アルフォンス君ならどうするんです?」
「僕ですか?僕は、錬成しません。親不孝でも、冷酷と罵られても、僕は甘んじてそれを受けます。兄さんが生きていて、笑ってくれるなら兄さんを含め世界中から拒絶されても、それで僕は」
「アル〜〜〜〜」
立ち直り抱き付こうとしたエドは、割って入ったファルマンの背に強かに鼻をぶつけた。
「兄は正義を貫いて弟と死ぬ事を夢見、弟は兄と生きる事を望む、後指さされても。たいへん興味深い。」
「っていうかお前、もしかしてこの先を考えて無かったんじゃ‥」
ハボックが半眼で指差すのに
「今のハボックの話は本当か?ならばこの先は先程のようにアルフォンス君は国家錬金術師と成り、私と」
「それより最初の通りわたしとアルのハーレクインロマ○スを書いてよ。」
「違〜うっ改心した俺とアルの甘い生活をだな、切々と綴って」
「どうでもいいけど、みんな夢見がちなんですね。」
「軍の仕事は殺伐としてるから。」
部屋の隅に椅子を移動させるとアルとフュリーは、他人事で中央のやり取りを観賞していた。