瞬発力系とは短い時間に最大の力を発揮するような種目のスポーツです。
陸上競技の100m、砲丸投げ、野球のバッティング、ウェイトリフティングなどが挙げられます。
こうしたスポーツをするアスリートは特別な食事制限が必要になってきます。
とにかくタンパク質!
瞬間的に大きな力を出すためにより大きな筋肉、
より動きやすい筋肉を作らなければなりません。
そのためにも筋肉を作るタンパク質は毎日摂るべき栄養です。
タンパク質をどのぐらい摂ればいいのかを知っている人はいると思います。
タンパク質は自分の体脂肪率を出し、脂肪を除いた体重の2.2倍の量を摂ってください。
70kgで体脂肪率が10%なら(70−70×0.1)×2.2=138.6gのタンパク質を摂ります。
これは豚のしょうが焼きで8人前くらい、卵23個分くらいです。
上の量を一日に摂ってください。
肉や魚は脂質も多く摂ってしまうのでたくさん食べれません。
タンパク質が多く含まれる食品
- 牛肉‥‥赤身肉がよい。モモ肉、ヒレ肉など。鉄も摂れる。
- 豚肉‥‥モモ肉、ヒレ肉など。ビタミンB1が豊富。
- 鶏肉‥‥皮を除けば低脂質。ささみがよい。
- 魚介類‥‥白身のほうが赤身より低脂質。マグロの赤身はよい。いか、たこ、海老など。
- 卵‥‥ビタミン、ミネラルを多く含む。レシチンがコレステロールの蓄積を防ぐ。1〜2個/日
- 大豆製品‥‥豆腐、納豆、おから。納豆にはビタミンB2、イソフラボンが骨を強化。
- 乳製品‥‥ヨーグルト、チーズ特にカッテージチーズ。
タンパク質100%の食品はないので、プロテインを利用することを勧めます。
しかし注意することがあります。それは次のとおりです。
- 飽くまでプロテイン主体ではなく、食事の補助として摂ること
- 一度に吸収されるタンパク質の量は40〜50gなので小分けして食べること
- 一日だけ摂るのではなく、毎日継続して摂ること
プロテインの種類は現在2つの主流があり、
一つは乳清または乳漿のプロテイン、ホエイプロテインと
大豆のプロテイン、ソイプロテインがあります。
ホエイプロテインは筋肉の回復に使われ、ソイプロテインは減量に使われることが多いです。
これらの用途を理解して組み合わせて摂りましょう。
普段の食事
試合のない週の食事は栄養がたっぷりと含まれる食事を摂りましょう。
@主食(エネルギー源) |
糖質 |
ご飯、パン、めん類 |
Aおかず(体作りの材料) |
タンパク質、脂質、鉄 |
肉、魚、卵、豆腐、プロテインパウダー、ミネラル補助食品 |
B野菜(体調の調節) |
ビタミン、ミネラル、食物繊維 |
具沢山味噌汁、煮物、サラダ、ビタミン補助食品 |
C果物(体調の調節) |
ビタミンC、糖質、食物繊維 |
果物、100%ジュース、ビタミン補助食品 |
D煮干など(体作りの材料) |
カルシウム |
煮干、ヨーグルト、わかめ、カルシウム補助食品 |
試合期の食事
試合期の基本は上と同じです。
試合一週間前から3日前までは上と同じ食事を摂ってください。
2日前から1日前はおかずの量を減らし、主食を1.5〜2.0倍に増やしましょう。
これは体内にエネルギー源の糖質を満杯に蓄えるためです。
さらにビタミンB1やビタミンCを中心にビタミン、ミネラルを摂ります。
試合当日は試合の始まる時間から逆算して食事の時間と種類を決めましょう。
【朝食】
糖質中心で、ビタミン中心。例えばご飯、果物。
【3〜4時間前】
試合時に胃の中は空にする。糖質中心で、消化の悪い油っこいものはやめる。
【試合直前】
エネルギーゼリー、スポーツドリンク、アミノ酸など。
【試合中】
水分摂取。糖質濃度6%程度のスポーツドリンク、ゼリー。
【試合と試合の間】
つなぎの栄養補給。糖質中心、ゼリー等。
【試合直後】
30分以内に糖質とタンパク質を3:1の割合で補給。
量は糖質を体重×3g程度。
アミノ酸を飲んで疲労回復。
試合当日の水分補給について。
試合の1〜2時間前までに
糖質濃度8%付近(アイソトニック)
のドリンクを500mlを上限に飲んでください。
それ以後は糖質濃度6%付近
のドリンクを取るようにしてください。
運動を始めると内臓の活動は抑制されます。
なのですばやく胃の中で吸収させるために低浸透圧のドリンクを取るべきなのです。
摂る量は15分毎に150ml〜200ml
にしましょう。
それ以上は吸収しにくくなります。
クレアチン
クレアチンを摂取するとハイパワーがアップします。
それはまず、ハイパワーの元であるATPが筋肉細胞に含まれていて、
これがエネルギーを出すと、ADPというものに変わります。
ADPをまたATPに戻す際にクレアチンリン酸を使うのだが、
体内にあるクレアチンリン酸の量は少量なので、
ハイパワーのを持続する時間は普通で10秒程度です。
クレアチンを摂取することで体内のクレアチンリン酸の量が多くなるので、
ATP再合成が進み、ハイパワーの持続時間が長くなります。
それゆえ瞬発力も向上します。
さらにクレアチンには乳酸の生成を抑制する働きもあるので、
筋肉が疲労する時間も遅くなり、結果的に運動レベルが上がります。
体内のクレアチンの量を増やすために溜め込む作業が必要です。
試合に満杯になるようにするのがベストです。
まず試合の3週間前から六日間は1日20gの。毎食後と練習後に5gずつ摂ります。
その後2週間は1日5g、練習後に。