スポーツを続けていく中で、エネルギーというものは切っても切り離せないものです。
エネルギーが足りなければ体が動かないし、逆に余ってしまうと脂肪になってしまいます。
ここではエネルギーとの付き合い方を書いていきます。
- 五大栄養素
- 基本の食事
- エナジーメイクのための食事
五大栄養素
人間に必要な栄養素は5個あり、五大栄養素と呼ばれています。
- 糖質
- 脂質
- タンパク質
- ミネラル
- ビタミン
です。最近ではここに食物繊維を加えて六大栄養素とすることもあります。
1.糖質
糖質は、車でいうガソリンです。
また脳の唯一のエネルギーであるブドウ糖を作ります。
ご飯、パン、めん類などの主食や、果物、砂糖に多く含まれています。
体内ではグリコーゲンとして蓄えられていて、貯蔵量には限界があります。
なので毎日こまめに摂らないと頭も体もうまく機能しなくなります。
2.脂質
比較的ゆっくりとしたペースの有酸素運動のエネルギー源になります。
体内では細胞膜、内臓脂肪や皮下脂肪として存在しています。
植物油、マーガリン、魚、肉の脂身などに多く含まれています。
高エネルギーなので体が飢餓状態の時は蓄えようとしてしまうものです。
つまり太ってしまうということです。
痩せようと食事を減らすと飢餓状態になるので減量後にリバウンドするようになってしまいます。
3.タンパク質
筋肉、骨、内臓、血液、噛み、爪、ホルモン、
酵素などの体を作るのに必要な栄養素です。
エネルギーが足りないときは筋肉のタンパク質を分解してエネルギーとします。
体を作るために毎日摂る必要があります。
4.ミネラル
無機質とも呼ばれ、機能調節や体作りの材料として使われます。
カリウム、ナトリウム、マグネシウム、リン、亜鉛などがあり、
アスリートはカルシウムと鉄が不足しがちです。
4−1.カルシウム
99%は骨や歯の材料として使われ、残り1%は血液や筋肉中にあり、
神経伝達、情緒の安定などをつかさどっています。
カルシウムを摂る一番の食品は牛乳です。
カルシウムが多く含まれるし、吸収を助けるビタミンDなどやタンパク質が入っているからです。
ただ牛乳に頼るのもどうかという説もありますので、自分で判断してください。
牛乳が飲めない人は豆腐、小魚、ひじきなどから摂りましょう。
骨を丈夫にすることも大事ですが、情緒の安定もアスリートにとって重要です。
4−2.鉄
血液、筋肉、骨髄や肝臓などの組織中に分布しています。
アスリートには貧血というものがあり、
これには鉄が非常に重要な役割を果たします。
血液中のヘモグロビンは鉄が主な成分で、
鉄が不足するとヘモグロビンの量が減り、貧血になりやすくなります。
鉄はレバー、赤身の肉、貝類、ホウレンソウ、アマランサスなどに多く含まれます。
吸収率が低いので必要所要量よりもたくさんとる必要があります。
アスリートに必要な量は30〜40mgです。
吸収率はヘム鉄(肉、魚)は15〜25%、
非ヘム鉄(ホウレンソウ、アマランサス)は2〜5%です。
5.ビタミン
ミネラルと同様に機能調節を行う栄養素です。
10種類以上のビタミンがありますが、
アスリートにとって特に重要なのはビタミンB1とビタミンCです。
5−1.ビタミンB1
エネルギー源の糖質をエネルギーに変える際に必要なビタミンです。
いくらご飯で糖質をとってもビタミンB1がなければ糖質はエネルギーになりません。
豚肉、玄米、レバーや緑黄色野菜などに含まれています。バテやスタミナに必要な栄養素です。
5−2.ビタミンC
働きはいろいろで、疲労回復、ストレスの緩和、靱帯などの結合組織の強化などがあります。
ビタミンCは水溶性なので体内に長い時間いられません。
また熱、空気や水に触れることで破壊されてしまいます。
長時間いられないということは、
こまめに摂らないと体内からなくなってしまうということです。
なので普段からこまめに摂るようにしましょう。
果物や果汁ジュース、野菜などに含まれています。
基本は栄養フルコース型の食事
アスリートに基本は栄養が十分取れるような栄養フルコース型の食事が基本になります。
下の表を参考にして見てください。
@主食(エネルギー源) |
糖質 |
ご飯、パン、めん類 |
Aおかず(体作りの材料) |
タンパク質、脂質、鉄 |
肉、魚、卵、豆腐、プロテインパウダー、ミネラル補助食品 |
B野菜(体調の調節) |
ビタミン、ミネラル、食物繊維 |
具沢山味噌汁、煮物、サラダ、ビタミン補助食品 |
C果物(体調の調節) |
ビタミンC、糖質、食物繊維 |
果物、100%ジュース、ビタミン補助食品 |
D煮干など(体作りの材料) |
カルシウム |
煮干、ヨーグルト、わかめ、カルシウム補助食品 |
バランスはいいとして次にどれだけの量を摂ればいいのかということになりますと、
身長とか運動強度により変化しますが、一般人の1.5〜2倍のカロリーを摂ってください。
タンパク質、ミネラル、ビタミンは2倍以上摂るようにしましょう。
エナジーメイクのための食事
練習や試合のためにエネルギーを蓄えなければなりません。
そのための食事の方法を書いていきます。例として試合があるときを選びます。
@高糖質、高ビタミン、低脂肪の食事
試合当日の食事は高糖質、高ビタミン、低脂肪の食事にしましょう。
ご飯、パン、めん類、果物など糖質を多くつるようにします。
エネルギー代謝やコンディショニングに関係するビタミンB群や
ビタミンCを意識して多めに摂るようにしましょう。
サプリメントを使うと簡単です。
A試合開始から逆算して、3〜4時間前に食事を済ませる
試合に食事で食べたものが残っていると腹痛になったり、
血液が胃に集中してスタミナが確保されなかったりしますので、試合までに消化できるようにします。
なので3〜4時間前に食事を済ませましょう。
摂れない場合は消化のよいものを選んで影響をなくしましょう。
B試合前の食事は腹八分目
試合前はいつもより緊張し、消化吸収の能力に少なからず影響します。
なので食事は腹八分目にしましょう。
空腹が心配なときはゼリーやドリンクで調整しましょう。
C前日は消化のよいもの、食べ慣れたものを
油っこいものは消化に時間がかかり、
胃腸に負担もかかるので試合前はとらないほうがいいでしょう。
食物繊維は腸内でガスを発生させるので食物繊維を多く含む食品は控えめに。
Dグリコーゲンローディング
試合前にエネルギーであるグリコーゲンを体内に多く取り入れるための方法です。
具体的には持久力系のページに書いています。
参考にしてください。
E試合中の補給は糖質と水分
長時間試合を行うサッカー、マラソン、テニスなどは試合中にエネルギーを補給しなければなりません。
そのため試合中にデキストリン、ブドウ糖やアミノ酸などを
主成分としたスポーツドリンクやゼリーがお奨めです。
ドリンクは吸収の早い糖質濃度6%のドリンクを摂るようにしましょう。