パリ・ブリュッセル旅行記2006


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◆3日目:6月5日(月)◆
   

<電車に乗ってシャンパーニュ地方へ>

 今日はフランス旅行のメインである
シャンパーニュ地方への日帰りである.
憧れのシャンパン・メゾンのカーヴ(セラー)を訪ねる事ができると思うと大変ワクワクする.

 5時30分に起き,シャワーを浴びて朝食をとらずに6時50分にホテルを出発.
メトロを乗り継ぎ,
パリ東駅(Gare de I'Est)に到着.
昨日,訪れた北駅は近代的な雰囲気があるが,こちらの方はレトロな感じでいかにもヨーロッパの駅舎という感じ.
天井も高く,鳩がたくさん飛んでいるので,夫は鳩の糞で滑って転びそうになっていた(駅入口の床はつるつるの石でできている).
朝食は駅の売店で立ち食いのハムバケットサンドイッチ3.2ユーロとカフェオレ2.2ユーロ.
何軒もあるので,どこで食べようか何回かふらふらしてしまった(笑,どこも同じだろうが).
今回の旅行でこういう朝食を食べるのも楽しみの一つであった.
ヨーロッパのサンドイッチは実に美味しいと思う(それなりの値段がするが).
これにワインがあれば夕食としても十分満足だ,とよく夫と話している.

 電車の出発20分前になると巨大電光掲示板に出発ホームが表示されるので,その前には人だかりができている.
私達は7番線の8時3分発のストラスブール行きの電車に乗る.
手前の方は一等車なので,二等車の私達は奥まで歩かないといけない.
フランス国鉄(SNCF)は日本のように指定席と自由席を車両で区別することはないので,最初は間違えて指定席に座っていた(窓口上部に予約の紙が入っているのに気が付かなかった).
予約している人がやってきて,慌てて,自由席を探す.
座席は大変広くて快適である.
この路線は今回の旅行で乗った電車の中で一番快適だった.
9時12分に第一目的地の
エペルネ(Epernay)に到着.
ここには,あのモエ・エ・シャンドンの本社があるのだ.


<憧れのモエ・エ・シャンドン見学>

 エペルネは予想以上に小さな静かな街だった.
この街であのシャンパンが造り出されていると思うと感慨深いものがある.
駅からまっすぐ歩き,広場の斜め左側に憧れのシャンパン・メゾンである「
モエ・エ・シャンドン(Moet & Chandon)」(18, av. De Champagne)はあった.
駅からは歩いて5分強ほどである.
あの世界最大規模のメゾンがこの静かな環境にあるというのはとても不思議な気がしたが,ちょうど10台近くものポルシェが次々と駐車場に入る様子はちょっと圧巻であった(彼らもカーヴ見学だったようだ).
入口の門をくぐると,左手にはシャンパンを発明したといわれるあの修道士
ドン・ペリニョン像が迎えてくれる.
シャンパンのボトルを手に持っている彼は,記念撮影スポットとして大人気であった.

  
  
ガイドブックなどで写真をよく見ていただけに,実際の像に会えて感動.

 建物の中に入り,受付で名前を告げ,無事,10時からの
日本語ツアーの予約が入っている事を確認.
ツアー代金一人21ユーロ(試飲が3杯付きのツアー)を払う.
ちなみにフランス語,英語のツアーであれば随時,ツアーに参加することができる.
我が家はどちらの言語も理解できないので,日本語ツアーを事前予約したのだ(値段は一緒).
貰った日本語パンフレットはけっこう立派であった.
ツアー開始までは,受付横の広いロビーで待つが,ソファなどの調度品も立派である.

 いよいよ,9時55分からツアーが開始.
最初に簡単なビデオを見る.
モエ社のキーワードは「自然から芸術へ」だそうで,大自然の最良の恵みを忍耐と技術で完成の域に高め,今日のモエ社があるようだ.
この後,いよいよ待望の
地下のカーヴ(セラー)へ入る.
薄暗いカーヴは白亜土層をくりぬいて網の目のように作られており,現在では全長28kmにも達するそうだ.
迷路のように入り組んでいて迷子になったら出られなくなりそうだ.
ここは一定の温度と湿度に保たれており,壁を触ると冷たく湿気を感じる.
カーヴを歩きながら順番にシャンパンの製造工程について丁寧な説明を受けることができる.
シャンパンの製造はワインに比べて複雑なようであり,主に以下の行程から成るそうだ(パンフレットより抜粋).
収穫→圧縮→第一次発酵→ブレンド→ボトル詰め→第二次発酵→ルミアージュ(動瓶)→デゴルジュマン(口抜き)→ドザージュ→コルク栓とラベル.
驚く事に,葡萄の収穫は機械化されていないらしい.
製造工程はオーストラリアのドメイン・シャンドン(モエ社が設立)に行った時にも説明を受けたのかもしれないが,ほとんど記憶になかった.
ちなみにドメイン・シャンドンには赤シャンパンがあるが,フランスの本家では白とロゼのみである.

いろいろなシャンパンが製造されているようであったが,ドンペリのような高額なものは施錠された鉄格子のセラーにあり,厳重に管理されていた.

  
  
薄暗い迷路のようなカーヴ.ここを歩いて見学する.

 カーヴ見学の後は
待望の試飲である(実はこれが一番の楽しみである).
私達が飲んだのはブリュット・アンペリアル(Brut Imperial),ブリュット・アンペリアル・プリミエ・クリュ(1er Cru),ブリュット・アンペリアル・ロゼの3種類である.
1, 3番目のシャンパンは日本でもよく見かけるが,プルミエ・クリュは日本に輸入をしていないらしい.
このお酒は爽やかな香りと辛口の味が強く,個性的であり,私は好きである.
この3種類のシャンパンを飲んでいるとこの素晴らしいお酒を開発してくれた先人につくづく感謝の気持ちで一杯になる.
これでツアーは終了で所要時間は約1時間.
最後には売店があり,心惹かれるシャンパンやグッズが揃っている.
私達は先程飲んだBrut Imperial 1er Cruとこれも日本に輸入されていないというNectar Imperial(これはやや甘めらしい,こちらはスキポール空港で売っていた)を1本ずつ購入した(詳細はトップページの「最近のお気に入り」をご覧下さい).
両方とも30ユーロ.
またモエ社のロゴ入りソムリエナイフもついつい購入.
ちなみにシャンパンは購入後,すぐ飲んだ方が良いとの事.
シャンパンは瓶自体も重いので,この後,夫はずっと重い思いをしたそうだ(申し訳ない..).
ちなみに憧れのドンペリはこちらでも当然ながら高嶺の花で,見ているだけであった(笑).

 私達は11時31分の電車に乗らないといけないので(本数が少ないので,これを逃すと次の電車は2時間後の14時30分なのだ),先程,グラス3杯のシャンパンを飲んだのにも関わらず,走ってエペルネ駅に戻る(笑).
最後は慌しくなってしまったが,大満足の見学であった.


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