コンディションメイクのための栄養学

アスリートとして競技を続けていく上で重要となるのが体の管理です。
怪我をしているのに無理をして練習したりすると競技ばかりでなく、
普段の生活にも支障をきたす可能性があります。
本来もっている自分の力を最大限に発揮するために自分の体のことに注意を向けることも大切です。

体調を管理すること、コンディションを整える考えをここでは栄養学的に書いていきます。
まずコンディションを作るということは

  1. 怪我の治療、リハビリ
  2. 疲労の除去
  3. ベスト体重の維持
などが挙げられます。




1.怪我の治療、リハビリ

怪我の治療そのものは信用できる医者の言うことをきちんと聞いて治すのが一番です。
その上で食事面でできることをするがベストです。基本は次の二つです。

  1. 怪我の修復材料をしっかり摂る
  2. 回復の度合いによる練習量の変化に対して食事量を調節する

@怪我の修復材料をしっかりと摂る

栄養素別に部位を書いていきます。

タンパク質

筋肉、靱帯、腱

カルシウム

血液、筋肉、骨髄

コラーゲン

腱、靱帯

ビタミンC

結合組織の強度アップ

コンドロイチン

骨、軟骨、皮膚

グルコサミン

軟骨の潤滑油の滑膜液

怪我をしたときはこれらの栄養素が十分に取れる食事をしましょう。
基本は次に示す「栄養フルコース型」の食事を摂ってください。
それに足らないものを別の食事やサプリメントで補いましょう。

@主食(エネルギー源) 糖質 ご飯、パン、めん類
Aおかず(体作りの材料) タンパク質、脂質、鉄 肉、魚、卵、豆腐、プロテインパウダー、ミネラル補助食品
B野菜(体調の調節) ビタミン、ミネラル、食物繊維 具沢山味噌汁、煮物、サラダ、ビタミン補助食品
C果物(体調の調節) ビタミンC、糖質、食物繊維 果物、100%ジュース、ビタミン補助食品
D煮干など(体作りの材料) カルシウム 煮干、ヨーグルト、わかめ、カルシウム補助食品

コラーゲンは靱帯などの結合組織の網目状の構造を強くし、
怪我に負けない体作りや、怪我からの回復を支えます。
コラーゲンはゼリー、テリーヌ、サラミ、豚足、手羽先、煮こごりやふかひれなどに多く含まれています。

A回復の度合いによる練習量の変化に対して食事量を調節する

怪我した当初はほとんど運動できない状態でも、
だんだんと回復していくにつれて練習量が増えていくと思います。
(但し怪我をしない程度の練習になりますが)それに伴い食事の量を変える必要なあります。

練習のできない時期はそれに合わせたエネルギー量を摂り、
練習量の増加に従ってエネルギー量を増やします。
練習できないときに今までと同じように食べていては
体重が増えてしまいますのできちんと管理しましょう。




2.疲労の除去

疲労の除去は普段の練習を行っていくうえで重要です。
この除去具合により練習の質や量が決まってきます。

精神が肉体を凌駕することはスポーツの世界でも必要ですが、毎日凌駕していたら体が持ちません。
オーバートレーニングを甘く見てはいけません。

体調の回復度合いが8割だとすると、8割5分の練習をすればオーバートレーニングです。
常に自分の体調がどのくらいかを知っておくことが重要です。

一般のアスリートはウォーミングアップでの体の重さとか、
気分などから判断するしかないですが、それだけでも違うと思います。

疲労回復に必要な栄養素は、
ビタミンB群、ビタミンC、BCAA、グルタミンなどが挙げられます。

疲労回復の方法として、
疲労をすることを見越した上であらかじめ摂る方法と疲労を感じた後に摂る方法があります。

まず疲労を見越した上での方法は、
練習前にビタミンB群を含むサプリメント、BCAAを摂ります。
また糖質を十分にとっておくことも大事です。
練習後にも同じものを摂ることで回復を早めることができます。

ビタミンB群は炭水化物や脂肪がエネルギーになるのを助ける役目を持っています。
なのでビタミンB群を不足なく摂ればエネルギーが効率よく発揮できます。

BCAAはバリン、ロイシン、イソロイシンの必須アミノ酸のことですが、
これを摂ることにより、筋タンパクの分解を抑制し、筋肉を守ります。

また集中力の持続にも効果があります。
練習後に飲むことで筋タンパクの合成を促進させ、疲労回復に効果があります。

次に疲労を感じた後に行う方法は、基本的に摂る栄養素は同じで、
ビタミンB群、ビタミンC、BCAAと糖質です。

ビタミンCはストレスを緩和する働きがあり、
運動で発生する余分な活性酸素を無毒化する働きもあります。



3.ベスト体重の維持(ウェイトコントロール)

アスリートにとってウェイトコントロールは簡単である人もいるし、
難しい人もいるといった感じでしょう。

おそらくほとんどの競技では減量を目的とすることが多いと思うので、
ここでは減量に重点をおきます。

減量とは体脂肪を落とし、筋肉はできる限り落とさないように、
逆に除脂肪体重は増やすようにすることと定義します。

うまく行うには当たり前ですが、食事と運動の両方からの対策を考えてやらなければなりません。

世の中には「食べない」方法がありますが、
この方法だとリバウンドもしやすいし、筋肉が削がれてしまう危険もあります。

「食べない」減量には様々な悪影響があるので絶対にしないようにしましょう。
ただ食べすぎだと思う人は減らしましょうね。

1.目標を決める

漠然と痩せたいと思っているだけではうまく痩せれません。
そこでいつまでに何kg痩せたいのかを明確にして実践していきましょう。

脂肪は1kgで7200kcalあります。
これを運動だけで消費するには無理があります。
そこで基礎代謝に注目し、基礎代謝を高めるための栄養を摂る必要があります。


2.食事の質はそのまま

減量というと脂質を減らしたりすると思いますが、質はそのままでいいのです。
上で書いた栄養フルコース型の食事を摂りましょう。
この栄養フルコース型を基本として重要なことを挙げていきます。

@高タンパク
減量中だとしても練習はすると思います。
そのため筋肉を作るタンパク質は必ず摂りましょう。

一回に消化・吸収できるタンパク質の量は40〜50gなので小分けして、
除脂肪体重の2.2倍は摂りましょう。
タンパク質は筋肉を作るので基礎代謝がアップします。

脂肪の少ないモモ、ヒレ肉、鶏ささみ、白身魚、マグロ、牛乳やヨーグルトなどを食べましょう。
足りない分はプロテイン粉末を利用しましょう。

A高ビタミン
ビタミンを取ることで体の中で起こる化学反応を効率よく行わせることができます。
それは疲労回復のものだったり、スタミナの増加のためだったり、怪我の予防になるものなどです。

ビタミンは相互に関係していて、一部摂っただけではあまり効果がありません。
なのでバランスよく摂ることが大切です。
そのためにもマルチビタミンのサプリメントを利用するとよいでしょう。
食事としては野菜、果物などを積極的に食べましょう。

ビタミンも代謝に必要なので、きちんと摂れば基礎代謝が上がります。

B高ミネラル
普段からカルシウムと鉄は不足しがちなので積極的に摂ってください。
ミネラルもビタミンと同じで、
体の中の化学反応を助ける働きがあるのでしっかりと摂って、身体機能を最大限まで引き出しましょう。

今の世の中では、ミネラルが含まれる食品はその量を減らしてきています。
なのでそれを補うためにもサプリメントを活用することがよいでしょう。

C低脂肪
1gが9kcalもある脂質は摂りすぎに注意しましょう。
脂質は全くいらないわけではなく必要な量は摂らないといけません。
飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸とありますが、不飽和脂肪酸を多く摂るようにしてください。
よく聞くDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は不飽和脂肪酸です。


3.食べ方

よく言われることですが、よく噛み、ゆっくり食べましょう。
あと寝る前には食べてはいけません。
寝ているときに胃腸が活動していると食欲がなくなったり、
疲れが取れないといったことが起きる可能性があります。


4.有酸素運動を取り入れよう

より効果的に痩せるために、有酸素運動を取り入れましょう。
持久力系スポーツの人はいいですが、そうじゃない人はウォーキングやジョギングを取り入れてください。


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